有馬もとの補助犬訓練士ダイアリー

聴導犬・介助犬国際認定インストラクター(日本聴導犬協会)有馬もとのプライベートブログです。

41:  明日から、東京、千葉

2005-09-29 20:09:03 | 補助犬&聴導犬&介助犬
 明日は、補助犬の認定団体を厚生労働省が集めて、会が開かれます。

 以前から、(福)日本聴導犬協会で、認定団体同士での研修会を開きましょうと、各認定団体に、お願いしてきましたが、ほとんど、なしの礫(つぶて)。
 兵庫リハビリテーションセンターさんだけが、研修会の必要性を感じて、同じように希望されていましたが、この3年間、実現できませんでした。

 やっとの認定団体の集まりが実現しますが、10の補助犬育成団体からの厚生労働大臣への要望書や、6つの聴導犬協会からの要望書が出された後なので、なんとなく「もっと早くから研修会を開いておけばよかった」と、感じております。

 市場化テスト(内閣府がすすめる「官から民へ」)により、これまで公共事業団体に、何の競争もなく入っていた公益事業が、民間の介入により、おびやかされています。リハビリテーションセンターも、その例にもれないそうです。

 宮城県で田島さんが「施設解体」を訴え、宮城県では多くの社会福祉事業団体がなくなり、地域での小規模な形になってきています。
 恐竜が絶滅したように、時代の流れは変えられない、観あります。

 (福)日本聴導犬協会も、大きさを求めず、小規模で小回りがきき、ユーザーと一緒にいつでもいられる育成団体でいられるように、努力しなくてはなと、考えております。明日は、厚生労働省、そのあと、千葉のユーザーさん宅で、アフターケアです。ひさびさに、ユーザーさんや介助犬夢に会えるのも、うれしい。

40:4日から出発。行き先は10月7日の北海道講演会

2005-09-28 20:33:39 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑ 多目的補助犬のしろ君も、丸善薬品様にお招きをいただき、北海道での講演会に行かせていただきます。

 10月7日が札幌の京王プラザホテルでの講演会です。
 訓練は修了していますが、認定された補助犬ではないので、飛行機の客席キャビンに乗せられません。飛行機の荷物室に入れた犬がトラウマになり、性格が変わるくらいの恐怖を感じることもあり、(福)日本聴導犬協会のデモ犬や子犬は絶対に飛行機に乗せてはいけないことになっています。

 聴導犬みかんは別です。ちゃんとユーザーさんと、客席キャビンにいられますからね。飛行機に乗せる訓練もしているので、それは、大丈夫なのですが、

 なので、北海道へ行かせていただくときは、スタッフとデモ犬が北斗の個室で行くか、または、車ごと船になります。
  
 今回は、宮田村から新潟を抜け、仙台へ。仙台から苫小牧行きの船に乗せ、スタッフも協会犬たちも一緒のお部屋を取りました。
 この長旅で、協会犬が疲れないように、何回も休憩をとって休み休み行くため、4日には、宮田を出ます。5日の朝に苫小牧に到着。6日は午後6時から写真展等の準備です。
 
 北海道は3度目になります。いつもユーザーさんと一緒。できれば、ユーザーさんを北海道から出ていただきたいですね。


 

39: かなちゃん、嫁入り

2005-09-27 18:59:14 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑ 美人のかなちゃん、お嫁入りです。デモンストレーション犬になるかと思っていたのですが、やっぱり元気が良すぎ。かなちゃんの良さを理解してくださるお宅にお嫁入りです。欠点も含めて、新家族様、なにとぞかなを愛してくださいね。よろしくお願い申し上げます。

 千葉の方のお宅に、かなちゃんお嫁入りです。
 「いー君」「むっ(夢)ちゃん」「やま君」「かなちゃん」と、昨年、テレビの子役として選ばれた4頭は、4頭の名前を合わせると、「い(良)い夢、山ほど叶う」となって、協会にも、ユーザーさんにも、この子たちの新家族となってくださいますご家族にも、期待を与えてくれます。

 いー君は、神奈川へお婿さんで行きます。
 むっちゃんは、小型介助犬となって、千葉へ。
 やま君修行中。
 かなちゃん。千葉へお嫁入り。

 どの子も幸せになってね。
 そのために、協会はいつでも、あなたたちの実家だからね。
 「聴導犬、介助犬になった子もならなかった子も、どの子も幸せ」が、協会のミッション(使命)だから。安心してね。
 
 でも、実家の役割は、きっと君たちにはいらなくなると、信じています。
 
 至らない娘ですが、なにとぞ、かなを、よろしくお願い申し上げます。新家族様。

38: にゃん太にまたたびを!

