数理論理教(科学教)の研究

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世界の地球物理学者は日本の「異変」を固唾を呑んで見守っている?阿蘇・伊豆小笠原の異変

2016-06-18 19:59:38 | 地震災害
世界(特に環太平洋火山帯:リングオブファイアー)で地震・火山が活発化していますが、世界の地球物理学者が破局的な災害をもたらすと予想している火山等のうち、日本には3つもあるとのことです。


「 先月、英国・マンチェスター大学のアルバート・ザイルストラ教授(天体物理学)が火山愛好家たちの協力を得て「世界で最も危険な火山10」を選定し、『VOLCANO CAFÉ』というブログで発表した。選出にあたっては、100年以内に噴火の恐れがあり、かつ破局的噴火となる可能性がある火山という基準が用いられている。今回、そのリストに日本の2つの火山が含まれているが、一体どのような理由で危険なのか探ってみることにしよう。

「世界でもっとも危険な火山10」に選定されたものを1位から順に並べると、以下の通りとなる。

1位:硫黄島(東京都小笠原村)
2位:アポヤケ山(ニカラグア)
3位:フレグレイ平野(イタリア)
4位:阿蘇山(熊本県)
5位:トランスメキシコ火山帯(メキシコ)
6位:アグン山(インドネシア)
7位:カメルーン山(カメルーン)
8位:タール山(フィリピン)
9位:マヨン山(フィリピン)
10位:ケルート山(インドネシア)

…『VOLCANO CAFÉ』を見ると、硫黄島でもっとも問題視されているのは、マグマによる隆起が4年に1mという世界でも珍しいペースを保っている点だ。第二次大戦中の米軍上陸(1945年)当時と比べ、なんと17mも隆起しているという。この島で破局的な噴火が起きることは、もはや時間の問題とされ、“その時”には高さ25mほどの大津波が日本列島や香港などを襲う危険があるという。1458年、バヌアツのクワエ火山が同規模の噴火を起こした際は、ニュージーランドを高さ30mの津波が襲い、それがポリネシア文化の崩壊につながった。(引用終わり)」

「地球物理学者ビル・マグワイア(ロンドン大学名誉教授)が、「次に地球を襲う3つの巨大災害」の中に日本の箱根をリストアップした。
 他の2つは、エル・ニーニョ現象とヒマラヤ山脈の断層線である。
 …では、箱根はどういうことか。マグワイア名誉教授によれば、箱根の温泉地域で噴き出る火山性蒸気に、危険な兆候が見られるという。(引用終わり)」

 なにやら物騒な話ですが、指摘されている「阿蘇」、「箱根」・「硫黄島」については、木村教授が危険だと想定している、「日向灘地震とそれに連動する火山噴火」、「伊豆小笠原地震とそれに連動する火山噴火」として見ると、ぴったり符合してしまい、背筋が凍るような思いになります。

 ここで、日本でのプレートの沈み込みにともなう火山形成について、確認してみましょう。

 まずプレートが沈み込むと、「海溝」(沈み込み帯)ができ、その後に「島弧(陸弧)」(海水を大量に含んだプレートが沈み込むことによりマグマが発生、火山噴火によりできる)が形成され、さらに「背弧海盆」(その背後に地溝帯ができる、メカニズムにははっきりしない)ができるようです。

 「背弧海盆のメカニズム」について解説しているQ&Aがありました。
「…島が弧状列島になる・背弧海盆ができて拡大するメカニズムには定説はなくて、研究中のようです。
(1)海溝のできる位置は同じではなくて次第に後退し、島が海洋側に進むようになる (2)海洋プレートの沈み込む角度が次第に急角度になり、島が海洋側に引き込まれる (3)沈み込んだ深い位置=背弧海盆の下の位置で大量のマントルが溶融しプルームとなって上昇し、ミニ海嶺のような発散域を形成して、そこを中心に海底が拡大する (4)マントルプルームの上昇で周辺が押されて、プレートが沈み込むところが主に後退し島の位置も遠のき、海盆が広がる (5)マントルプルームの上昇で周辺が押されて、大陸側が主に後退し、相対的に島の位置も遠のき、海盆が広がる(引用終わり)」

