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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

はるかかなた

2013-11-11 12:38:27 | 詩集・試練の天使


赤くも酸い林檎を噛みながら
銀の上着を羽織り
外に出る

石の町を横切り
白翡翠の死体が歩く
スクランブルを泳ぎ渡り

さざれ石となった電話の音が
暴力的に吹き荒れる
音楽の町を過ぎ

鈍く固化した練水晶の
城砦の門に向かう
門を出るとそこは砂漠の部屋だ

はるかかなたに
竜の背びれのような
真珠の金字塔の列が見える

金字塔は夢の褶曲運動のように
かすかにうなりながら
遠い未来をつくっている

旅人はすべての夢を捨て
はるかかなたに向かう
その歯は震えながら涙の歌を奏でる
オルゴールの歯車のようだ




コメント (1)
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書物の聖母

2013-11-11 05:11:09 | 虹のコレクション・本館

No,6
サンドロ・ボッティチェリ、「書物の聖母」、15世紀イタリア、初期ルネサンス。

ボッティチェリは数々の美しく甘美な女性像を残しているけれども、これがもっとも好きだ。
さみしさを漂わせながらも女性の高い気品を表現した婦人像である。実に美しい。

ボッティチェリは非常に特殊な画家だ。特別な使命を持っていた。ゆえにその表現した女性像は、永遠の人類の宝となるほどのものになった。

彼の作品は、後々の人々の心をおおいに豊かにしていくことだろう。




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