日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

海を渡って沖縄へ 2019 - 晩酌

2019-11-21 20:36:28 | 晩酌
船が揺れ出すより先に、思わぬ形で時間切れが迫ってきました。九時に消灯するとの案内放送が入ったのです。食堂にある酒類の自販機は11時まで動くとされており、少なくともそれまでは食堂も使えると思ってよいのでしょう。しかし、客席の照明が消された後、自販機の明かりを頼りに一杯やるのもいささか侘しいものがあります。そうなる前に始めた方がよかろうと思い至りました。
本日の酒は広島、肴は鹿児島で調達したものです。ただし、船酔いしかけた前回の教訓も踏まえ、船上での晩酌は軽めに済ませるつもりでした。乗船前にラーメンをいただいたのもそのためです。軽く一杯やるにとどめる前提で、まず駅の土産物屋で薩摩揚げを押さえました。直後に寄ったアミュプラザの惣菜がよかったため、明日の朝の分も見越して調達し、さらには「くろいわ」でもチャーシューを買うという経過です。少しずつ買い足していったことにより、晩酌どころか明日の朝と昼も賄えそうな献立となりました。
中でもくろいわのチャーシューは、それだけで満腹になりそうなほどの代物です。今夜と明日の朝昼で、それぞれ三分の一ずついただくのがやっとでしょう。これが400円とは恐れ入ります。乗船中、一食は食堂の世話になるつもりでいましたが、調達した食料がこれだけあることを考えると、食堂の出番はないかもしれません。

王祿・白鴻
さつまあげ
きびなご南蛮漬け・甘露煮
サツマイモ天麩羅
大学芋
焼ビーフン
焼そば
かしわおにぎり
チャーシュー
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海を渡って沖縄へ 2019 - 荒波

2019-11-21 20:07:47 | 九州
八時を回ったところで案内放送がありました。佐多岬沖を通過して、湾外に出たことを知らせるものでした。横揺れが増してきた時点で察知はしていましたが、ここから先はいよいよ外海の荒波に晒されることとなります。
改めて驚いたのは、風速が12mもあるということです。しかもこの先、波風ともにますます強まるとのことでした。沖永良部島と与論島も条件付の寄港とされ、台風の余波を食らった昨年の航海と大差なくなりつつあります。あのときは、さらに進んだあたりで船酔いし始め、晩酌もできないまま早々と休みました。ラーメンをいただいてから十分な間が空いておらず、腹具合が戻るまでもう少し待ちたいところではありますが、さりとてあまりに引き延ばすと、晩酌どころでなくなってくる可能性もあります。腹具合と揺れ具合を見計らいつつ、ほどほどのところで始めてしまった方がよさそうです。
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海を渡って沖縄へ 2019 - フェリーあけぼの

2019-11-21 19:41:33 | 九州
一区切りついたところで、今回世話になる船を紹介しておきましょう。那覇まで乗船するのは「フェリーあけぼの」です。
マルエーフェリーの便に乗るのは、初めての船旅以来10年ぶりです。お世辞にもきれいとはいえない船というのがそのときの印象でした。しかし、その五年後に就航したこの船では面目が一新され、船内はどこもかしこも小ぎれいです。近年あらゆるところに蔓延する木目調の紛い物を一切使わず、木目に見えるところがいずれも天然木なのも好ましいものがあります。甲板にベンチもないのが玉に瑕ではありますが、船室に関していえば、二十年選手だった前回のクイーンコーラル8を上回るといってよいでしょう。それは広々した食堂についても同様です。晩酌もこちらですることになるかと思います。
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海を渡って沖縄へ 2019 - 火山灰

2019-11-21 19:28:37 | 九州
先ほど風呂を見送ったのは結果として正解でした。船内に一旦戻ると、これほどかと驚くほどの火山灰を浴びていたことに気付いたのです。しかも、ただ浴びただけではなく、カメラバッグの中にまで入り込んでいました。これほど細かいものが入り込むと機材にもよろしくありません。払えるものは払い、洗えるものは洗った上で、自分自身もシャワーを浴び、ひとまずさっぱりしたところです。
最上階の甲板に、前方と側方からの風を遮る一角があったため、ここならやり過ごせるだろうと思っていたのです。しかし今夜の降灰は容赦がありません。錦江湾を出るまでは粘ると申しましたが、船室で大人しくしていた方がよさそうです。
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海を渡って沖縄へ 2019 - 出航

