ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
『ホテル・カリフォルニアの殺人』(宝島社文庫)発売中です!

GLIM SPANKY - 「怒りをくれよ」

2020-03-25 20:38:47 | 音楽批評


今回は、音楽記事です。

このカテゴリーでは、椎名林檎/東京事変をとりあげましたが、そこからの関連で GLIM SPANKY の「怒りをくれよ」という曲を紹介しましょう。

 

 

 

 

この曲は、東京事変のベースを担当している亀田誠治さんのプロデュースになるものです。そしてまた、私がやっているバンドでコピーしている曲でもあるのです。

ボーカル松尾レミさんのワイルドな歌声が印象的なロックナンバーで、ほぼ全編スリーコードのみの展開も、そこにはまっているでしょう。


 

GLIM SPANKY - 「怒りをくれよ」

 

ONE PIECE劇場版の主題歌として使われたので、それで知っている方も多いでしょう。
原作者である尾田栄一郎先生がGLIM SPANKY を指名し、ワンピースをモチーフにして曲を作ったということです。ただ、それで作った曲がダメ出しを受けたそうで……
ワンピースを意識して、ワンピースにあわせた感じで曲を作ったところ、そういうことじゃない、と。それで「好き勝手に」作ったのが、この「怒りをくれよ」なのです。
下に、歌詞の一部を抜粋しましょう。


   関係ない顔した ことなかれ主義の腑抜けが
   陰でニヤニヤ 人のこと何を笑ってるんだ?
   お前らさ 笑われるのは
   湿った心は 最悪の燃えないゴミだぜ
   怒りをもっとくれ 理性なら邪魔なんだ
   限界越えた先にしか欲しいものはないから
   目が眩むほどの 火花散らして
   なあ 全身全霊で ぶつかろうぜ 輝くために


痛快な歌詞です。
「好き勝手に」作ったとはいえ、やはりそこにワンピースのイメージはあるでしょう。
松尾さんはワンピースのファンで、昔から「ルフィみたいだ」といわれてたんだそうで、ある意味で相思相愛だったわけです。であればこそ、GLIM SPANKY をそのまま出すことが、尾田栄一郎先生の意にかなうことだったのでしょう。
この歌詞について、ギターの亀本寛貴さんはインタビューで次のように語っています。

……愛や平和が一番根底にあるうえでそれを実現できない社会への怒りを歌っているのがロック。 怒りだけがピックアップされてロックとされてしまうんですが、いちばん大切なのは愛であり、平和であり、希望なんです。だからGLIM SPANKYは「怒りをくれよ」と歌っていますが、なぜ怒りが必要なのかというと、その怒りでステップアップしてもっと素晴らしい景色が見たいから、みんなを連れていきたいから。その希望を歌っているんです。

たまにツイッターなんかをみると、“最悪の燃えないゴミ”のようなつぶやきを最近よく見かけます。
なんだか、この十年ぐらいの日本はそういう傾向が強くなっているようで……そんな湿った心ばかりの世の中を、吹っ飛ばすようなロックが聴きたい今日この頃です。