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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

天使

2013-11-10 10:07:42 | 詩集・試練の天使

銀白の夜に わたしは彼を抱きしめた
人格の融合とは
セックスよりも貴い
天使の幸福だ

もはやわたしはわたしではない
もはや彼は彼ではない
彼の歩いてきた道に
落としてきた白い真珠の光が
かすかに さくらの花びらのように
薄紅に染まる

ひとつであった時間を
奇跡のように共有することが
はげしく君を愛させる
たまらぬ 
魂の叫びだ

(ああ ほんとうに
 わたしは
 よいことを したいという
 きもちの かたまりなのになあ)

愛している
ああ 愛している

泣いているのも
答えているのも
あなたなのか
わたしなのか
どちらでもよい

わたしたちは溶けあい
月に染まる
ひとつの 大きな
詩人の影になる

紺青の頭蓋の空に
ふたつの月をかかげ

ひとつの清い影になる




コメント (1)
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レオン・トロツキーにささげる自画像

2013-11-10 03:08:01 | 虹のコレクション・本館

No,5
フリーダ・カーロ、「レオン・トロツキーにささげる自画像」、20世紀メキシコ。

20世紀芸術にはさまざまなものがあるが、人間の精神の崩壊がどれにも如実に現れている。嘘のはびこる世界の中で、芸術家も一つのステータスとなり、芸術家は嘘と真の間で壊れていく自分の姿を、知らず知らずのうちに描いていた。

フリーダ・カーロは20世紀という時代で自分を表現した画家の中では、特筆すべき名だと思う。この絵は、苦しい時代の中で自己存在の美を求めた彼女の絵の中で、最も美しいものだと思う。

この絵には実在の女性の存在感が強く表れている。
愛と試練の間でさいなまれた人間の魂が表現されている。



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