日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

海を渡って沖縄へ 2019 - 成^2

2019-11-23 23:01:10 | 居酒屋
年々食が細ってきたと、昨日も申したばかりです。実は今日も朝方のランチで腹一杯になってしまい、お昼に寄ったA&Wでも軽く息切れしていました。夜になってもなかなか空腹感が戻らず、雲呑だけで切り上げても特段不足はない状態でした。しかし、それではいささか淋しく感じられるのも事実です。幸いにも、遅くまで開いているのが那覇の店の特徴でもあります。長めの腹ごなしを経て二軒目の「成^2」に入りました。
店主の腕と創意工夫を直に感じられるのが、那覇で愛用してきた店の特徴だと昨晩も申しました。昨晩訪ねたShimuはまかわは、和食の技法がとりわけ光る店でしたが、ここでは和よりも洋に比重が移ります。ただし洋風居酒屋というわけではなく、両刀遣いといった方が適切でしょう。余所者には聞き慣れない地産の食材を駆使するところも当店の特徴で、この日の品書きでいえばマンビカーがそれに当たります。そして何より秀逸なのが、飴色に光る一枚板のカウンターです。古材を多用した店内の設えは、那覇で訪ね歩いてきた店の中でも抜きん出ています。那覇に三泊できるなら、一晩はここに注力しようと決めていました。先ほど触れた目当ての店とは、他ならぬ当店のことだったのです。

こうして訪ねたまではよいものの、前回に続いて誤算が一つだけありました。あのときは、久々に訪ねたらしき先客と、店主、女将の話にたいそう花が咲いており、注文を入れる間合いを見計らうのにも苦労しました。それと同様、端から見ればごく些細な、しかし自分にとっては看過できない問題です。その問題とは、カウンターから見上げた位置に吊り下げられたTVでした。
不確かではありますが、店内にTVはあったと記憶しています。ただし、これほど近い位置だったという認識はありません。日替わりのおすすめを書き入れた大きな黒板も、やはり見上げるような位置から下がっています。あの黒板についていえば、以前は厨房の仕切り壁に掛かっていました。このことから推察されるのは、小上がりのお客からも見やすいように移設した可能性です。しかし、よかれと思ってしたことが、こちらにとっては由々しき問題となってしまいました。
というのも、流れているのがいわゆるミュージックビデオの類なのです。音量自体、耳障りに感じるほどではないものの、近くで画面がちらつけば、否が応でも目に入ります。新幹線の車内で四六時中流される字幕ニュースが余計だと、以前不満を述べましたが、あれに近い感覚とでもいえばよいでしょうか。引っかかるものを感じつつ、しばしの間やり過ごしてはいたものの、この違和感を抱えたままでは終われないという考えが、次第に強くなってきました。その結果、小一時間ほど経ったところで、女将に席を移りたい旨を願い出るという顛末です。終盤だけでも心置きなく呑めたのはせめてもの救いでした。
TV自体は元々あった、ただし普段は流さないことも多いというのが女将の弁です。その説明が事実とすれば、こちらにとっては朗報ですが、いずれまた何某かが映し出された状況に出くわすことはあるかもしれません。そのような場合でも、玄関に近い席ならそれほど気にならないことは分かりました。教訓の一つにしておきましょう。

成^2
那覇市牧志1-6-15
098-868-2329
1800AM-100AM(LO)

菊之露
突き出し五品
カンパチ刺身
マンビカーのカマとハラのみりん醤油焼
ランプステーキ
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 樓