2005-09-26 16:12:13 | とっても私的
 ↑ななちゃんとにゃん太君。協会の犬たちは、にゃん太が大好きです。

 (福)日本聴導犬協会は、世界で最も成功している英国聴導犬協会の指導を受けて、1996年に成立したのですが、そのころから、英国聴導犬協会では、支部をヨークに設けて、南部のオックスフォードシャーと北部のヨークの2箇所に設けていました。よく訓練士の方たちと話しているのは、犬は同僚、猫はいやしってこと。

 ヨークの建物は大きな牛舎だった塀で囲まれた古い家屋。中には、聴導犬の候補犬のほか、猫が6匹、聴導犬訓練用に飼われ、我が物顔で、ベッドの上や開けっ放しの戸棚の中など、自由に暮らしていました。
 訓練士が言うには、時々、何もいないはずの部屋で、猫が急に背中の毛を立て「シャー」と威嚇を空に向かってするのは、クエーカー教徒の古い民族衣装をつけた幽霊がきているせいだ。とのことでした。

 その訓練士も、何回かクエーカー教徒っぽい服装をした女性を見たとおっしゃってましたよ。猫は「魔よけ」でもあるので、それもあって、たくさんの猫を放し飼いにしていたのかもと、今は、思ってます。

 日本聴導犬協会は、2棟続きの家屋を借りています。どちらも別々のボランティアさんの持ち家でした。こんなに犬たちがきままにどの部屋にも出入りできるのも、大家さんである協会ボランティアの方々のご理解の賜物です。

 さて、本題に入りますが、協会の建物のうち1軒は、建築家の方の持ち家だったのですが、破産され、実家に帰られ、自殺されてしまったそうです。
 現在の住人としては、住んでいるのは、ちょっと怖いのですが、犬がいて、狩の名手、にゃん太もいるので、安心できます。
 でも、時々、空を見るのは、英国聴導犬協会の猫ちゃんたちと変わらないかも。

 というわけで、日ごろのごほうびにスタッフが「またたび」を岐阜から購入してきました。小さなイカ型した茶色の実は、人間にはにおいもなく、魅力的ではないのですが、ひさびさに帰ってきたにゃん太は、スタッフが忘れていたまたたびのあるところを臭いで追跡し、ビニールの上からかぶりついていました。

 「はい。はい。上げますよ」
 と、1個、にゃん太に与えると、その場でバリバリとかみゴクリと飲んでしまいました。もうびっくり。
 臭いをかぐものではないの? 
 食べちゃったけどいいの? 
 と、様子を見ていたら、急に元気になり、道路へヒュっと流線型を描いて出て行ってしまったのです。

 その後、これまでにはない「ミニャ、ミニャ」という、道に体をスリスリして不思議な声を上げ、夜の闇の中に消えてしまいました。

 でも、翌日、にゃん太を見かけると、なんだか、疲れているようで、もしや、またたびって、覚醒効果があって、与えるときに気をつけなくてはならないのかと、反省してます。
 


37: 協会で、静かな日曜日

2005-09-25 15:00:57 | 補助犬&聴導犬&介助犬
 市川でのプロジェクトが急遽、台風でキャンセルになり、夜に帰ってきたので、久々に日曜日に協会におります。なんとも静かな宮田村です。

 屋根の軒にスズメバチと、赤蜂という獰猛2種が巣を作っているので、このところ、窓が開けられません。近くの「蜂」プロがおっしゃるには、
「スズメバチはまだいいが、赤蜂はおっかねーぞ」
 とのことで、ワンちゃんたちが刺されても困るので、10月末に蜂が自主的に巣から離れるのを、待つことにしました。

