goo blog サービス終了のお知らせ 

世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

人間の息子

2016-07-13 04:12:55 | 霧の風景


ルネ・マグリット、20世紀ベルギー、シュルレアリスム。

マグリットはシュルレアリストの中ではまだ見られる画家である。エルンストなどは狂気に落ちているが、まだこれは理性の中に残っている。
若い男の顔を青い林檎が隠している。林檎は原罪の暗喩でもある。その林檎と男を組み合わせるとき、妙に安堵感を覚えるのは、それは本来男のものであるからだ。イヴの誘惑も、イエスの殺害も、男がやったことだからである。逃げてはならない罪から逃げていたことが自分の中に作る呵責を、この絵は幾分癒してくれるのだ。これが正しいのだと。






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする