むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

シラヤ語ミュージカル「ノアの方舟」のDVD

2010-03-30 01:26:54 | 台湾言語・族群
「台湾e店」で、平埔族シラヤSiraya語によるミュージカル「ノアの方舟」(挪亞方舟音樂劇 Ta Avang ki Noe-an)のDVDをゲット。民間団体の台南縣西拉雅平埔族文化協會発行、自然影音工作室製作。350元。69分37秒。
2002年12月27日に台南県新化国民中学で地元長老教会の口埤教会などの協力で上演されたもののライブ録画。シラヤ族の末裔の子どもたちが中心となってシラヤ語によるミュージカルを披露する。
台南縣西拉雅平埔族文化協會のHPからはこのシラヤ語、中国語、英語対照の台本を見ることができる:挪亞方舟音樂劇 Ta Avang ki Noe-an(中文 西拉雅語 英文)
最初に台湾語による月琴語りの口上があってシラヤ語が出てくるのは10分30秒あたりえ、本編の終わりは1時間3分くらいだ。
情景の説明は台湾語。歌のメロディはシラヤ族の伝統音楽風で、特に「数の歌」(15分)と「私は・・です」(31分)の歌が面白い。
しかし、シラヤ語でも、5はrimaなのね。これってほとんどのオーストロネシア語に共通している。

この劇とほぼ同時に同じ題名の絵本も出ていて、こちらはその昔、台湾語サマーキャンプで台南縣西拉雅平埔族文化協會が出店していたので、そこでゲットした。250元だったはず。37ページ。絵本と劇では台詞は違うが。

いずれも、シラヤ語への翻訳は、台湾人自身じゃなくて、シラヤ族と結婚したフィリピン人男性Edgar Macapili。今のところシラヤ語が使える唯一の人。
って台湾人が出来なくて、フィリピン人が出来る時点で、トホホ・・・。それを恥とも思わない台湾人のふがいなさにさらにトホホ。
まあ、フィリピン人の場合マレー系言語が母語なので、同じ系統で構造的にも似ているシラヤ語を習得することはたやすいとはいえ、これは台湾人自身がもっとがんばるべきものじゃないだろうか?米国に逃げたりする暇があったらw、こういう方面を地道にやって、50年後くらいにやっと民族国家ができるって話だろう。
別に民族国家を作るのが偉いわけでもないし、台湾人には未来永劫無理な話だから、台湾人はそろそろ「独立建国論」なんか捨てて、マルタ騎士団とかソマリランドにならって、「台湾という実体」の自己認識と国際認知という落しどころを見つけるべきじゃないかと。出来もしない独立建国論といくう神学論争に固執するのは時間の無駄。

地元の子どもなど素人の演技だが、素人としてはけっこううまいほう。すごく練習したのかもしれない。
しかし、こうした映像ソフトが2002年に出て、それから出ていないというのも、トホホ・・・。
台南県政府の部署台南縣西拉雅原住民事務委員會のホムペ見ると、その後も劇の創作はしているようなんだが、残すものがないとね。
まあ、台南県はシラヤ族文化の保存に力を入れていて、大法官会議(憲法裁判所)にもシラヤ認定のための憲法法解釈の申し立てをしたり、がんばっているのは事実なんだけど。

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