 協会のスタッフの半分は、岐阜の獣医師会のお招きで動物愛護フェスティバルに出かけました。毎年お招きいただけるのは、とてもありがたいことです。
 さっき、スタッフから電話があり「デモは順調ですが、岐阜はまだまだ暑いですよーーー」と、悲鳴半分、愚痴半分。
「ワンちゃんたちに水を飲ませてねーー」と、それだけ言っておきました。

 本当なら、市川で同じ境遇を、私と矢沢ちゃんが、体験するはずでしたが、静かな、宮田村日曜日になり、なんか、幸せ。

 市川に同行した3頭も、今は、ぐっすり。
 風の通る部屋でノビノビと体を伸ばして寝ています。犬舎が私自身、嫌いなので、病気で隔離しなくてはならない時以外はほとんど犬舎を使いません。
 なので、常時、協会犬がオフィスに10頭ちかくゴロンゴロンしています。

 おもしろいのは、午後の4時か5時ごろ「寂しい時間」があって、1頭が「抱っこしてほしい」と言ってスタッフにすり寄ってくると、その後に列を作って、どの子も抱っこされる順番を待つんです。
 なので、1頭ずつ同じ時間の長さで抱っこして、頬ずりして「大好きだよ」「かわいいね」「いい子だね」って語りかけることで、感情豊かでやさしい子に育てるようにしています。
 スキンシップは哺乳類であるどの動物にも、仲間として生きていくためには必要なことなので、この時間は「健全な成長」にとって、とても貴重な時間です。

 さて、今日は、これから、助成金の申請と、認定試験のカリキュラム創りとをして、岐阜組の帰りを待ちます。宮田村は、曇り。風は強いですが、秋風の爽快な日和です。



36: 台風で、急遽 帰って参りました

2005-09-25 02:29:04 | 補助犬&聴導犬&介助犬
 台風で、市川商店街の活性化プロジェクト(国土交通省助成)が、中止になり急遽(きゅうきょ)長野に帰ってきました。本当なら、24,25日と市川で補助犬を紹介させていただく予定でしたが、自然の力にはさからえませんものね。

 協会への到着が遅く、夜の12時くらいなのに、協会では煌々(こうこう)と、電気がついているので「あれれ」と思ったら、スタッフのMAYUMIさんが助成金の申請で残業中でした。
 運転してきてくれたスタッフのさおりさんと、矢沢ちゃんの帰宅後、たまたま行った横浜の明治屋さんで購入したチーズとスモークサーモン、ルッコラなどの野菜をカンパーニュという丸いパンにサンドイッチにして、チリワインと一緒にいただき、一息ついたところです。

 予断になりますが、私は決してグルメではありませんが、食べ物にはこだわります。そのきっかけになったのが、MAYUMIさんの師匠。彼女はプロの写真家なのですが、師匠はカメラマンの酒井毅さんとおっしゃって、その方がとてもご飯にこだわっていらっしゃいました。
 彼女の修行中、食事後に、常に
「後、人生で何回ご飯が食べられる」
 残りの食事回数をカウントしていらっしゃったと、MAYUMIさんから聞いてから、(私はとても単純なので)、
「そうか、一回、一回ごとの食事にこだわらなければ」
 と、思うようになりました。
 なので、できるだけ、体に良い、原料の明らかな、味覚的に優れた物をいただけるようにしています。ただ、後何回とカウントできるほど、潔く自分の人生を決めることができないので、酒井師匠ほど、キッパリとはできないのですが。
  
 話がそれましたが、市川商店街の活性化プロジェクトがキャンセルになったのは、本当に残念でしたが、9月23日だけでも
「補助犬と会うために真間商店街に来てください」
 のスローガンで、ドッグパレードができたのは、幸いでした。お天気さん、がんばってくれて、ありがとう!

