世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

放蕩息子の帰還

2014-05-22 06:13:41 | 虹のコレクション・本館
No,145
レンブラント・ファン・レイン、「放蕩息子の帰還」、17世紀オランダ、バロック。

何とも暖かい絵である。イエスの語ったたとえ話の中でも感動的な話だ。なくしたと思った息子が帰って来たと、放蕩の限りを尽くした息子の帰還を喜ぶ父親。

だがね、こんなやさしい父親は、イエスだけだと思った方がいい。中には厳しい父親もいる。

どの面下げて帰って来たんだ。しきいをまたぎたきゃ、こさえてきた借金を、一銭たりとも間違わず、払って来い!

不孝の限りを尽くしておいて、今さら息子ヅラするとは片腹痛い。下働きからやり直せ!

うむ。まあ、雷親父にもいろいろだ。

君たちねえ、もはや、この絵にあるようなやさしい父親は、いないと思った方がいい。いずれわかることだが、あなたがたは、こういう父親を、全て滅ぼしてしまったんだよ。

よほどのことがないかぎり、イエスは帰って来てくれないのだ。

放蕩の限りを尽くしたものは、それなりのつぐないをしてから、家に帰った方がよい。



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