 上記の(3)・(4)・(5)のマントルプルームが上昇して押し広げるという考え方が理解し易いように思われます。どうしてマントルが上昇するか不思議ですが、とにかくここでも「海水」が関係しているようです。
背弧海盆「ここでの海嶺は中央海嶺同様に玄武岩を噴出するが、背弧海盆の玄武岩には多量のマグマ水が含まれる(水の重量比1〜1.5%)のに対し、中央海嶺の玄武岩質マグマは乾燥している(同0.3%未満)のが大きな違いである。(引用終わり)」

 そうしますと、フィリピン海プレートに沿い、海溝、島弧(陸弧)、背弧海盆と形成されており、島弧では沈み込みによるマグマの火山噴火が起こり(火山フロント)、また背弧海盆でも何らかの理由でマントルプルームが上昇し火山噴火が起っているということでしょうか。特にミニ海嶺のように押し広げられるらしいです(日本海が押し広げられたように)。
 フィリピン海プレートが沈み込む琉球海溝では、沖縄本島やいくつもの島々が「島弧」を作り、その背後に沖縄トラフという背弧海盆があります。

 南海トラフの九州では、島弧(陸弧)の背後に「背弧海盆」と思われる別府・島原地溝帯があります。

 南海トラフの四国では、島弧)陸弧)の背後には、瀬戸内海という地溝帯があります。その境界辺りに中央構造線が走っています。
 参考:なぜ世界のマグマ研究者が小豆島に注目するのか「…MgOが多いというだけでは、小豆島のサヌキトイドがマントル直結の安山岩であることを、多くの岩石学者に納得させることはできません。そこで、このサヌキトイドに含まれる鉱物の化学組成を調べたり、サヌキトイドマグマがマントルと平衡に存在することを確かめる実験などを行いました。そして、サヌキトイドマグマが、30−40㎞のマントルから直接地表へ噴出したことが明らかになったのです。こうして、小豆島にマントル直結安山岩が存在することが、世界中で認められるようになりました。それは、1980年代の終わり頃でした。」
「…ようやく辿り着いたマントル直結安山岩、サヌキトイドの成因が、図5⒝に示したものです。通常のマグマができる場合は、プレートから絞り出された水がマントルを融かすのですが、サヌキトイドの場合は、プレートそのものが融けてしまっていたのです。そして、このプレートが融けてできた流紋岩マグマの中に水が多量に含まれていたのです。この流紋岩マグマがマントルの橄欖岩と反応して、サヌキトイドマグマが作られ、これが地表へ噴出してマントル直結安山岩となったのです。 (引用終わり)」
 何らかの条件が揃うと、マントルが直接溶けて地表に噴出することもあるとのことです。瀬戸内海では大昔、とてつもない火山噴火が起こっていたようです。
 
 そうすると、「阿蘇火山」は「地溝帯である背弧海盆の火山」ということになるのでしょうか。瀬戸内海では火山活動が止みましたが(沈み込みの角度が低くなり、日本海側に移ったとも言われています?)、別府-島原地溝帯ではまだミニ海嶺のような想像を絶する火山活動が起こる可能性もあるのでしょうか。

 今度は伊豆・小笠原海溝沿いを見てみます。伊豆・小笠原海溝に沿い島弧(火山フロント)があり、その背後に四国海盆・パレスベラ海盆があるようです。この島弧の火山フロント(富士火山帯=伊豆小笠原火山列)には、富士山、箱根、硫黄島などが含まれます。
 なお四国・パレスベラ海盆の活動は今は停止しているようです。

