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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

スザンナと長老たち

2014-04-16 06:12:01 | 虹のコレクション・本館
No,120
アルテミシア・ジェンティレスキ、「スザンナと長老たち」、17世紀イタリア、バロック。

このテーマの絵を選ぶのは二回目だが、特筆すべきだと思ってあげてみた。

ジェンティレスキは女流としては最もおもしろい画家である。男からの性暴力を経験したということが、かのじょの絵に深く影響していることは、感じざるを得ない。

このスザンナは男を心底嫌がっている。

男が描くと、絶対に女は嫌がっているという風には描かないものだ。ルクレティアやスザンナやバテシバなどのテーマも、悲哀の表情は描くものの、拒絶の表情は描けない。

しっかり、男は、女に拒絶されるのが嫌だからだ。

けれども、男は、女に嫌がられているということを、もっと真剣に考えてみるべきだね。実際女性は、本当に男が嫌になっているんだよ。

油断すれば、すぐに、セックスだけを目的に体を奪われ、物のように捨てられる。
簡単に求婚を断れば、殺される。
勝手に思いをかけられて、恨まれて、何にもしていないのに、いつのまにか妙な責任を押し付けられて、殺される。

いい迷惑だろう。こんなやつが愛されるわけがない。

実際ね、男は、責任をとらずにセックスをしたい、という目的だけのために、女をいじめすぎているんだよ。

この絵は、女性の側から男に気持ちをぶつけた、数少ない例である。

後世にも伝えていくべきだ。



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