
No,119
フィリッポ・リッピ、「聖母子と二天使」、15世紀イタリア、初期ルネサンス。
ボッティチェリの師匠にあたる。ボッティチェリの優美な女性像はこの画家に学んだものだが、フィリッポ・リッピは修道僧にも関わらず、20以上も年下の修道女を誘惑して駆け落ちするなどということをする、好色な男である。
その画風は優雅でありながらも、どこか男のあくの強さを感じる。ボッティチェリの描く女性が純真そのものに見えるのとは対照的だ。
しかしこの絵の女性は美しい。駆け落ちして妻にしたルクレツィアをモデルにして描いているのだが、画家の好色な視線はあるにしても、女性美に対する深い愛は感じるね。
こちらを見ている天使のいたずらめいた視線が、画家のずるさを思わせるが、目を伏せているルクレツィアの表情に、男に流された女性の悲しさを見て、それを絶妙に描いている、画家もたいしたものだ。
女が男にからめとられて、それをよしと受け入れてゆくときの美しさが、彼にはそそるんだろう。
まあ、こういうのが、この画家の好みなんだろうね。いい女をつかまえたときの、男の喜びを感じるよ。
フィリッポ・リッピ、「聖母子と二天使」、15世紀イタリア、初期ルネサンス。
ボッティチェリの師匠にあたる。ボッティチェリの優美な女性像はこの画家に学んだものだが、フィリッポ・リッピは修道僧にも関わらず、20以上も年下の修道女を誘惑して駆け落ちするなどということをする、好色な男である。
その画風は優雅でありながらも、どこか男のあくの強さを感じる。ボッティチェリの描く女性が純真そのものに見えるのとは対照的だ。
しかしこの絵の女性は美しい。駆け落ちして妻にしたルクレツィアをモデルにして描いているのだが、画家の好色な視線はあるにしても、女性美に対する深い愛は感じるね。
こちらを見ている天使のいたずらめいた視線が、画家のずるさを思わせるが、目を伏せているルクレツィアの表情に、男に流された女性の悲しさを見て、それを絶妙に描いている、画家もたいしたものだ。
女が男にからめとられて、それをよしと受け入れてゆくときの美しさが、彼にはそそるんだろう。
まあ、こういうのが、この画家の好みなんだろうね。いい女をつかまえたときの、男の喜びを感じるよ。