有馬もとの補助犬訓練士ダイアリー

聴導犬・介助犬国際認定インストラクター(日本聴導犬協会)有馬もとのプライベートブログです。

183 授業で学ぶこと 国際コミュニケーション・アート専門学校授業

2006-06-23 20:08:36 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑毎月させていただいている国際コミュニケーション・アート専門学校さんでの授業に、聴導犬みかんのユーザーさんご夫婦にお出ましいただきました。補助犬の訓練士になられたい生徒さんたちに、ゴールを知っていただきたいので、講和をお願いいたしました。 
 ゴールって? と思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。
 訓練士は、いくつかにわかれます。
 ペットの訓練士は、飼い主の方がその犬をコントロールできるように導きます。
 自分の犬のしつけなら、自分がコントロールできればいいので、声のトーン、手の動き、足の動きなど、ほとんど好きにされればいいのです。その際の効果のほどはわかりませんが、責任は自分がとればいいのですから、好きにされてもかまいませんよね。

 でも、補助犬の場合は、障害をもたれるユーザーさんのところに訓練犬は行かなければなりません。子犬の育成から、候補犬としての訓練、そして、ユーザーとの滞在訓練にいたるすべての過程で、ゴール、つまりユーザーさんとの生活を考えなければならないのです。
 なので、聴導犬みかんのユーザーさんと出会っていただけることで、少しでもそれを感じ、理解していただきたいと、願っての講和でした。

 お母さんは、ご自身の生活での問題点と、みかんが来てからの、どれほど安心でリラックスできるようになったかをお話いただきました。
 お父さんは、お母さんが長野での2週間の滞在訓練の時に、インフルエンザにかかり、5日間しか訓練を受けられず、自宅訓練になってもうまくいかず、どうしてなんだろうと協会スタッフが考えた時に、
「あ、笑顔がないからだ」
 と、わかったお話をしてくださいました。
 犬は、相手の感情をおしはかる動物です。なので、お母さんが、ご自身が訓練が十分受けられなかったために、自信がなく、うまくみかんが教えてくれないのではないかと、顔が硬直し、怖い顔になっていたんです。それを、ウソでもいいから笑顔にしてくださいと、スタッフがお願いしたことで、見違えるほどの効果を出しました。

 今、お二人がおっしゃるのは、みかんは世界一すばらしい聴導犬だ。みかんがいればどこにいても安心で、どんなことがあっても私たちを助けてくれる。ということです。協会としても、こんなに誉めてくださると、本当にありがたく、頭が下がります。
 生徒さんたちに申し上げたのは、補助犬の訓練は訓練するためにあるのではなく、「幸せ」とか、「生活が良くなった」といった、貸与先のユーザーさんの生活をよりよく変えるためにあるということです。
 訓練に興味があるだけでは、必ず、壁にぶつかります。犬に無理やり訓練をしようとすると、最後には犬たちに裏切られます。
 補助犬を訓練されるならば、ユーザーさんとも、犬たちとも、心の交流ができなければならないことを知っていただきたいと願います。
 (福)日本聴導犬協会とユーザーさんとは家族のような関係です。もちつもたれつの、協力しあえる、話し合える関係を築かない限り、補助犬の訓練はできないと、考えています。
 

182 補助犬も犬なので・・・

2006-06-21 22:21:33 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑以前、補助犬ユーザーさんが通っていらした福祉施設で、新しく入所された発育障害の方が、車椅子の女性の髪をひっぱるというトラブルを起こされたために通所をおやめになった事例がありました。
 その瞬間は、施設のスタッフも見ていないつかのまの時だったのですが、止めようがなかったそうです。そこでは、起される発作の時には、補助犬にも危害が加えられる恐れがありました。施設側からは「(その方から)通所者や補助犬を守ります」という信頼できるお言葉はいただけませんでした。なので、ユーザーさんはご自身の安全も考えて、施設の利用をやめることにされました。

 協会が危惧したのは、発作をおこしたその方からユーザーや補助犬が危害を加えられることももちろんなのですが、補助犬も犬ですから、あまりに恐怖を感じた場合、特に自分のユーザーさんに危害を加えられるような場合は、いくら攻撃性のない犬だったとしても、ガーディングの体制に出る可能性があることです。
 恐怖の4つの形は、人間も同様ですが、「固まる」「相手をなだめる」「逃げる」そして最後が「攻撃」になります。

