日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の能登を行く 続編 - はくたか578号

2019-11-10 21:00:30 | 北陸
新高岡から最終の「はくたか」で帰ります。連休最終日だった先週より混んでおり面食らうも、直に空くだろうと予想はできました。案の定、富山で相当数の下車があり、前後の空いた三列席の窓側に収まるという結果です。
高岡に車を置いて帰るのは何度目か、もう定かでなくなりつつあります。無料で使える屋内駐車場の恩恵は絶大です。しかし、手放しで喜べない面もあります。北陸新幹線の副産物の一つだからです。
新幹線の開業後、北信越の在来線は県境でことごとく分断されました。かつての北陸本線も、短編成にすし詰めの普通列車が走るだけの、無残な姿に貶められて現在に至ります。その一方で、新たに開業した新幹線の駅前には広大な駐車場が整備されました。中でも新高岡の駐車場があまりに便利で、市外からも利用者が殺到したことから、そちらを有料化する代わりに、高岡駅の駐車場を無料化したという経緯があります。つまり、北陸新幹線なかりせば、無料の屋内駐車場に車を置いて、週末毎に行き来するなどという芸当はできなかったのです。
新幹線の開業前は、上越新幹線と「北越」を長岡で乗り継ぎ、待ち時間を除いても四時間以上かかりました。今になって思えば不便だったともいえます。しかし、煩わしい、遠いと思ったことは一度もなく、むしろ日本海縦貫線の旅を心から楽しんでいました。もう二度と経験できないあの旅は、かけがえのないひとときだったと今も思います。
とはいえ、嘆いたところで今更元には戻りません。できるのは、多大な犠牲の下に開業した新幹線を最大限に活用することだけです。かような観点からすると、自分も新幹線の恩恵に少なからず与っている者の一人ではあります。この大盤振る舞いがいつまで続くかは未知数ながら、使えるうちは積極的に活用していくつもりです。

★新高岡2031/はくたか578(578E)/2324東京
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 冬の趣

2019-11-10 20:20:00 | 北陸
八時を回ったところで「たかまさ」を辞去。駐車場に戻り、まとめておいた荷物を担いで、最終の新幹線に接続する城端線の列車に乗り込みました。同じことを三週繰り返してきた中で、今回一つだけ変わったことがあります。車内で暖房が焚かれていることです。日中こそ小春日和だったものの、日が傾いてからは俄に冷え、銭湯でも長めに浸かってから上がりました。立冬を過ぎるや否や、早くも冬の趣漂う北陸です。

★高岡2019/359D/2022新高岡
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 居酒屋たかまさ

2019-11-10 18:50:13 | 居酒屋
先週は時間が押して、カレーをいただくのが精一杯でした。しかし、今回は帰り際に一杯やるだけの時間が残りました。高岡駅に車を置いて荷物をまとめ、切符の手配を済ませてから「たかまさ」の暖簾をくぐります。
中一週で同じ店というのも芸のない話です。高岡といえば教祖の推す「盛盛」もあります。酒の品揃えの豊富さはもちろんのこと、全席禁煙の店内を含め、酒を味わうことにかけてはあの店が明らかに上です。それでも馬鹿の一つ覚えに走ったのは、店の善し悪しというより好みによります。大衆的な雰囲気も、ホワイトボードの見やすい品書きも、こちらの好むところです。それに加え、帰り際に何度も世話になったことで、時間を過不足なく使い切るための要領がつかめてきました。一時間ではやや足りない、さりとて一時間半あっても持て余すというのがおおよその目安です。店を出て駐車場に戻り、荷物を引き取り列車に乗るまでの時間を含めると、七時前に入って八時に出ればよいという見通しが立ちます。そのように算段をつけた上で、時間の要りそうなものを序盤に注文しておき、足りなければすぐに出るおでんで調整することにより、列車の時刻を気にすることなく呑めるという寸法です。
もちろん、全く同じことの繰り返しでは面白くありません。短い間隔での再訪という条件を活かし、趣向を変えられればと思っていました。しかしその必要はありませんでした。わざわざ工夫するまでもなく、品書きが一段と冬らしくなっていたのです。前回なかった氷見ブリの文字が誇らしげに掲げられ、さらにはブリカマ、香箱ガニと鱈の真子煮が品書きに上って、カマス、里芋、舞茸、松茸、銀杏といった秋の風物詩と拮抗しています。まず注文した刺身の盛り合わせには、その鰤が右下の高い位置に置かれ、これが主役と一目で主役と分かる仕掛けです。この品書きが、今後いよいよ華やかさを増していくことになります。復帰後の活動も楽しみです。

居酒屋たかまさ
高岡市末広町42
0766-24-5745
1500PM-2400PM(日祝日 -2200PM)
第一日曜及び年末年始休業

勝駒
獅子の里
突き出し(蕪そぼろあんかけ)
造り盛合せ
ブリカマ
みそ汁
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 四度目の延長