 あるサイトでは、昨年5月に小笠原西方沖(M8.1、深度は682km)の地震等について以下のように説明されていました。
「日本沈没が開始されたか
 海溝から沈み込んだ海洋プレートはスラブと呼ばれ,深発地震面として観測されている(図152).上部マントル内の深発地震がスラブ内でしか起こらないのは,スラブが破壊できる程低温なためと考えられている.上部マントル主要構成鉱物のカンラン石は,深度660kmの下部マントル上面の温度圧力条件下で高密度のペロブスカイトに相転移する.この相転移は低温ほど高圧を要するため,低温のスラブは下部マントル上面を通過できず停滞すると考えられる.地震波トモグラフィーで認められる下部マントル上面付近の高速度物質は,この停滞スラブに対応されている.スラブ深部で起こる地震の発震機構が逆断層型であることも(図152),下部マントル上面に沿って停滞しているスラブ先端に後続スラブが突き当たっているためと説明されている.」
「 下部マントル上面に沿って停滞するスラブ先端も次第に暖められ,ペロブスカイトに相転移を開始する.スラブ先端が下部マントルに沈み込みを開始すると,浮力を失って後続のスラブを下部マントルへ引き摺り込む.低温のスラブも引き摺り込まれると高圧になり相転移が連鎖的に進行する.連鎖的相転移はスラブを下部マントルに崩落させる.映画「日本沈没」(第2版)では,日本沈没を,停滞スラブの下部マントルへの崩落よって説明している.
 今回の小笠原西方沖M8.1は日本全国を揺るがしたが,深度が下部マントル上面の660kmよりも有意に深い682kmであり,発震機構が正断層型であることは,相転移したスラブ先端によって下部マントルへ引き摺り込まれた後続スラブ内で起こった地震であることを示している。」
「…下部マントル上面に接するのは,平面化したスラブでは高温のスラブ下面であるのに対し,同心円状屈曲したままのスラブでは低温のスラブ上面である.高温の方が相転移し易いことから,平面化している伊豆スラブの方が下部マントルに崩落を開始したと考えられる.伊豆スラブは南程急斜しているので,南端が最も早く下部マントル上面に到達することから,スラブ崩壊は伊豆スラブ南端から開始したと考えられる.この崩落は連鎖的に進行することから,伊豆諸島の南端から沈没を開始し,関東地方に及んで日本列島の沈没に到るであろう.
 日本沈没は,1400万年前の日本海拡大後にも起こっている(新妻,1978;1979;2007).この日本沈没は,同心円状屈曲スラブが海溝よりも海洋側から下部マントルに崩落したもので,日本海を拡大させた後に日本列島を沈没させた(図155;新妻,2014b).今回は平面化スラブの下部マントルへの崩落なので,日本海をむしろ縮小させるであろう.また平面化スラブは海洋プレートに直結しているため,崩落速度はプレート相対運動に律され,日本海拡大時のように急激に進行しないであろう.(引用終わり)」

「CMTとは、セントロイド・モーメント・テンソル(Centroid Moment Tensor)の略で、観測された地震波形を最もよく説明する地震の位置(セントロイド)、規模(モーメント・マグニチュード)、及び発震機構(メカニズム)を同時に求める解析法です。(引用終わり)」
「発震機構
 地震は、一般的には地下で断層がずれ動いて発生するものです。”発震機構”とは、地震を起こした断層が地下でどのようになっているか(断層が どちらの方向に伸びているか、傾きはどうか)とその断層がどのように動いたかを示すものです。 発震機構は地下の断層の状態を表すと同時に、地下で地震を起こす元になった力がどのようであったかも教えてくれます。これは、断層と地下の力の向きがある一定の幾何学的な関係にあることが分かっているからです。」
「初動発震機構解
 地震の発震機構を求める場合によく使われる方法が、地震波のP波の初動を使う方法です。 地震波のうち、P波は地下の岩盤の伸び縮みによって伝わる波です。地震の際に断層が下図のようにずれ動いた時、 図のように断層のまわりの領域で、岩盤が縮む領域(図の[1]、[3])と岩盤が伸びる領域(図の[2]、[4])ができます。 そして、それらの領域から出た地震波(P波)が地表面に伝わった時には、それぞれ地震波が伝わり始めた領域([1]〜[4]) に対応して、地面の最初の動き(初動)が、”縮み”([1]、[3]から伝わった波)になるか、”伸び”([2]、[4]から伝わった波)になるかが分かれます。
 この性質をP波の初動極性と呼びます。これらの”伸び”、”縮み”は、地表面では、それぞれ、地面が最初に下に動く("引き"の波)、上に動く(”押し”の波)、ことに対応しますので、”押し”、”引き”と表現されます。(引用終わり)」

 当初上記のサイトは、地震オタク系の方のものではないかと思っていました。なにしろタイトルが「日本沈没は開始されたか」というものでしたから。しかし、よくプロフィールや他のブログ等を読みましたところ、この管理人様はこの分野での権威ある専門家の方で、驚きました。
 そのような専門家が真面目に「日本沈没」が起こり得るのではないかと考えているということは、本当にあの映画のようなことが実際起こり得るということでしょうか?
 改めて2006年の「日本沈没」の映画を見直してみたところ、あまりの恐怖で体がガタガタ震えてしまうほどでした。日本列島が細切れのように分断して沈みますが、あれはマイクロプレートか活断層沿いに割れていたのでしょうか。それに阿蘇山の破局噴火(カルデラ噴火)や大津波・水没、列島のあちこちでの火山噴火など、まさにこれから起こるであろうことが描かれていたということです。また政治家が真っ先に逃亡してしまうなど、こちらも有り得そうなことだと思います。

