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米国において経口感染する腸炎疾患の発生動向

2013-04-21 | 感染症内科 概論

2012年に罹患者数が多かったのはサルモネラ(7,800件)、カンピロバクター(6,893件)の順
入院率や死亡率が高いのはリステリア(96%, 10.74%)
5歳未満では特にサルモネラの罹患率が高く(63.49/10万人)、次いでカンピロバクター(24.78/10万人)
1996-1998年と比較して、腸炎ビブリオと診断される割合が高くなってきているが、発生数は193件と少ない。

腸炎ビブリオは海水や河口付近に常在する菌で、多くは魚を生で摂取することで感染する。 
特に海水温度が上昇する夏季に菌が増殖しやすくなるため発生数が多くなる。 
牡蠣などの海産物を調理によって適切に加熱、凍結、加圧することで感染を予防できる。
免疫不全者や肝不全のある患者は重症化しやすいため海産物の生食は避けるべきである。
海水に曝露することで、耳鼻科領域でのVibrio alginolyticusなど、経皮または経粘膜感染することもある。
 

Ref: MMWR April 19, 2013 / 62(15);283-287

 


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