 怖さのために、吠えることは十分考えられます。
 その時に、開いた口にたまたま相手の手がぶつかっても、犬の歯は鋭角なので、傷がつきます。ですので、吠えることさえ、禁じられます。でも、恐怖体験では、人間も我を忘れる場合があります。人でもそうなのですから、悲しいことに犬だったら、ましておやでしょう。

 補助犬の場合、どんなに相手の行動が悪くても、非難を受けるのは補助犬なのです。
 

181 東京→国民生活センター→山形→福島→長野

2006-06-20 23:21:37 | 身体障害者福祉
↑全国脊椎損傷者連合会の大会に、参加させていただきました。
 一番左端にユーザーの成瀬さんのそばの介助犬夢と進藤さんに抱っこされたデモンストレーション犬しん君がいます。今回は、スタッフの矢澤さんが東奔西走でした。
 東京でのチャリテーパーティ(179,180)後に、国民生活センターでの「補助犬相談室」(今回も6名の方が来てくださいました)。それから、千葉にユーザーさんをお迎えに行き、山形で行われた全国脊椎損傷者連合会の大会へ。その後、千葉のユーザーさんに同行していただいて、福島のユーザーさん宅へのアフターケアにうかがいました。福島のユーザーさん宅は、これで、4回目の訪問になります。

 連合会様への参加、勉強になりました。車椅子使用者と総称されても、障害も、生活での問題もみんな異なるということは、頭では理解していたのですが、じかにさまざまな方々とお話をさせていただけたことは、今後の宝ですね。
 それに、参加されたみなさまの熱意と、もう30年以上の歴史を持たれる会とうかがいましたが、歴代の会員の努力で、日本での高い認知を得られた会になったのだなぁと言うことを感じました。
 
 千葉の介助犬ユーザーの成瀬正次様のお力添えで、参加できましたのですが、いやーー、車椅子の方々の会なので、静かな会の入場や進行と予想していましたら、車椅子サッカーやバスケの選手もいらして、予想以上に動きが早い方もいらして、補助犬にとっては、犬の目線が低いために、けっこう手ごわい環境だなぁと感じました。
 お話を伺った内容も勉強になりましたが、車椅子の方が100人以上が同席される会の迫力を体感でき、ますます勉強になりました。
 
 介助犬・夢が、今後も参加させていただかなければならないので、認定6ヶ月目のキャリアの浅い補助犬とユーザーさんを、みなさまよろしくお願い申し上げます。
 認定試験に合格しても、あらゆる環境に合う補助犬に育て続けるのは、ユーザーさんの努力になります。夢、連合会様でかわいがっていただけるように、これから、もっともっと追加訓練です。協会もがんばります。

180 「貯金通帳6万円でした」

2006-06-20 13:14:40 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑ 179の続きです。光栄でしょ? 陳建一様のシェフ帽子をかぶるタカちゃん。グレート・シェフのチャリティ食事会で、毎回お礼を申し上げる機会をいただいております。裏方のセルリアンタワー東急ホテル様のスタッフさんたちも250人のお客様に、心配りの行き届いたサービスをしてくださっていました。