 市川の商店街は、大門商店街、真間大門商店街、真間商店街とあって、真間という地域の史跡は1300年の歴史があるそうです。
 集合場所となった手児奈霊堂は、手児奈姫という、かぐや姫のモデルになったといわれる美人がいたそうで、あまりに求婚者が多く、自ら命をたったそうです。(でも、これ、聞き伝えなので、定かかどうか、書いてから心配なんですが・・・)。
 そういった由緒正しい場所で、補助犬を紹介できるのは、これまたありがたいです。
 
 聴導犬と介助犬ユーザーさんも参加。市川でのドッグパレードには、聴導犬ユーザーさんと介助犬のユーザーさん、Pro-Dog Clubのメンバー犬のアラン君(スタンダードプードル)と、キキちゃん(ロングヘアーのミニチュア・ダックスフンド)も、協会のスタッフ犬と共に参加してくださいました。

 お行儀の良い犬たちに対して、パレードの時も商店街の方々からの応援の声がかかりました。参加した方々も、笑顔がたえませんでした。暑かったけれど、楽しかったですね。
 参加犬は、すべてさわやかTシャツ(水でぬらすと、着ているほうが涼しい)を着用。ビシャビシャのT-シャツで体温を下げながらのパレードでした。途中、ヨーグルトドリンクを飲ませたり、休憩も、何回も取りました。
 最後は、みんなで、市川駅前のオープンカフェでお茶とサンドイッチをいただきましたが、テーブルの下でお行儀良く寝ている犬たちを見て、やっぱりいろいろな方が話しけけてくださいました。
 補助犬や犬が社会にいるって、「心のバリアフリー」効果がありますね。

 とにかく、まだまだ社会に知られていない補助犬なので、その現状を理解してくださるたくさんの方々のお力添えをいただけることが、エネルギーになります。
 協会スタッフもがんばっていますが、その頑張りができるのも、たくさんの方々からの応援があるからと、感謝しています。

 聴導犬、介助犬の普及は日本ではスタートしたばかりといってもいいので、ユーザーさんが、補助犬と暮らしやすい環境を創るためにも、普及啓発が必要です。
 育成と普及啓発が活動の両輪のようでなくてはなりませんが、たくさんの方々の応援がないと、やっぱりできませんよね。
 協会を応援してくださいます方々がいてくださること、幸せです。
 それと久々にみなさんや顔なじみのワンちゃんに会えるので、それも、楽しみでもあります。
 
 パレードの写真は、明日、矢沢さんが来てからアップします。

35: 嫌なことばかりでしたが・・・

2005-09-21 18:51:19 | とっても私的
 こんなに嫌なことばかり起こる日もめったにありません。

 電話のトラブル。事務処理のゴタゴタ、イベントの打ち合わせで親しい教授に一方的にどなられる(親しいので、その後、こちらも言い返しましたというより、怒鳴り返しましたが・・)とか、本当にこんなに重なるなんて、めったにないです。

 でも、別の方から、協会がユーザーさんのための仕事をひとつ請け負ったことで、
「ありがとう」と、とってもやさしくおっしゃった先方の声ひとつで、心が軽くなりました。

 一番は、スタッフが私の「嫌なこと」を、一緒に感じてくれるので、一人ではなく、4人で「ゴタゴタを共有してくれている」のが、ありがたい。

 スタッフにも、心で「ありがとう」っていいました。
 ほんとにね、「ありがとう」って、いい言葉ですね。

34: 9月23日 市川でドッグパレードします

2005-09-21 17:29:59 | 補助犬&聴導犬&介助犬
 ↑ 9月23日 市川のオープンカフェのパレードの参加者さんたち。じゅんびだんかい。この後も、参加者は多少増えました。11月13日は、市川で犬と一緒のジャズ鑑賞です。よかったら、来てくださいね。詳しくはinf@hearingdog.or.jpへ

 国土交通上「社会実験」助成事業 市川オープンカフェまちづくり実行委員会として、補助犬のパレードを、10:30集合で、11:30くらいにスタートで市川駅前から手児奈霊堂までいたしました。