2019-11-21 18:11:16 | 九州
定刻になると同時に係留索が外されて、船が離岸を始めました。岸壁を離れ、港外へ向かうに先立ち長声一発。25時間の長旅がいよいよ始まります。
出航を前にほぼ暗くなったことにより、前回ほど絵になる眺めは期待すべくもなかろうと思っていました。その予想はおおむね的中したものの、その代わりに今回ならではの出来事もなかったわけではありません。着いた頃から吹いてきた東風に乗って、飛沫が飛んできたのかと思いきや、よくよく見ると火山灰でした。それも、時折目に入るほどの降りようです。鹿児島に何度となく足を運んできた中でも、これほど浴びたという記憶はありません。ある意味印象的な船出です。
新港の埠頭は既に右舷の後方へと去りつつあります。左舷の後方では桜島フェリーが離合しており、その向こうには城山の明かりが瞬くという眺めです。ただし、もはや写真に収められる明るさではありません。この目にしかと焼き付けたい光景です。
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海を渡って沖縄へ 2019 - 鹿児島新港

2019-11-21 17:48:24 | 九州
再びバスに乗り込んで、那覇行のフェリーが出る鹿児島新港にやってきました。港の周囲に何もないのは分かっています。早々と乗船し、船室に荷物を置いて最上階の甲板に上がると、折しも種子島からのフェリーが入港してくるところでした。そこはかとなく旅情を誘う光景です。
10月下旬に乗船した前回は、出航後さほどの時間も経たないうちにすっかり暗くなりました。ましてや今は11月の下旬、一年中で日の入りが最も早い時期にあたります。しかし、ほぼ暗い中だった前回も、錦江湾の航海はめくるめく場面の連続でした。マリックスラインの船と違って、甲板にベンチの一つもないのが残念ではありますが、錦江湾を出るまでは、航海の一部始終をこの甲板から見届けるつもりです。
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海を渡って沖縄へ 2019 - くろいわ

2019-11-21 16:20:29 | B級グルメ
昨年の行程をおおむねなぞると申しましたが、何もかも先例に倣うわけではありません。広島に寄ったのに続いては、鹿児島での持ち時間の使い道も見直しました。観覧車を見送る代わりに、浮いた時間で銭湯に寄ろうという算段です。しかし、その時間が買い出しに回ったことで計算が狂いました。銭湯かラーメンかの二者択一で後者を選び、バスに揺られて天文館へ移動。昼酒から時間が空いて腹具合がこなれてきたのに加えて、駅から港へ直行するのも味気なく、市街にも寄って行こうと思い立ったのが決め手です。「くろいわ」の暖簾をくぐります。
迷うことなく選んだのは焼豚メン900円也。それに加えて渡りに船の一品もありました。チャーシューの切り落としを持ち帰ることができるのです。それも、これで400円かと思うほどの分量です。長野の名店「大石家」にも通ずる、長時間をかけて焼き上げた、歯応えのある旨味の凝縮されたチャーシューが当店の真骨頂でもあります。これで一杯やれれば最高でしょう。先ほど買った品々と合わせ、今夜の肴は盤石です。

くろいわラーメン
鹿児島市東千石町9-9
099-222-4808
1100AM-2000PM
火曜定休
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海を渡って沖縄へ 2019 - 鹿児島中央郵便局

2019-11-21 15:48:57 | 九州
福岡と並んで、鹿児島は中央局が駅前にある都市の一つです。惜しくもゾロ目にならない11月21日ではありますが、風景印を記念にいただいていきます。
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海を渡って沖縄へ 2019 - 買い出し

2019-11-21 15:21:06 | 九州
二時間半の移動を終えて鹿児島に着きました。東京から新大阪までとほぼ同じ所要時間にもかかわらず、五割以上も高額な料金には釈然としない部分があるものの、ともかく速かったのは事実です。これで去年の進行に追いつきました。
去年は好天にもつられて、アミュプラザの観覧車に乗りました。しかし、男一匹毎回乗りたいと思うほどの代物ではありませんでした。それ以前の問題として、あのときほどの好天でもありません。丸一日に及ぶ船旅に備え、買い出しを今のうちに済ませていくことにしました。
駅前で買い出しといえば、ダイエーから代替わりしたイオンがあります。しかし、重荷を抱えた状況では、長い長い地下道を歩かされるのが面倒です。アミュプラザで調達できればと考えて乗り込んだところ、想像を超える充実ぶりに驚きました。まず目に留まったのは惣菜バイキングです。何種類あるのかと思うほどの惣菜が、どれでも1gあたり1.2円という触れ込みでした。一人用の小さな容器に盛り付けると、おおむね五十円、六十円台という見当です。つまり、見切り品並みの大安売りということになります。しかも、ただ種類が多いのではなく、豚足、キビナゴ、サツマイモなどご当地らしいものが揃い、キビナゴは甘露煮と南蛮漬け、サツマイモは天麩羅と大学芋が選べるというおまけ付きです。これなら刺身がなくとも何ら不足はありません。晩酌の肴に加え、朝食用のおにぎりも調達し、お値段は559円也。昼食だけ船内の食堂で済ませれば、那覇まで乗り切れるという寸法です。
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海を渡って沖縄へ 2019 - みずほ607号