 嶋村シェフ(後列写真中央。日本で初めてフランスからシェフとしての勲章を頂戴した偉大なるシェフ)が、このチャリティ食事会の会長をされていらっしゃいます。
 風貌からして、芸術家タイプのダンディな方です。いつもお目にかかるたびに、私のような者の心の中なんか、すぐに見抜かれてしまわれそうな審美眼のある方なのですよ。
 毎回、お礼を申し上げる時は、緊張してしまって、私自身が恐縮する時間です。
 今回もお料理がおいしくて、それに6回目ということもあって、ついつい、文章を頭の中で創るのを忘れて壇上に上がってしまいました。
 その上、古女房的なデモンストレーション犬タカと一緒でしたので、もっと、リラックスしておりまして。本業を忘れてしまっていたんですね。
 その上、タカがいつものように壇上で伏せをして、前足を優雅に重ね、親ばかですが、ハンサムなんですよ。すばらしく。それを会場に映し出すカメラの方が大写しにしてくださいましたら、みなさんが「ホーーー」とか、笑ったりされ、もっと上がってしまったんですね。
 なので、お礼の言葉に、
「10年前、(福)日本聴導犬協会をスタートさせた時に、通帳に6万円しかなくて・・・」
 と、つい切り出してしまい、頭の中で、「え、どうすんの?どうすんの?どうやって〆るの?」と、もうパニック状態。ふと嶋村様の方(壇上で後ろに立っていてくださったので)を見ますと、いつもどおり、ニコニコとしていらっしゃるので、
「ええぃ。本当のことを続けようと」開き直れました。
 笑顔ってどんな状況でも力つけてくれますよね
「もしも1頭でも重い病気になれば、きっと協会をやめていたと思います。1頭の病院代が30万円から、癌とかですと、100万円になります。保険がきかないので・・・。その時に、マスコミの取材が入り、ご支援者の方々からの応援をいただけることができて、今年、創設10年目を迎えることができました。みなさまからのご支援で、(福)日本聴導犬協会がなりたっております。
 これからは、補助犬希望者の方やユーザーさんに、もっともっと快適に訓練を受けていただけたり、地域の方々の奉仕活動の場であり、たくさんの支援者の方のいやしの場にもしていただきたいと願って、施設を建てる計画を立てました。ぜひ、これからもご支援をいただけますようお願い申し上げます」
 とむすぶことができました。さらに、これは本心です。
「経営で間違った道に進みそうになることもあると思うのですが、その時には、通帳に6万円しかなかった時期を思い出し、精進をかさねていきたいと思います」
 と、続けました。
 こんな小さな協会でも、経営って難しいんですよ。
 このごろは、おいしそうな話もちょくちょくいただきます。でも、何をおいても「誠実、精進、質実剛健、そして成功のイメージ」で選択をしていきたい考えております。
 いつか、いつか、嶋村様に運営の方針とかご相談してみたいですね。格が違いすぎるかな・・。


179 陳建一様、福田順彦様、中島貞治様、中野寿雄様のご支援をグランデュークスチャリティ食事会で

2006-06-20 12:47:36 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑毎年、浄水器のシーガルフォー(NASAでも使用している)の輸入販売元のグランデュークス主催「グレートシェフ チャリティ食事会」からご支援をいただいております。ありがたいことです。
 今回は、陳建一様(料理の鉄人、四川飯店)、福田順彦様(セルリアンタワー東急ホテル総料理長)、中島貞治様(新宿割烹中嶋)、中野寿雄様(ビストロ・ポンファム)の偉大なシェフの料理の競演を、セルリアンタワー東急ホテルで堪能できるチャリティ・パーティです。
 陳様はこれまでに、(福)日本聴導犬協会への6回のチャリティパーティのボランティア・シェフをしてくださいました。
 ご縁をいただいて、グランデュークス様の引地社長のご好意で、チャリティ先にしていただいております。もう、何回もお目にかからせていただいた方もいらして、会場にうかがわせていただくだけで、懐かしく、加えて、シェフの方々にお目にかからせていただくと、ほっとします。
 今回も、安全特選素材での料理の競演でした。
 (福)日本聴導犬協会のスタッフとユーザーさん、ボランティアさんもご相伴できるので、デモンストレーションをさせていただきにうかがっているというよりは、お料理が楽しみで、楽しみで。

 いやーーー。すばらしかったです。毎回、フカヒレや食べたことも、時には聞いたこともない食材で、聞いたこともない調味料を遣っての競演です。
 ボランティアでお手伝いに来てくださいました石川さんが、
「こんなの悪いわね。ボランティアじゃなく、(絶品料理を)いただきに来た見たいね」
 と、私もワクワクしながら頂戴いたしました。素材も、味もステキなんですが、シェフの方々の応援してくださる心意気が素敵なんです。
 

178 全国ろうあ者大会 in 静岡 に感謝 

2006-06-12 15:12:40 | 聴覚障害福祉
↑「全国ろうあ者大会 in 静岡」福祉機器で、聴導犬のPRをさせていただきました。スタッフのまゆみと松下が、例年どおり、参加させていただきました。