 介助犬ユーザー、聴導犬ユーザー、(福)日本聴導犬協会の候補犬やPR犬。それから、しつけの良いワンちゃんたちが、10数頭パレードをしました。
 10月15,16日にも市川へ行きますので、よろしかったら、見にきてくださいね。

33: 土地&施設準備金のご報告

2005-09-20 15:39:46 | 身体障害者福祉
↑ 介助犬訓練を学んだNinaさんと、トレーニングマネージャーのMAUMIと有馬。多目的補助犬のデモをするしん君も一緒に。 

 今、施設を建てるための土地を探しています。
 (福)日本聴導犬協会がある宮田村のエリアを上伊那郡と呼びますが、そのエリアで集中的に探しています。

 (福)日本聴導犬協会という名前どおり、聴導犬を主に訓練してまいりました。
 聴導犬の訓練を1996年から始め、2002年8月から聴覚障害と肢体障害を持たれる重複障害(2つ以上の障害をもたれる)方のために、住友生命のアシスタントドッグ育成普及委員会のご支援で、介助犬訓練のために、スタッフのまゆみと、矢沢、松下と、1ヶ月間、3箇所(アメリカのADI(1週間視察)、NEADS(1週間研修)、英国のURI(2週間研修)させていただいたことで、多目的補助犬1頭(長野県補助金第1号)と、小型介助犬の貸与(千葉県)ができました。
 アシスタントドッグ育成普及委員会に深く、深く感謝申し上げております。
 
 聴導犬だけでしたら、肢体に障害をお持ちではないので、家屋がせまくともこのまま運営が継続ができますが、介助犬も訓練していくとすると車椅子の方が主となるので、バリアフリーの広いスペースが必要になります。
 滞在のための部屋にも、ベッドもお風呂場もユニバーサルデザインの特別な品を用意しなくてはならないと、考えております。
 施設のハード面でも、さまざまな配慮が必要となるので、1000坪の敷地で、何棟かを建て増ししながら、施設を拡大していければ、理想的です。

 現在、土地と施設準備金で約960万円をみなさまから頂戴できました。
 資産要件の1000万円は、資産となる不動産には換えられるので、今のところ1960万円が手元にあります。借金は絶対にしないという、協会の鉄則なので、貯金を取り崩して、土地を少しずつ買い足していければ、それも理想的です。

 理事に、信州大学の森本前学長や、たくさんの教授の方々にも入っていただいておりますので、調査、研究分野も拡大していければと、思っております。

 みなさまからのご支援と応援をよろしくお願い申し上げます。

32: HPで厚生労働省への要望書を公開

2005-09-19 20:53:05 | 政策研究&ロビーイング
 9月8日 厚生労働省へ野地さん(アジア・ワーキング・ドッグ・サポート協会 代表)と、加盟団体の代表として一緒に行きました。
 厚生労働省の社会参加推進室の室長補佐徳永様に、全日本聴導犬(ヒアリングドッグ)育成協会協議会(全国の聴導犬を育成する6団体が加盟)からの要望書をお手渡しさせていただきました。
 要望書の内容は、http:/www.hearingdog.or.jp/youbousyo-tyoudouken.htmで紹介しております。育成団体からの要望書なのですが、認定試験を受けた聴導犬ユーザーの代弁的な要望書となりました。みなさまからのご理解と応援をお願いいたします。 
 

 聴導犬の育成を育成する団体は、17団体が登録されていますが、いくつかのリハビリテーションセンターが含まれていること、補助犬の貸与や認定実績がない団体もあるので、全日本聴導犬(ヒアリングドッグ)育成協会協議会には、実績のある6団体だけが加盟していただいております。現在は、1団体が増え、7団体となりました。

 今回は、その6団体からの要望書となります。 

厚生労働大臣 尾辻秀久殿

                聴導犬に関する要望書

I:認定業務につきまして

1:聴覚障害をもたれる補助犬ユーザーへの試験内容の改善をお願いしたい。

1. (認定試験において) 聴覚障害ではなく、身体障害に関する認定試験中の質問が多くを占める傾向があった。聴覚障害について、認定委員の専門性が低い観がいなめない。床ずれなどの質問は、本人の障害により必要性の有無を考慮いただきたい。