2019-11-23 21:25:14 | 居酒屋
那覇で愛用してきた店の多くは一銀通りの周辺に散らばっていて、松山で呑んだ昨日は例外的だと申しました。ならばあとは原点回帰するかというとさにあらず。今夜も松山で一献傾けます。
去年も世話になった、hinodeの店主推奨の雲呑専門店です。那覇で雲呑とは一見すると唐突ではありますが、バーの居抜きと思しき高くて広々したカウンターが独酌向けで、屋号からして上海出身だろう店主と、横浜から移り住んだという助手の青年によるほどよい間合いの客あしらいも、自分にとっては心地よく感じられました。今回も挨拶がてら寄っていこうと思っていたのです。
ただし、本来ならば呑んだ後の〆にとっておきたい店でもありました。それを早速投入したのは、一杯目にオリオンの生ビールをいただきたかったという事情によります。というのも、今夜目当てにしている店が、オリオンの樽生を取り扱っていないのです。肩慣らしに軽く一杯やっていくという展開は、奇しくも先週金沢を訪ねたときと同様になりました。
前回いただいた焼きワンタンが秀逸だったため、再びいただくにもやぶさかではありませんでした。一方、それと二枚看板をなすスープワンタンが、いかなるものかについても興味がありました。前回はてびちをスープで煮た突き出しが出て、必然的に焼きワンタンを選びましたが、今回は逆に焼鳥が突き出しに出てきました。その結果、趣向を変えるという目的もあってスープワンタンを選択。焼きワンタンより200円高いのは、スープで煮る手間の違いかと思いきや、六個だった焼きワンタンが、スープワンタンでは八個になりました。しかも、ナズナと海老が半々だった焼きワンタンに対して、スープワンタンでは八個とも海老ワンタンになるという違いもあります。物珍しさという点でも、二つの味を楽しめるという点でも、ここでは焼きワンタンが最も手堅い選択なのかもしれません。しかし、アーサを使った淡い味のスープは、酔った後でも汁一滴残さずいただけそうな優しい味わいです。気分に応じて使い分けるのも一興でしょう。

上海雲呑 樓
那覇市松山2-21-21
098-943-4865
2000PM-500AM
日曜定休
スープワンタン800円
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 第二夜

2019-11-23 21:12:55 | 沖縄
本島南部を一周し、80km弱を走って那覇に戻りました。先日旅した北陸はすっかり冬の趣でしたが、南の島の季節感は全くの別物です。気温は28度まで上がり、かなりの汗をかきました。とるものもとりあえず一風呂浴び、ようやくさっぱりしたところです。
昨年那覇に注ぎ込んだ三泊のうち一泊を削り、その一泊を寄港地の島に回すのも一興のところ、元の鞘に収まったことについては出発前にも申しました。しかし、第二夜を迎えてみて思うのは、三泊できることの恩恵が、出発前に思っていた以上に大きいということです。仮に一泊削ったとすると、これが最後の夜となり、明日も実質昼頃までしか持ち時間がなありません。そのように考えると、明日も終日滞在でき、さらに一泊できる効果がいかに大きいかが分かります。
土砂降りの雨にやられた昨晩と違い、今夜はそのような心配も無用です。Tシャツ一枚の軽装で出かけます。
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 具志川城

2019-11-23 18:30:33 | 沖縄
平和祈念公園、健児の塔、魂魄の塔、喜屋武岬の順に立ち寄り、具志川城に着いたところでほぼ暗くなりました。空が焼けてはいないかと、淡い期待を抱いたものの既に遅し。しかしこれが結果としては吉と出ました。蛍が飛んでいたのです。
初めて自分の車を渡した十年前、沖縄では冬にも蛍が飛ぶと知って驚きました。奇しくも今回と同じ11月の後半でした。本土では初夏の風物詩の一つですが、こちらでは多少なりとも涼しくなった今頃が、最も住みよい時期なのかもしれません。
終日雨の予報が出て、多くを望むべくもないかと思いきや、終わってみれば短時間とはいえども晴れ、傘の出番は一度もありませんでした。しかも、久々に蛍を鑑賞できるというおまけまでつきました。昨日は負けと認めざるを得ない結果でしたが、今日は勝ちに近い引き分けです。このよい流れが明日以降も続いてくれると期待しましょう。
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 奥武島

2019-11-23 15:50:14 | 沖縄
海岸線を右回りに周回して奥武島にやってきました。ただし、元々ここを目指していたわけではありません。
行こうとしていたのは久高島です。本島と橋でつながる奥武島と違い、フェリーで渡る正真正銘の離島でもあります。ただし、安座間から片道30分足らずで渡れ、島内も貸自転車で回れる程度の広さだと聞きました。午後からの半日を注ぎ込むには頃合いだったこともあり、三時に出るフェリーに乗るべく走ったのでした。ところが、与那原を出て少し走ると雲行きが怪しくなり、やがては雨が降ってきました。これでは行っても仕方がないと判断して見送り、せめてもの埋め合わせに奥武島を訪ねるという顛末です。
皮肉なことに雨はすぐ止み、時折日も射すそこそこの好天に戻りました。強行すれば、乗船している間に止んで、あちらでもそれなりに楽しめていた可能性が高いということです。とはいえ、日が射すとはいってもあくまで一瞬にすぎず、午前中のような快晴ではありません。今日のところは見送って、ここぞというときにとっておけという思し召しだったと受け止めることにします。今回の道中で再挑戦する余地はなさそうですが、来年以降の課題の一つにしておきましょう。
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - ルートビア

