ロック探偵のMY GENERATION

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ひろしまタイムライン

2020-08-06 20:29:21 | 時事


今日は、8月6日。

広島に原爆が投下された日です。

その日から75年――今年も、このことについて書いておこうと思います。


広島の原爆に関して、今年は、NHK広島がツイッターで「ひろしまタイムライン」という企画をやっています。
「もし75年前にSNSがあったら」ということで、当時の人々が書いた日記をもとに、日付をあわせてツイートしていくという企画。
3つのアカウントがあり、それぞれ、主婦の「やすこ」、中学生の「シュン」、新聞記者の「一郎」。
当時の人々の生活がリアルに伝わってくる好企画といえるでしょう。

3者それぞれに興味深いのですが、私は特に新聞記者である「一郎」のアカウントをフォローしていて、ときどきタイムラインにあらわれるツイートをみていました。
「一郎」のアカウントでは、当時の新聞記事なども出てきていて、これがまた生々しい。
木工飛行機の開発とか、紙を軍需物資として使用するために古紙の回収を呼びかけるとか……もう敗戦は間近に迫っているという状況でも、まだ国内はこんな感じだったんだな、というのがリアルに伝わってきます。
実際にはもう挽回など不可能な状況であるにもかかわらず、国民はそのことを知らされずに本土決戦に備えているという……

ただ、これらのツイートを見ていると、戦時下とはいえ、そこには普通の生活があります。

日頃の生活に関するツイートをみているかぎりでは、現代のツイッターでつぶやかれている日常とそう変わらないようでもあります。そのアカウントだけを見るのではなく、普通にタイムラインで流れてくるツイートを見ていると、そう意識されます。おそらく、それがこの「ひろしまタイムライン」という企画の意図するところでしょう。

この企画が、今日いよいよ広島に原爆が投下されるところにいたったわけなんですが……そこであきらかになるのは、核兵器が、いかに無惨に“普通の生活”を破壊したかということです。
もちろん、そこに至るには戦争があり、いろいろなことが複雑にからんでいるわけですが、その結果として一般市民に降りかかってくるのは、不条理なまでの残虐です。核兵器の問題を考える上では、この視点を絶対になくしてはいけない――そういう意味で、この「ひろしまタイムライン」は大きな意義のある企画でしょう。おそらく、明日以降も原爆投下後の広島を舞台としてこの企画はしばらく続くものと思われるので、引き続き追っていきたいと思います。





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