 福祉機器展での聴導犬の説明と同時に、アンケートもさせていただきました。アンケートとはいっても、読売文化センター・手話教室の10名の方がお手伝いとして、聞き取りにちかいアンケート調査をしてくださいました。
 「なかなか普及しない聴導犬」のために、どうやったら普及できるかを探るアンケートです。簡単なデモンストレーションをお見せした後に、ご質問をするので、デモンストレーションを見ていただいた後と前との差も出ると思います。

 いただいた50ちかい回答の中には
「聴者と一緒では聴導犬と暮らせないのではないか」
「マンションだけ暮らせないのではないか」
「職場に連れて行けない」
「無料だとは知らなかった」
 といったお答えをいただきました。
 余談ですが、まだまだ、有料で貸与する育成団体や、アフターケアは有料といった団体もあります。貸与先を選ぶ際には、ご注意を!

 これは、独立行政法人 医療福祉機構のご助成の調査としてまとめさせていただく予定です。(福)日本聴導犬協会の公益事業である「日本補助犬研究所」から販売させていただきます。
 

177 パートで、村沢さんがお手伝い

2006-06-10 17:01:28 | 身体障害者福祉
↑村澤さんと聴力お手伝いペット犬のヒロちゃん。お手伝いペット犬なので、同伴の権利はありませんが、毎日家の中での音を、村澤さんに教えています。

 (福)日本聴導犬協会では、将来的には、ユーザーさんが働いてくださる施設にしたいと、考えております。聴力お手伝いぺット犬のユーザーの村澤が、パートタイムとして、2006年1月からお手伝いに来てくださっています。
 パートタイムだったさおりさんが、初めから1年間のお約束だったので、入れ替え的に村澤さんが来てくださいました。さおりさんが行ってくれていたお仕事をしてくださっています。
 来週からは、伊那擁護学校の生徒さんが研修に来てくれます。雑務だけですが、犬がお好きということでの希望の研修です。

 施設を建てた後には、もっともっと障害を持たれた方のスタッフを増やしていこうと考えております。スタッフも、その実地研修を今から始めているところです。

176 まつ君 矢野家に ホームスティ

2006-06-09 18:43:51 | 補助犬&聴導犬&介助犬
↑ 訓練指導を受けた英国聴導犬協会では、週末だけのウィークエンドソーシャライ  ザーをお願いしています。
  金曜日の夜から土曜と日曜日の昼間まで候補犬を預かるボランティアさんです。

  ただ、これまでの訓練成果を壊さないように、ご指導をさせていただくことが大事 なのと、預かった後の協会への観察報告も大事になります。
  協会近くの方で、送り迎えができるご家族に限られます。

  まつ君も、お泊りの練習で、ご近所の矢野家に今週末からホームステイです。
   

175 全国ろうあ者大会でPR活動 今年で8回目

2006-06-09 18:41:19 | 聴覚障害福祉
↑写真は、6月11日 全国ろうあ者大会 in 静岡の入場前。すごい列でした。

 毎年、全国ろうあ者大会に参加させていただいております。
今年で8回目になります。昨年の札幌でも、お顔なじみになった方々にお目にかかりました。あたたかな挨拶をかわさせていただくだけでも、楽しみです。

 今回は静岡県での全国ろうあ者大会です。うれしいことに、読売文化センター・手話教室の10名の方が、ボランティアでお手伝いに来てくださいます。
 会場での聴導犬についてのご説明のほか、助成金で「聴導犬」に関するアンケートを実施させていただくので、そのことも、ご協力いただけたらと期待しています。
 いつもは、スタッフ2名であれもこれもと、走り回っているのですが、今回は、お手伝いをいただけること、本当にありがたいです。

 スタッフ2名 まゆみと、松下が参加させていただきます。
 10年のキャリア犬クロちゃんもデモンストレーションをさせていただくのに、参加します。静岡市での全国ろうあ者大会に、クロちゃんたちに会いに、よろしかったら、お立ち寄りください。


第54回全国ろうあ者大会のお知らせ

全国の聴覚障害者と聴覚障害者の福祉に関わる人々が一堂に会し、手を携えつつ、聴覚障害者の社会的自立 と社会的地位の向上及び社会福祉の増進を目指して研鑚と交流を深め、以って「完全参加と平等」の理念によるノーマライゼーションの社会、聴覚障害者を含む障害者全体の生活と福祉が保障される豊かな社会の建設に寄与することを目的とする。