2019-11-23 14:11:45 | B級グルメ
ありがたいことに、その後も雨が降ることはなく、それどころか時折日も射すそこそこの好天です。これならゆいレールに乗っている場合ではありません。どこまでも走って行きたくなるところです。ならば北へ向かうかというとさにあらず。あえて東へ走ってきました。与那原のA&Wで小休止をとります。目当ては今年創製100周年を迎えたルートビアです。
自身とりわけ愛用してきた古波蔵店が、残念ながら閉店したと風の便りに聞きました。手近なところに代わりの店舗がないものかと考えて探したところ、行き着いたのがこちらです。マリンプラザなる郊外型店舗の集積地にあると聞いて、最近のMOSによくある無味乾燥な店舗を想像していたところが、こちらは相当な個性派です。大小の積み木を二つ重ねたような二階建ての店舗は遠目にも立派で、1階、2階のそれぞれから庇が張り出し、その下にテラス席があるという造りです。その庇は上へ向かって広がるような仕切り板で支えられ、中でもとりわけ巨大な一つが地平から二階の高さまで屹立し、そこにA&Wのロゴが掲げられます。
立派な外観に違わず客席も広々しており、本国の店舗もかくやと想像させられるものです。タイルとメッキの縁取りを多用するのも米国流でしょうか。足元から天井まで届く巨大な連続窓のおかげで、もともと広い店内が、なおさら開放的に感じられます。ただし、沖縄で窓をこれだけ広げれば、夏場など暑くて仕方がないでしょう。このような芸当ができるのも、大きな庇のおかげということになります。個性と実用性を両立させた設計は天晴れです。

★A&Wマリンタウンあがり浜店
島尻郡与那原町東浜68番1-3
098-988-1004
800AM-100AM
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 那覇新港

2019-11-23 12:32:54 | 沖縄
続いて立ち寄ったのはお約束の那覇新港です。快晴は長続きせず、こちらに着いてしばらくすると曇りました。しかし、大きな白い雲が漂う空を背景にして、絵になる眺めをいくつか切り取れたのは収穫です。今のところすぐに降り出しそうな様子もありません。元々の予報を思えば上出来といってよいでしょう。
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 泊港

2019-11-23 11:15:03 | 沖縄
沖縄の天気予報が当てにならないことについては織り込み済みのつもりでした。しかし、これほど見事に外れるのも珍しいような気がします。店を出るとまさかの快晴となっていました。ともかく近場で眺めのよい場所へと思い立ち、泊港を訪ねたところです。
改めて確かめると、先ほどよりも降り出しが遅くなり、時間帯によっては止むという予報に修正されています。昨日の時点より上向いてきているのは間違いないようです。終日雨の予報を受け、先月延長されたゆいレールにでも乗っておくかと思っていたところですが、この快晴が続くなら話は違ってきます。
ただし、上向く場合があるということは、逆に振れる場合もあり得るということを意味します。僥倖に感謝しつつ、今のうちに動けるだけ動いた方がよさそうです。
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 花笠食堂

2019-11-23 10:49:00 | B級グルメ
旅先では朝食を引き延ばせるだけ引き延ばし、お昼を兼ねていただくこともよくあります。特に、朝食向けにめぼしいものがないときは、そのようなことになりがちです。しかし那覇の朝食事情は充実しています。食堂でも弁当屋でもお好み次第というところ、今朝の気分は食堂でした。宿の近くの「花笠食堂」を訪ねます。
かなりに一度だけ訪ねたことのある店です。当時からそうだったかどうか、注文は食券制になっていました。しかし、58種もあっては即決など不可能です。さしあたり目に留まった花笠ランチと花笠定食の違いをおばちゃんに聞いてみると、ランチは揚げ物、定食は煮物に刺身だとの返答が。直感でランチを選ぶと、その正体はいわゆるCランチに相当するものでした。唐揚げ、白身フライ、ウィンナーにオムレツ、ポテトと生野菜を添え、ご飯共々楕円の皿に盛り付けたのがその正体です。巨大なカツを主役にした「ルビー」のCランチほどの迫力はないものの、見た目以上の物量感は共通します。朝からすっかり満腹となりました。