 そういえば、関東平野はついこの間(地質学的な時間管感覚で)まで、海に沈んでいました。それもかなり深海のようです。例えば堆積層の上総層群など。
 そういう意味では、「日本沈没」でなくても、何らかの活動により、ある部分的な陸地が沈んでしまうことは十分に考えられると思われます。
参考:瓜生島


 九州南部には特に火山が集中していますが、どうも複数のプレートが交わる特異な地域のようです。沖縄プレート(マイクロプレート)、フィリピン海プレート、アムールプレート(マイクロプレート)という三つのプレートに囲まれています。また九州西側の沖合いでは、沖縄プレートは北側を揚子江プレート(マイクロプレート)とも接しています。

 今回の熊本地震が意味するものは、上記の複雑な九州でのプレート構造が軋み始め、それに関連する活断層と火山噴火が活発化しているということのようです。

参考:Niitsuma-GeoLab.net 熊本地震「熊本地震は琉球弧の背弧海盆である沖縄トラフ軸から北東に続く別府-島原地溝帯の中央部で起こった(図182).別府-島原地溝帯は更に瀬戸内海に連続している.沖縄トラフでは2015年11月18日にM7.1+nt17kmの最大地震が,続いて2016年2月6日に台湾南でM6.4+pr16kmが起こり,九州の地震に警戒を呼び掛けていたところであった.(引用終わり)」
「別府湾から島原にかけて,沈降している帯状の地域を「別府―島原地溝帯」と言います.図1に薄い緑色で示したところです.図に記入されている矢印は,国土地理院が測量した100 年間の土地の動き(変位ベクトル)ですが,地溝帯より北の矢印は北向きに,九州の南は南西ないしは南に移動しています.図の左下に 1m の長さの矢印がありますが,地溝帯は100 年でおおよそ 2m ほど,南北に引き裂かれていることがわかります.」
「もちろんこの変動は最近の話ではなく地質年代からずっと続いていて,地形的にも明瞭な地溝帯を形成しています.南北に引っ張られていますから土地がへこんで,大局的に見るとへこみが溝状になっているのですが,一方では引き裂かれているため,深部から出てくるものもあります.
 もっとも顕著なのは,深部からマグマが上昇してくる火山で,由布岳,九重山,阿蘇山,雲
仙岳と連なっています.熱源が浅く温泉もたくさんあります.
 九州では地震は少ないと思われていた方も多いようですが,図2に見るように地震もたくさん起きています.特に地溝帯に沿っての地震が多いです.活断層もこの地溝帯に沿ってたくさんあります.阿蘇山の周りは厚い火山灰のため,断層は確認されていないようですが,大分市や熊本市付近では明瞭な活断層がいくつもあり,今回の地震も熊本側の「日奈久(ひなぐ)断層」と「布田川(ふたがわ)断層」で起きました.このふたつの断層は,地溝帯の南側の縁にあり,今回の地震でも断層の北側が沈降し,地溝帯のへこみが進みました.(引用終わり)」

 沖縄トラフ、別府-島原地溝帯、瀬戸内海は地溝帯として繋がっているようです。そして台湾の地震と熊本地震のような活断層地震・火山噴火なども連動しているようです。熊本地震はただ活断層が動いたということではなく、別府-島原地溝帯が拡大し、マグマが浮き上がってきており、それに連動して活断層が動いたということなのでしょうか。 

 そうしますと、マントル活動が活発化し、地震・火山噴火の活動期に入っている時期には、海溝型の巨大地震、島弧(陸弧)内の活断層にともなう巨大直下型地震、島弧の火山フロントの巨大噴火(破局噴火)、そしてもしかすると背弧海盆のマントルプルームによるミニ海嶺的な巨大噴火(破局噴火、地震も連動)も起こるかもしれないということのようです。

 阿蘇、箱根、硫黄島、これらがもし巨大噴火(破局噴火)すれば、日本は実質的に終わると思われます。もう原発震災どうのこのと言っている場合でもなくなります。本当に日本列島が引き裂かれて木っ端微塵になってしまうことも想定されるのではないでしょうか。

 世界の地球物理学者は、西之島噴火・小笠原深海地震、熊本地震、その他様々なデータ
を見て、固唾を呑んでその成り行きを見守っているのでしょうか?

 


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