2. (認定試験には)耳鼻咽喉科医師を、必ず認定委員にいれていただきたい。

3. 認定試験内容として、リハビリセンター内でだけではなく、「自宅での聴導動作審査」も聴導犬の働きからは不可欠である。



2:聴導犬ユーザー(聴覚障害者)への配慮をお願いしたい。

1. 事前の細かな試験内容や日程など、インフォームドコンセントがほとんどない。リハビリテーションセンター主導で、特に聴覚障害をもつユーザーのとまどいをもっと考慮していただきたい。

2. 認定審査の際には、2名以上の手話通訳士の手配をお願いしたい。

3. 通訳(手話)を介する審査であることから、ユーザーの疲労を考え、休憩時間を30から1時間ごとに入れていただきたい。

4. 質問での早口、詰問口調などはやめ、手話通訳士にきちんと伝わり、聴覚障害者が理解するための配慮をお願いしたい。

5. 個人情報の範囲で、必要性の低い質問は、控えていただきたい。

6. 審査段階前の相談という理由で、不十分な説明で、何回もリハビリテーションセンターに通わなくてはならない現状がある。聴覚障害者に負担となる認定試験は、改善していただきたい。



3:認定団体の中立性についてのお願い。

1. 認定団体は、中立であるべきなので、審査を受けているにもかかわらず、他の育成団体を推薦するような発言は避けていただきたい。

2. 聴導犬審査のための認定委員である訓練士は、複数の団体から選択し、団体に偏らない公平な審査を行っていただきたい。

3. 聴導犬の認定に関して、リハビリテーションセンターの関与の再考をお願いしたい。


Ⅱ:補助犬支給審査について

1:貸与のための事前審査はリハビリテーションセンターだけでなく、耳鼻咽喉科医院等による医学的な結果も認めてほしい。

1. 補助犬希望者の事前審査を、各地域のリハビリテーションセンターに限る傾向があるが、同施設は数も限られる、身体障害専門であることから、各地の指定耳鼻咽喉科医会の協力による審査を認めていただきたい。

2. 認定団体である厚生労働大臣指定法人の公平性と中立性を保っていただきたい。

3. 補助犬を貸与するか否かの審査段階で、聴導犬ユーザーのリハビリテーションセンターへの勧誘や特定1団体の推薦は、自由市場による質の高まりをはばむものであることから、ご注意をお願いしたい。



Ⅲ:PR犬の同伴許可について

聴導犬は、もっとも知名度が低く、普及率も低い補助犬であるため、特に普及啓発が必要である。そのため、訓練士に同伴によるPR犬(訓練修了犬)の電車、飛行機への同伴についても、許可犬と同等の権利を得られるよう検討をお願いしたい。



最後に、厚生労働省での検討会などで、常に同一ユーザーの意見ではなく、他団体からのユーザーの発言の機会をつくっていただきたい。

                      以上、謹んでお願いする次第です。


陳情人

全日本聴導犬(ヒアリングドッグ)育成協会協議会 会長

      住所:長野県上伊那郡宮田村3200 

         社会福祉法人 日本聴導犬協会 会長 有馬もと

全日本聴導犬ユーザーの会 代表 

      住所:愛知県岡崎市滝町字外浦251番地

         特定非営利活動法人 日本ヒアリングドッグ協会 
                        会長 大西 滋

全日本聴導犬(ヒアリングドッグ)育成協会協議会 加盟団体

      住所:長崎県大村市東野岳町1662-1

         特定非営利活動法人 聴導犬育成協会 
                      理事長 萩原美奈津

      住所:神奈川県鎌倉市津519-1

         特定非営利活動法人 聴導犬育成の会 
                        会長 松田治子

    住所:神奈川県横浜市港北区高田東3-1-21反田ビル1F

アジア・ワーキングドッグ・サポート協会 
                        会長 野地義行

      住所:徳島県板野郡板野町川端字富の谷口34-5

      特定非営利活動法人 ボランティアドッグ育成センター 
                        理事 清原健司