花笠食堂
那覇市松山2-22-4
098-941-1234
900AM-2200PM
日曜定休
花笠ランチ700円
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 木目木奉

2019-11-23 10:05:26 | 沖縄
蜜月も今は昔といえばレンタカーも同様です。長年愛用してきたOTSレンタカーからオリックスレンタカーに鞍替えしたのは去年のことでした。今回も美栄橋駅前の営業所の世話になります。滞在中の相棒となるのはカローラフィールダーです。
立体駐車場に間借りしていたささやかな店舗は、隣のビルの1階に移っていました。大幅に増床されたにもかかわらず、土曜の九時台ということもありかなりの賑わいです。この営業所のよいところとして、宿から歩いて行ける上に、返却次第ゆいレールで空港へ向かえる点が挙げられます。その利便性が浸透してきたということでしょうか。しかし、昨夜の雨が降り続いていたとすれば、ここまで歩いてくることさえ不可能でした。雨が止んでくれただけでも助かります。
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - HOTEL PASQUERA

2019-11-23 08:58:20 | 沖縄
那覇における不動の定宿といえばロコイン沖縄ですが、蜜月も今は昔となりつつあります。無料だった駐車場が有料化され、圧倒的な優位性が揺らいでからというもの、年々使い勝手が悪くなってきました。去年こそ三連泊したものの、今回は残念ながらそうもいきません。空きは一応あるものの、週末は自分にとって手が出ないほどの高額なのです。昨晩は宗旨替えして初見の宿に泊まりました。世話になったのHOTEL PASQUERAです。
このようなことになったのは、何といっても外国人観光客の激増による影響でしょう。激増する観光客に供給が追いつかず、宿の相場を引き上げている可能性が濃厚です。しかし、捨てる神あれば拾う神ありともいいます。その外国人観光客を当て込んだらしき安宿が、近年相当増えました。那覇の場合、本土でも増えているゲストハウス、カプセルホテルだけでなく、住宅の居抜きらしき宿が相当数あるのが特徴で、ここもその手の施設です。
昨夜の場合、予約サイトで検索すると、100を大きく上回る数の候補がありました。安い順から並べていくと、まずゲストハウスとカプセルホテルが現れ、おおむね四千円台から個室の宿が現れるという相場でした。例年宿泊している一帯という条件も踏まえて探した結果、こちらに行き着くという顛末です。
予約サイトの情報からも、ウィークリーマンションのようなものなのだろうと思っていました。実際のところ、玄関こそゲストハウス然としてはいるものの、あとは何から何まで住宅そのものです。ウィークリーマンションを兼ねた宿といえば、思い出すのは三年前に泊まった宇都宮の宿です。広い代わりに怪しげな雰囲気を放っていて、値段なりの割り切りは要る代物でした。しかしこちらは一昨年新築された物件という触れ込みです。館内はどこもかしこも真新しく、打ちっ放しのコンクリートを剥き出しにした客室は、いわゆるデザイナーズマンションのように小洒落ています。ロコイン沖縄の至近にあり、ほぼ同等の利便性があるのもこちらにとっては申し分ありません。これで税抜五千円なら値段以上の掘り出し物です。明晩は残念ながら満室らしく、再び宿探しをせざるを得ませんが、駆け込み寺として覚えておきたい一軒でした。
コメント

海を渡って沖縄へ 2019 - 三日目

2019-11-23 08:31:26 | 沖縄
おはようございます。予報はおおむね的中し、店を出る頃には土砂降りの雨となっていました。先日輪島で降られたような、傘も無力にするほどの降りようです。ずぶ濡れになりながら宿へ戻り、そのまま休むという顛末でした。
予報では、あの雨が朝まで続くとされていましたが、目覚めると雨はすっかり止んでいました。方角によっては青空が広がっており、一瞬とはいえ薄日が射すこともあります。いかにも南の島らしい空模様です。これから再び降り出して、夕方まで降り続くというのが最新の予報ではありますが、昨日のような本降りを避けられるならそれだけでも助かります。的中してくれることを願う次第です。
コメント