むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

台南の長老教会・新樓書房2階に台湾語ローマ字書籍(復刻版)が30種類以上

2010-12-31 17:19:50 | 台湾言語・族群
最近、ちょくちょく台南に行っているが、こないだ久しぶりに市内でゆっくりすることがあったので、台湾教会公報社も入っている青年路334号の長老教会ビルにある書店・新樓書房によってみた。
2階には台湾語書籍のコーナーがあって、30-50年代にかけて長老教会が出版したローマ字台湾語書籍の復刻版(ここ3-4年に出たもの)が30種類以上置かれていた。

これ、台北の長老教会総会(本部)の書店では見かけられないもので、さすが南部だと思った。

4冊ばかり買ってきて読んでいる。

中でも特筆すべきなのが、
「Ki-tok-tou5 kap Tai5-oan5 koan3-siok8(基督徒甲台湾慣俗、キリスト教徒と台湾の慣習)」(初版1956年、第3版1959年、復刻2006年、ISBN986-7102-88-6、160元、102ページ)
というのが、非常に面白い。
台湾の道教的な民間習俗の由来を解説、批判し、キリスト者は迷信に従わないことを説いたもので、時代が白色テロ最高峰だったにしては、けっこう過激な中国文化批判が展開されていて、面白い。「台湾省」という用語が出てくるところは時代性だが、きわめて先進的で合理的なもの。ローマ字で国民党検閲官があまり読めなかったから、内容の進歩性を見抜けなかったと見えるw。しかし、いまだにこの中身が通用するというか、乗り越えられてないところが、台湾社会の悲しいところかも。
そういえば、この本では日本時代は、Jit8-cheng3 si5-tai7(日政時代)と呼んでいて、けっこう日本時代の文献への言及もなされている。この点も時代背景を考えるとずいぶんと大胆だと思う。

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