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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ガイア

2013-11-26 09:00:03 | 詩集・空の切り絵

男は
裏返らないけれど
女は
裏返るときがあるの

だから
みょうなところに
さわってはだめよ

苦しいことを
してはだめ
できるがまんは
すべてするけど
がまんができなくなったら
女はひっくり返るのよ

こわいのよ
何もかもが
無茶苦茶になる
馬鹿なことをしてはだめ

美しすぎる女は
こわいのよ
生と 死が
繁栄と 死滅が
同じ器の中に
入っているの

馬鹿なことをしてはだめ
わたしは
すべてを生んでいるから
すべてを滅ぼしても
いいのよ?





コメント (1)
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イヴ

2013-11-26 04:39:50 | 虹のコレクション・本館
No,16
ハンス・バルドゥング・グリーン、「アダムとイヴ」より「イヴ」、16世紀ドイツ、北方ルネサンス。

見過ごしておけない画家だ。おもしろい絵を描く。この絵はもちろん、アダムとともに描かれているが、どうしてもイヴのほうが美しいので、こちらを見てしまう。手に知恵の実を持ちながら、蠱惑的な瞳でとなりのアダムを見ている表情は、男を惑わす女に対する、男の願望が現れている。

実在の女性には、なかなかこういう女性はいない。大体の女性は、男にたいして臆病だからだ。男を、自分の方から攻めることのできる女性などめったにいない。
男には、このような美しい女に、からめとられてみたいという、思いがあるのだろう。実に美しい女性である。

このイヴに並んで描かれているアダムは、たいそうたくましい体躯に描かれているが、そっぽを向いていて、どこかよそよそしい。考えていることがばれないように、とりつくろっているようにも見える。

この画家は、そういう人間の絶妙の表情を描くのがうまい。




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