2019-11-10 18:31:29 | 北陸
北海道編に始まり富山編、能登編の順に延長を繰り返してきましたが、今回はさしずめ氷見編ということになるでしょうか。高岡から往復50km弱の走行にとどまり、通算2972km走ったところで四度目の延長に突入です。
実は、このまま自走で帰れないこともありません。北陸から帰るとき、最後に立ち寄る越中宮崎のキャンプ場を出るのがおおむね10時過ぎだからです。それ以前の問題として、日が陰った時点で見切りをつけていれば、もっと早く帰路につくことも可能でした。しかし、そうしようとは全く思いませんでした。その理由として、屋内駐車場が無料で使えるという条件に加え、週末パスを活用すれば、実質四千円ほど安く帰れる点を挙げることができます。ただし、単なる損得が決め手というわけでもありません。暦の上では冬に代わり、香箱蟹も解禁になって、北陸の食材がいよいよ華々しくなっていく時期です。今から延々走って帰るよりも、もう一週滞在して締めくくりたくなったというのが真相です。峠で雪さえ降らなければどうにかなるでしょう。次なる旅も楽しみです。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 洗車

2019-11-10 18:07:41 | 北陸
自身がさっぱりしたところで、車もさっぱりさせておきます。洗車をしてから高岡へ向かうことにしました。
北海道に上陸してからというもの、日本海、オホーツク海、太平洋の順に海沿いを走り、新潟へ戻ってからも日本海に沿って西進し、先週末は能登半島を一周しました。当然かなりの潮風を浴びます。慌しさにかまけて先延ばしにしてきたものの、 これ以上放置するのがさすがに憚られたとでも申しましょうか。幸い最小限の余裕ができたため、この機会に洗車をしておこうと思い立った次第です。旅先で洗車するのは三年前の北海道以来となります。ドライブスルー洗車のおかげで、ものの10分ほどで済んだのは助かりました。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 伏木温泉

2019-11-10 17:43:54 | 温泉
手近なところで夕景を眺めるなら新湊大橋です。しかし、今日の空は一様に薄雲で覆われ、夕景には多くを期待できません。そうと知りつつ走っていくのも面倒です。直近の二週続けて眺めたため潔く切り、代わりに一風呂浴びていくことにしました。立ち寄るのは伏木温泉です。
昨春伏木を訪ねたとき、ふと見かけて気になっていた銭湯でもあります。新湊とも氷見とも一味違う市街の一角に鎮座する、コンクリート平屋建ての無骨な建物が工業港のお膝元ならではです。伊達に温泉を名乗っているわけではなく、脱衣所には鉱泉の分析表があって、浴槽と床は析出物で黒ずんでいます。いつ行っても先客がいて、ほどほどに賑わっているのは能登編で訪ね歩いた銭湯と同様。人々の暮らしへの密着ぶりは好ましいものがあります。先ほど言及した、氷見の大衆食堂を紹介していたblogの筆者が、食堂と並んで熱心に訪ね歩いているのが銭湯です。その理由が次第に分かりかけてきました。

★伏木温泉
高岡市伏木湊町2-23
0766-44-0790
1500PM-2100PM
5日・15日・25日定休
入浴料440円
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 六日の菖蒲

2019-11-10 16:30:39 | 北陸
おにぎりで手早く済ませることにしたのは、夜の部への影響を考えてのことですが、それに加えて時間が切迫していたという事情もあります。上空の薄雲がますます厚くなる一方、立山を隠していた雲がいつの間にやら晴れていたのです。ならば直ちに雨晴へ戻るしかありません。剱岳と立山を背景に四時前の列車を撮り、さらに一時間後の列車を待っているところです。
上空は曇り空同然となってしまい、今更立山連峰が現れても六日の菖蒲です。とはいえ、感度を上げれば撮れてしまうのがデジタル写真の威力でもあります。薄暗くなっていく中、前照灯を焚いた列車が迫ってくれば、意外と絵になってくれるかもしれません。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 一石二鳥

2019-11-10 15:21:20 | B級グルメ
氷見の街に寄ったのは、遅い朝食兼昼食をいただくという目的もあってのことでした。しかしこれが難航しました。沿道で目に留まった看板を頼りに漁港の食堂を訪ねるも、二時過ぎにもかかわらず待ち客が出ておりあえなく退散。次いで目指したのは、地元在住の愛好家によるblogで紹介されていた大衆食堂です。しかし、情報では夜まで通し営業のはずが、目の前でシャッターが下ろされるという何とも切ない結果に。代わりになりうる店も一切見当たらず、空腹を抱えたまま歩くうちに三時が過ぎてしまいました。今更何かをいただいても夜の部に響く、さりとて空腹感はもう限界という状況の中、コンビニの軽食で小腹を満たす妥協策を採るという顛末です。しかし直後に大逆転が待っていました。とろろ昆布のおにぎりと鱒の寿司があったのです。富山らしくて小腹も満ちて一石二鳥。まさしく渡りに船でした。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 氷見の街並み

