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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

氷海、希望号の遭難

2016-07-11 04:21:11 | 霧の風景


カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ、19世紀ドイツ、ロマン主義。

厳しい風景だ。人間は、決して人間を受け入れない世界があるということを、知らなければならない。愛に包まれた地球環境の中では、四季の潤いがあり、たくさんの食べ物があり、人間が住める暖かい大地がある。それらがすべて、当たり前のものだと思ってはならない。すべては、神が与えてくださったのだ。神がその愛をひけば、地球も容易にこういう環境になりうるということを、教えておこう。
豊かなものはすべて、愛が与えてくれたのだ。その愛に、いつまでも甘えているばかりではいけない。






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林檎のある静物

2016-07-10 04:39:54 | 霧の風景


ポール・セザンヌ、19世紀フランス、後期印象派。

休憩だ。ちょっときついのが続くからね。
林檎は甘酸っぱい実をつける。葡萄の実は甘く、人生の苦しみを忘れさせるが、林檎の酸っぱさは逆に記憶を鮮明に呼び起こす。アダムとイヴが食べた知恵の実が林檎に擬せられるのもうなずける話だ。過去にまいた種が、血のように赤い実を結ぶ。そのことも象徴的だ。
人間には、決して忘れてはならない記憶がある。そのことを、林檎は教えてくれるのだ。






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ポンペイ最後の日

2016-07-09 04:16:49 | 霧の風景


カール・パヴロヴィチ・ブリュロフ、19世紀ロシア、新古典主義、ロマン主義。

ポンペイは天罰が下った町である。人間は昼間の半分しか働かず、腐れた性欲に浸りきっていた。日々の安寧を追うばかりで、何もしようとせず、快楽に酔い続ける人間たちは、ある日ヴェスヴィオ山の噴火という悲劇に出会うのである。ポンペイは一日にして火と灰に埋もれて滅びた。あなたがたは、自然界に、こういう決断を下せる意志があることを、考えていなければならない。人間を滅ぼそうと思えば滅ぼせる力が、地球にはあるのだ。






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アルルカンと死

2016-07-08 04:14:31 | 霧の風景


コンスタンティン・アンドレイエヴィチ・ソモフ、20世紀ロシア、象徴主義。

口づけに酔う恋人たちを背景に、仮面をつけた道化と死神が物言いたげな動作をしている。それは人間の未来を暗示している。
馬鹿か、死か。
どちらかを選ぶことによって、人間の運命は決まる。
どちらを選べば天国に行けると思うかね。
考えるがいい。






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最後の審判

2016-07-07 04:25:41 | 霧の風景


ペトルス・クリストゥス、15世紀オランダ、北方ルネサンス。

この世の終わりにイエスが再臨し、人類を審判にかける。良いものは天国に招かれ、悪いものは地獄に落とされる。真実の天使はこの考え方が嫌いだった。すべての人間を、天国につれていきたかったのだ。だが人間の現実はそう甘くはない。本当の天国に行くまでの間、どうしようもない馬鹿は地獄で苦しまねばならない。それを経験しなければわからないことがあるからだ。
あなたがたは残念ながらかのじょを拒否した。すべての人間を天国に導きたいと思っている天使を、あなたがたは嫌だと言って追い出したのである。ゆえにあなたがたの前には、審判の天使が現れる。わたしはあなたがたを、天国に行くものと地獄に行くものに分別するものである。






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2016-07-06 04:18:46 | 霧の風景


ジュゼッペ・アルチンボルド、16世紀イタリア、マニエリスム。

奇怪な人間像である。パズルのように要素を組み合わせて、人間の姿を作り上げている。後のシュルレアリスムやキュビズムの方向を感じさせる作風だ。面白いが、寒い風を感じる。これは人間が作り上げた馬鹿なのだ。これが人間だと、人間は言いたいのか。いったい人間とは何なのか。感覚を刺激すれば動くだけのものなのか。要素をばらばらにすれば、何もなくなる馬鹿なのか。いったい何なのだね。あなたがた人間は。






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使徒聖ペテロ

2016-07-05 04:24:48 | 霧の風景


エル・グレコ、17世紀スペイン、マニエリスム。

イエスを最初に裏切ったのはユダではない。この男である。こいつが最初に、イエスを馬鹿にしろと、みんなに言ったのだ。それからイエスが絶命するまでの間、彼らは惨い暴力をやめなかったのである。ユダはその時もうすでに故人であった。イエスを殺せたはずはない。イエスを殺した弟子たちは、その罪が自分たちに来るのを恐れて、すべてをユダに押し付けたのである。裏切り者の汚名から、ユダを救ってあげなさい。そしてその名を、再びこの男に押すのだ。それがこの男の責務だからである。






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ジル・ド・レ、ジャンヌ・ダルクの友にしてフランス元帥

2016-07-04 04:23:09 | 霧の風景


エロワ・フィルマン・フェロン、19世紀フランス、新古典主義。

これはジャンヌ・ダルクにつきまとっていた魔王である。人類の中では最低の部類である。
見給え。気色が悪いだろう。この姿はすべて、他人からの盗みなのだ。立派に形作ってはいるが、この中にはとんでもなく小さな馬鹿がいるのである。こいつは人間の姿をした獣にも等しいのだ。ほとんど何も勉強したことがないにかかわらず、自分のなした多くの罪から逃げ続け、努力も何もしないで天使のように美しく偉くなりたいと思っている馬鹿の中の馬鹿なのである。
ジルはジャンヌとともに戦ったことはあるが、のちに自分の性的欲望のために千人以上と言う少年たちを誘拐して虐殺した。そんなことが平気でできるのが魔王なのだ。
あなたがたはこの絵から逃げてはならない。これは、いつかはあなたがたが取り組まなければならない、重大な課題を教えるものなのだ。






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窓辺の薔薇

2016-07-03 04:23:51 | 霧の風景


フェルディナント・ゲオルグ・ヴァルトミュラー、19世紀オーストリア、ロマン主義。

休憩だ。窓を開けよう。
外の空気を入れて、気分を転換しよう。考えることは多すぎる。しばしは花の香りにでも触れて、安らぎなさい。






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フランス王シャルル7世の肖像

2016-07-02 04:15:53 | 霧の風景


ジャン・フーケ、15世紀フランス、北方ルネサンス。

これはジャンヌ・ダルクを見殺しにし、彼女から功績を奪った男である。この男がやったとして伝えられていることは、実際にはジャンヌが彼に教えたことばかりだったのだ。いかにもこずるそうな顔をしているであろう。これは女がやった崇高な仕事を横から奪って自分のものにし、偉そうな顔をしている卑怯な男の見本だ。こんな男はあふれるほどいる。すべての男が、こういう男のために働いていると言っていい。このように、男が今までやってきた良いことの半分以上は、女がやったことだと言えるのだ。いずれそれは正しい結果となってそれぞれに返ってゆくだろう。






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