2019-11-21 12:52:25 | 中国
慌ただしくなるかと思いきや、結果としては過不足がありませんでした。二時間あまりの持ち時間を使い切り、再び西へ下ります。
博多を境に分断された新幹線の料金体系からすると、前後を乗り通すのはいかにも芸がありません。その結果、博多で一旦降りるのを通例としてきました。孤高の名車、800系にも乗れて一石二鳥だからです。去年もまず博多まで行き、昼過ぎに出る800系の「さくら」で鹿児島へ下りました。今回その機会をむざむざ棒に振り、無味乾燥なN700系で直行するのは、最速列車たる「みずほ」の恩恵により、「さくら」のわずか4分後に鹿児島へ到達できるという事情によります。年末にも800系に乗る機会を作れるため、今回は広島と掛け持ちできる実利を取った次第です。

★広島1235/みずほ607(607A)/1458鹿児島中央
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海を渡って沖縄へ 2019 - 酒商山田

2019-11-21 12:18:43 | 酒屋
一時間ほどの滞在を経て辞去すると、列車の時刻まで20分ほどが残りました。船上での晩酌に備え、酒を調達していくには頃合いの時間です。駅前の「酒商山田」に立ち寄ります。
一口に地酒専門店といっても、県産の酒一筋のところもあれば、全国の有名どころを取り揃えたところもあります。こちらは県内外の銘酒を偏りなく取り揃えた二刀流です。今回とりわけ目に留まったのは、いち早く蔵出しされた「豊盃」のしぼりたてでした。「飛露喜」の無濾過生原酒が、酒販店にはまず出回らない代物と化した後、系譜を受け継ぐ酒として、こよなく愛飲してきた名品の一つでもあります。お膝元の津軽でも品薄が常態化しつつある現状を考えると、ここで手堅く押さえておきたいのはやまやまです。しかし、寒冷地ならともかくとして、沖縄へ向かう道中で、生酒を五日にわたり持ち運ぶのは憚られます。後ろ髪を引かれつつも見送り、二合弱の飲み切りボトルを二本選択。一本を船上での晩酌で開け、もう一本を持ち帰ろうという寸法です。

★酒商山田 エディオン蔦屋家電店
広島市南区松原町3-1-1
082-207-3838
1000AM-2100PM
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海を渡って沖縄へ 2019 - 源蔵本店

2019-11-21 11:08:34 | 居酒屋
広島駅から歩いていくと、まず「源蔵本店」があり、その先に広島市民球場があります。先に一杯やった方が、流れとしては自然ともいえたのです。あえてお預けにしたのは、心置きなく呑みたかったという事情によるところが少なからずあります。後々球場にも寄るということになると、それなりの時間を残しておかざるを得ません。もちろん往復に必要な時間を含めてです。その結果、時間を気にしながら呑むことになっては落ち着きません。球場へ先回りしてから一杯やれば、時間を機にする必要もなく、店を出次第すぐにでも駅に戻ることができます。後回しにするということは、時間が足りなくなる危険性と隣り合わせということでもありますが、幸いそうなることもなく、11時過ぎという頃合いの時間に飛び込みました。
老舗の大衆酒場には、何十年と保たれてきた伝統があるものです。一年近く無沙汰しても、変わったところは何一つなかろうと思っていました。ところが、今回に関する限り、意外にそうでもありません。まず気付いたのは、接客のお姉さんが短髪に変わっていたことです。さらには、両側の壁に並んでいた品書きの短冊がなくなるという変化も。冷蔵庫に呑み切りの酒瓶が並んでいるのも、少なくとも自分の記憶の中にはない光景です。一杯目こそ上撰を反射的に選んだものの、純米酒が二合弱で千円なら単価もほとんど変わりません。徳利が空いたところで二本目には呑み切りの瓶を注文。酒の単調さが当店唯一の難点といえば難点でしたが、それが改善されたのはこちらにとって朗報です。