財団法人全日本ろうあ連盟 社団法人静岡県聴覚障害者協会
2006年6月7日(水)~11日(日)
場所:静岡県静岡市 Shizuoka Convention & Arts Center「グランシップ」ほか
です。

 


 

174 「あなたにもできる補助犬支援」 補助犬ユーザーのための研修会 長野県委託事業 

2006-06-08 20:57:13 | 身体障害者福祉
↑ 8月6日、長野県庁委託事業として、第2回 補助犬ユーザーのための研修会「あなたにできる補助犬へのあたたか支援」を総合プロデュースさせていただきます。
 長野県の小諸にある動物愛護センター「ハローアニマル」さんでの開催になります。
 ぜひ、いらしてください。仔細は、以下のとおりです。

長野県委託事業

主催:長野県、長野県動物愛護センター・ハローアニマル、(福)日本聴導犬協会
第2回 
「補助犬使用者のための研修会」
あなたにもできる補助犬への
あたたか支援

■ 研修会実行委員長:大木正行

■ 総合プロデュース:
池田 純:長野障害者自立支援センター「マイ・ステップ」所長
有馬もと:厚生労働大臣指定法人 (福)日本聴導犬協会会長

■ 事務局: 矢澤昌子

■ 後援申請予定:厚生労働省、国土交通省、長野県、長野県教育委員会、長野県社会福祉協議会、長野県弁護士会、長野県医師会、長野県獣医師会、長野県看護士会、長野県障害者自立支援センター、長野県商工会議所、長野県司厨士会、長野県聴覚障害者協会、長野県視覚障害者協会、長野県肢体障害者協会、ハーネスの会、長野県動物愛護協会、わんわんパトロール、Pro-Dog Clubなど

■開催日時:2006年8月6日(土曜日:朝9時45分から16時30分まで)

■開催場所:長野県動物愛護センター・ハローアニマル
〒384-0041 小諸市大字菱平字前新田2725
Tel:0267-24-5071 Fax:0267-26-3282

■実行事務局:厚生労働大臣指定法人 社会福祉法人 日本聴導犬協会
〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村3200  www.hearingdog.or.jp
Tel:0265-85-4615 / 5290 Fax:0265-85-5088 E-mail:inf@hearingdog.or.jp
◆スケジュール
主催:長野県、長野県動物愛護センター(ハローアニマル)、(福)日本聴導犬協会
長野県委託事業:身体障害者補助犬普及啓発のための研修会 
「あなたにできる補助犬へのあたたか支援」

■企画意図:
 補助犬法が施行されたとはいえ、補助犬は、一般の方々には、まだまだ親しみのない存在です。補助犬は、身体障害者のためだけのものと考えられがちですが、本来は、社会の資産として、社会環境をやさしくする働きも備えています。
 店や施設などの受け入れ先だけでなく、社会全般の方々が、補助犬に理解を示し、受け入れ方を知っていただけなければ、ユーザーと補助犬との社会参加は困難をきわめるでしょう。今回は、多くの方々が、「できる補助犬へのあたたかな支援」として、補助犬ユーザーとの話合い、補助犬ユーザーが「してほしいこと、してほしくないこと、しなければならないこと」の3ポイントを忌憚(きたん)なく語り合う機会を創ります。
 話合い、理解しあうことで、社会と補助犬との新しい関わり方が生まれるのではないかと、期待しております。


・ 受付9時30分~ 
  研修会総合プロデュース 池田純&有馬もと  司会進行:有馬もと
・研修会    午前の部     10:00~12:30
・ワークショップ午後の部    13:20~15:00


■研修会スケジュール

1:午前の部
研修内容 講師 時間
① 長野県における補助犬支援について 大木正行
(ハローアニマル所長) 10:00-10:15
② 普及啓発のために
あなたにできる補助犬へのあたたか支援
「してほしいこと、してほしくないこと、しなくてはならないこと」

補助犬ユーザーとみなさま(受入側、社会)との討論会。補助犬法の改正と、支援の必要性について 盲導犬ユーザー
聴導犬ユーザー
介助犬ユーザー
と、参加者との討論会

司会:池田純(盲導犬使用者、長野障害者自立支援センター「マイ・ステップ」所長) 10:15-12:30
昼食45分間
(弁当は800円。要事前予約) 盲導犬、聴導犬、介助犬 デモンストレーション予定 12:30-13:15




