ロック探偵のMY GENERATION

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Rod Stewart, Smile

2018-11-17 19:10:55 | 音楽批評
今回は、音楽記事です。

以前ホフ・ディランの「スマイル」を紹介しましたが、そこから同じタイトルつながりで、ロッド・スチュワートのスマイルという曲を紹介しましょう。

ロッド・スチュワートも、レジェンド級のアーティストですね。

フェイセズのボーカリスト、そして第一期ジェフ・ベック・グループのボーカリストとして特に有名です。

いまやナイトの称号を持つロッドさんですが、彼は往年のアメリカヒットソングをカバーするという趣向のアルバムを、THE AMERICAN SONGBOOK と銘打ってシリーズで出してます。そのなかに「スマイル」は収録されているのです。

往年のヒット曲、なので、つまりはカバー曲。
ではオリジナルは誰かというと……かのチャップリンですね。「スマイル」は、あの喜劇王チャップリンが作った歌なのです。

歌っている内容は、ホフ・ディランのスマイルに通ずるところがあると思います。


  笑って 心が痛むときも
  笑って 胸が張りさけそうなときでも
  曇り空でも きっとうまいくさ
  恐れや悲しみのなかでも 笑っていれば
  きっと明日は
  太陽が輝いてくれるはず


つらいときこそ笑うんだよ……という。
チャップリンは作曲であって歌詞は後になって別の人がつけたそうですが、作詞者も当然曲を作った人物のことは意識していたはずで、喜劇王にふさわしい歌詞といえるでしょう。


最近アマゾンプライムで『蒼天の拳』というアニメのプロモーションが流れてるんですが、そこに、人差し指と中指で口の端を持ち上げて無理やり笑顔を作る……という場面が出てきます。まさに、つらいときにこそ笑う、ということです。
私は『蒼天の拳』という作品のことをほとんど何も知らないし、この仕草をやっている人物がどういうキャラなのかということもわからないんですが、このシーンにはぐっときます。もっというと、この演出が古い映画の焼き直しだということもわかってますが、それでもやっぱりぐっとくるんです。
それは、そこに普遍的な力強いメッセージがあるからでしょう。そして、チャップリン御大の「スマイル」にも、まさにそれが表現されています。だからこそ名曲として歌い継がれ、たまにCMなんかで使われたりして、ロッド・スチュワートもカバーするわけです。
カバーということでいうと、ナット・キング・コールが最初に歌ってヒットして以来、エリック・クラプトン、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダーといった名だたるアーティストたちにカバーされてきた名曲中の名曲。
……ということで、この曲をアンセム認定したいと思います。