昼酒が好きではないと、金沢を訪ねたときにも申しました。それにもかかわらず、広島では毎回欠かさずこの店に寄っています。「京都へ行くことは赤垣屋へ行くことである」とは教祖の言葉ですが、自分にとって広島へ行くことはこの店へ行くことといっても過言ではありません。
この店に限って迷うことなく飛び込むのは、居酒屋というよりも昼から呑める大衆食堂然とした雰囲気が、明るいうちからやるにはむしろお誂え向きだからでもあります。そのように思わせるのは、慣れた手つきで酒を酌む常連らしき一人客、熟練した二人組によるほどよい間合いの客あしらいと、瀬戸内らしい品書きが、ことごとく一人酒には好適だからに他なりません。短時間になるのを承知で寄ったのは、この店で一杯やりたかったからでもあるのです。今回も店はその期待に応えてくれました。

源蔵本店
広島市南区猿猴橋町5-18
082-263-3855
平日 930AM-2100PM(LO)
日祝日 930AM-1630PM(LO)
月曜定休

醉心・亀齢
さより
魚の皮
穴子付け焼き
鯛ちり
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海を渡って沖縄へ 2019 - 広島市民球場

2019-11-21 10:52:25 | 野球
広島に着きました。すぐさま一献傾けたいのはやまやまながら、その前に寄っておきたい場所があります。いの一番に訪ねたのは広島市民球場です。
本拠地たる当球場で開催される優勝報告会の前日に訪ね、地元の熱狂ぶりに圧倒されたのは、四半世紀ぶりのリーグ制覇を果たした三年前のことです。しかし、その後も下馬評通りに二連覇三連覇を重ねると、あのとき感じた熱狂ぶりが、年々覚めていくかのように感じられました。中軸打者の流出も響いて四連覇を逃した今季の結果が、どのように受け止められているのかを見ておきたかった次第です。

こうして現地へ乗り込むと、踏切の脇にあった優勝を祝う看板は、駅と球場までの距離を示した、どうということはないものに架け替えられていました。ただしそれは一応想定の範囲内です。むしろ興味があったのは、屋内練習場の壁面に描かれた年表が、その後どうなったかということです。
最初に気付いたのは連覇を果たした一昨年でした。その時点では、球団の創設から前年の制覇までが、一筆書きの線画によって幅一杯に描かれていました。ところが、去年再訪したところ、横幅を詰める形で描き直され、前年に達成した二連覇が付け足されていました。ならば今年は三連覇までが描かれるのかと思いきや、結果は意表を突くものでした。昭和50年の初制覇から去年の三連覇に至るまでの映像が、あたかもポジフィルムのスリーブのごとく、左から右へと並んでいたのです。
九度のリーグ制覇と三度のシリーズ制覇のそれぞれにつき一駒ずつ、決定的な瞬間を収めた選りすぐりの映像です。優勝の瞬間だけ切り取っている点以外にも、異なる点が一つあります。横幅を使い切らず、あと二駒分ほどが、いわば未露光のように黒一色で描かれていることです。今季こそ辛酸を舐めたものの、いずれは捲土重来を果たし、残りの駒をリーグ制覇とシリーズ制覇で埋めるつもりということでしょうか。
球場へ続く歩道橋の入口には、ビニールシートと寝袋を広げた人々の姿があります。明後日に催されるファン感謝デーの一番乗りを目指しているのでしょう。社会現象にまでなった一時の狂騒こそ去ったものの、球団に対する人々の愛着は、いささかも失われてはいませんでした。それを見届けられただけでも、今回訪ねた甲斐はあったというものです。
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海を渡って沖縄へ 2019 - のぞみ153号

2019-11-21 06:33:01 | 関東
去年とほぼ同じ行程を踏襲すると申しました。その予告通りに同じ列車で旅立ちます。始発の20分後に出る広島行の臨時列車です。ただし、何もかも同じというのも面白くありません。「みずほ」に乗り継ぎ博多へ下った前回から趣向を変え、終点で一旦下りることにしました。
去年の反省点の一つとして、広島に泊まる機会を一度も作れなかったことが挙げられます。残念ながら、今年もそうなる可能性が残っています。宿泊できなかったとしても、九州へ行くついでに短時間だけ立ち寄ることはできるものの、それではいかにも物足りません。せめてもの埋め合わせに、今回先取りしておこうと思い立ったのでした。
去年の行程と比較した場合、博多での乗り継ぎの間合いを省き、鹿児島まで「みずほ」で直行することにより、浮いた時間を広島での滞在時間に回す形となります。それでも二時間強しか捻出できず、「源蔵本店」で一杯やるのがせいぜいです。しかし、去年はその機会すら一度しか作ることができませんでした。一度と二度では大違いです。途中下車することにより、料金を一回余計に払うことにはなるものの、背に腹は代えられないと判断した次第です。

★東京620/のぞみ153(6153A)/1014広島
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