2: 午後の部(ワークショップ)
③ ワークショップ
以下の2つのワークショップから選択してください。仔細は以下をお読みください。
講師
ワークショップ1:前野弘美、有馬もと、野地義行など
ワークショップ2:有馬もと、酒井恵美子など
          時間は、13:20-15:00
ワークショップ 1―― 一般・愛犬家向け
一般および愛犬家向け (愛犬同伴可)
補助犬支援のための愛犬のマナーと訓練プチ体験

「補助犬ユーザーのお手伝いをしたい」
 
 愛犬と一緒に学ぶ「介助お手伝い犬のプチ訓練」。「盲導犬のために何ができるか」「聴導犬のために何ができるか」「愛犬と一緒に学ぶ。お手伝いペット犬の作業」=介助お手伝い作業(ドアを開ける、ドアを閉める。物(ダンベル)を持ってくる。ライトのスイッチ。物の受け渡す)を、愛犬と共に学びましょう。
訓練の大変さや犬の能力の再確認にもなるはずです。

ワークショップ 2 ―― 一般&教育関係者向け
一般および教育関係者向け

補助犬は社会の宝:教室での補助犬候補犬育成による児童への情緒効果

箕輪村南部小学校での候補犬あき育成協力による児童への情緒効果。補助犬育成には、子犬(候補犬)の早期社会化が大きな影響をしめます。その社会化への協力体制として教諭が責任をもって小学校の教室で子犬を育てる「小学校での聴導犬育成」プロジェクトがあります。教諭が、子犬を教室に同伴。クラスの小学生の3名だけが当番となり、食事、ケア、散歩などの責任を持ちます。休日、就業後は、教諭が自宅に連れ帰ります。候補犬と生活を共にすることによって、児童にどのような情緒的、教育的な成果が出たか、また子犬への影響の考察と導入の準備段階を発表します。

④ 希望者のみ親睦会(実費1000円)
補助犬ユーザー、(福)日本聴導犬協会スタッフなどとサンドイッチとお茶での親睦会
(質疑応答も自由にできますのでご参加ください)

■サービス提供予定:
Pro-Dog Club
地元のわんわんパトロールのみなさん 15:00ー



◆はじめに

■ユーザーの「自主選択」「自己決定」が、補助犬の質を高める■
厚生労働大臣指定法人 社会福祉法人 日本聴導犬協会 会長 
補助犬ジャーナリスト&総合プロデューサー 
有馬もと
 
長野県委託事業として、2005年4月29日に長野県動物愛護センター・ハローアニマルでの「身体障害者補助犬(以下補助犬と略)に関する研修会」の総合プロデュースをさせていただきました。

この光栄な機会に、補助犬だけでなく、ユーザーとなられる身体障害をもたれる方の生活に密着した情報を、みなさまに提供させていただきたいと願いました。
補助犬と総称されても、50年以上の歴史ある盲導犬と異なり、1981年から日本で始まった聴導犬、1991年に初めてアメリカから導入された介助犬と、一般の方々には、まだまだ周知されていないのが事実です。

第1回目の研修会には、補助犬ユーザーおよび補助犬希望者が総勢30名以上も集まり、貴重な情報を共有することができました。
しかし、一般社会での理解の点で、補助犬の普及啓発をすすめるために継続的な研修会の必要性があります。今年も、長野県から委託事業として、研修会をさせていただけることになりました。

第1回研修会でも協働させていただきました長野障害者自立支援センター「マイ・ステップ」 池田純所長と、2006年度も総合プロデュースをしていただけることになりました。また、盲導犬ユーザーの前野弘美様が、(福)日本聴導犬協会の評議員でもありますが、講師としてワークショップにご協力をいただけます。

昨年同様に「自主選択」「自己決定」の重要性を説くことが、「補助犬普及啓発」の根本理念と理解し、補助犬ユーザーの方々にお集まりいただき、一般の方々、補助犬の受け入れ先となられる商店の方々との忌憚のない意見交換をしていただきたいと、考えております。

理解しあうためには、お互いの意見交換が必要です。
法律の強制力には、限界があります。補助犬へのあたたかな「理解と愛情」を一般社会の方々に持っていただくことが、補助犬の普及への近道と信じております。