2019-11-10 15:01:21 | 北陸
毒を食らわば皿までも、さらに一週延長する覚悟を固め、氷見へ車を走らせてきました。ありがたいことに無料の駐車場が街中にあったため、車を置いてひとしきり歩いてきたところです。
元々氷見へ行くこと自体を目的にしていたわけではありません。好天を生かすべく、能登半島を行ける場所まで北上してみようという考えでした。しかし、氷見へ向かった頃から薄雲が出始め、やがて日が陰りがちになったため、どこまでも走ろうという気分でもなくなりました。その結果、氷見の街並みでも見ていこうと方向転換した次第です。
こうして訪ねた氷見の街、路地裏は新湊、滑川、生地などと同様の、黒い瓦屋根の民家が連なる富山湾の漁港の町らしい景観です。運河があるところも新湊、滑川と共通します。しかし、駅から北へと延びていく商店街の雰囲気が独特です。今回は手近なところを歩くのがせいぜいではありますが、いずれは腰を据えて滞在するのも一興でしょう。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 小春日和

2019-11-10 12:06:08 | 北陸
再開後に晴れてくれれば是非とも再訪したいと思っていた場所があります。性懲りもなく雨晴のお立ち台にやってきました。十時半の上り列車から始め、今し方午前中最後の列車を撮ったところです。
先週末、このお立ち台から氷見線の列車を撮りました。食わず嫌いをしていたことがもったいなく思われるほど、多彩な作画のできる名撮影地でしたが、薄日が射す程度の天候にとどまり、海の青さが今一つだったのは惜しまれました。その点今日は最高です。富山湾と並ぶ主役である立山連峰は、今なお分厚い雲に覆われてはいるものの、それを抜きにしても十分に楽しめます。小春日和と形容したい穏やかな陽気も申し分ありません。これほどの好条件が揃うことは滅多にないでしょう。とりあえず一時前の列車まで粘るつもりです。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 六度目の給油

2019-11-10 10:08:58 | 北陸
能登から高岡へ戻ったとき、先々週直江津で補給した燃料をあらかた使い切っていました。案の定、少し走ると警告灯がつきました。富山へ向かう途中に宇佐美の給油所はあるものの、そこまでまっすぐ行くわけではありません。今回は手近なところで済ませます。北海道編から通算して六度目の給油です。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 雨上がり

2019-11-10 09:36:29 | 北陸
高岡駅で車を引き取り活動を再開します。関東では昨日に続き早朝から雲一つない快晴でしたが、軽井沢で俄に雲が立ち込め、日本海側へ出ても冬場のような鉛色の空がしばらく続きました。雲行きが変わってきたのは富山平野に出てからです。上空が曇っている一方で、新湊の方では晴れているのが分かりました。西の方から天候が回復してきたということです。バスで移動するうちに上空も晴れ、現在地では雲一つない快晴となっています。
昼まで晴れて夕方から雨が降り、翌日は終日晴れるというのが今週末の北陸の予報でした。何の関係もない仙台への日帰りを挟んだのは、一旦帰らなければならないという特殊な事情もさることながら、この予報を睨んでのことでもあります。昨日のうちに距離を稼いでしまうより、北陸にもう一日車をとどめておき、あわよくば立山連峰をもう一度眺めて締めくくろうと考えたわけです。
その立山連峰は依然として雲に覆われており、狙い通りの結果になるかどうかは未知数です。とはいえ雨上がりの快晴にはなりました。来週末の天候に多くを期待できないことを考えると、これを花道にして幕を引くのは一案でしょう。ただし、二日続けて早朝からの始動ということになると、疲れはどうしても残ります。一日活動するには十分としても、さらに数百km走って帰れるかどうかは心許ありません。「週末パス」が手許にある状況ならば、片道の交通費を大きく節減することができます。体力的に厳しいと感じたときは、もう一度だけ車を置いて帰るという拡大策も検討するつもりです。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - 路線バス

2019-11-10 09:11:18 | 北陸
高岡駅の駐車場を無料で利用するためには、新高岡の改札内の認証機に駐車券を通す必要があります。ただし、乗車時と降車時のどちらでもよいという条件です。乗車の際に認証を受けたため、富山からは高岡駅へ直行します。ただし列車で行くわけではありません。並行する富山地鉄の路線バスに乗り継ぎました。
運賃は列車の倍以上かかるものの、すし詰めの普通列車を避けられ、バスの旅を小一時間楽しめると思えば一石二鳥です。地方の交通機関に対するささやかな貢献にもなります。よほど先を急ぐのでない限り、バスで行こうと決めていた次第です。
コメント

晩秋の能登を行く 続編 - かがやき501号

2019-11-10 06:31:13 | 関東
おはようございます。前夜まともに休めないまま早朝に出て深夜に帰宅し、今朝も早起きできる自信は全くありませんでした。しかし、意外にも目覚ましが鳴るより早く起きました。予定より早く帰れたのに加え、車内で休息できたのが大きかったようです。何しろ、福島の通過を最後にしばらくの間記憶がなく、次に気がついたときには小山の手前でした。帰宅後も一風呂浴びる余力さえなく倒れ込みました。すぐさま休んだのが結果としては吉と出たことになります。いつ起きられるかが何ともいえなかったことから、今朝の列車の手配も控えていましたが、早起きできたことにより、「かがやき」の始発列車で富山へ向かうという顛末です。

★東京616/かがやき501(3501E)/826富山
コメント