日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

新春の四国を行く 2019 - 鶴丸

2019-01-04 23:36:43 | B級グルメ
「おふくろ」に行き損なったということは、味噌汁とご飯の分だけ余力が出たということでもあります。ならばうどんで締めくくるのが必然というものでしょう。繁華街にいくつかある深夜も入れる店の中から、飛び込んだのは「鶴丸」です。
地元では広く知られた店らしく、前を歩いていた二人組のお姉さんも吸い込まれていきました。それに続いて暖簾をくぐると、店内は果たして地元の酔客らで賑わっています。一階にカウンターとテーブルが四つほどあり、それに加えて二階席もあるようです。
引きも切らない注文を捌くための連携が見事です。玄関側の持ち場では、店主らしき人物がうどんを打ち、その隣には大きな釜が鎮座して、青年が次々うどんを茹で上げます。さらに隣をお姉さんが担当し、鍋をいくつもコンロにかけ、出汁とカレーを温めて、青年から回ってきたうどんにかけ、薬味を乗せて一丁上がり。もう一人の青年とお姉さんが、手伝いと接客を適宜分担するという布陣です。煮込まれてもなお強いコシを保ったうどんは、まさに讃岐の真骨頂。常套句を繰り返すなら、味、雰囲気で二度楽しめる名店でした。

鶴丸
高松市古馬場町9-34
087-821-3780
2000AM-300AM
日祝日定休
卵とじ600円
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新春の四国を行く 2019 - 酒甫手

2019-01-04 21:13:28 | 居酒屋
自力で開拓した店には、教祖の推奨店に対する以上の愛着が湧きやすいものです。四国でそれに相当する店の一つに「おふくろ」があります。今回いの一番に目指したのもここでした。しかし、何やら様子が違います。行灯の明かりが見えてこないのです。不穏な空気を感じながらもさらに歩くと、明日から営業との張り紙がorz
日曜定休の店が明日から開くということは、一日だけ営業して翌日再び休むということです。それはさすがになかろうと思い込み、営業日の確認を怠ったのが災いしました。とはいえ捨てる神あれば拾う神ありともいいます。「美人亭」が早仕舞いというさらなる誤算に見舞われながらも、流れ着いたもう一つの推奨店が秀逸でした。訪ねたのは「酒甫手」です。

電車通りを境に趣が大きく変わる天文館と同様、高松の繁華街の様相は国道11号線を境に一変します。大雑把にいえば、「おふくろ」「美人亭」を始めとして古い呑み屋が点在する南側、スナックが密集する猥雑な雰囲気の北側という違いです。しかし、その猥雑な北側を西の方へ歩いていくと、新しい店が集まる静かな一角があり、その外れの路地に佇むのがこの店です。古くから推されてきた「美人亭」と違い、「ふらり旅 いい酒いい肴」により知った店で、「居酒屋味酒覧」への掲載も最新版からでした。ただし、取材のため新たに選んだ店ではなく、それ以前にも何度か訪ねたことを窺わせる話しぶりだったと記憶しています。そうなると自ずと期待も高まるというものですが、その期待に違わぬ名店です。
大胆に例えるなら、高松の「せくら」とでもいえばよいでしょうか。働き盛りの店主と女将が仕切るところに加え、繁華街の外れに近い路地に佇む現代的な店構えもどことなく似ています。それに加えて品書きも。郷土色はそれほど感じず、品数も決して多くはないものの、さりとて不足も感じさせない、店主の創意工夫が窺われる献立は、眺めるだけでも楽しいものがあります。
とりわけ感心したのは酒です。「せくら」の場合、酒は小富士か雪雀と決まっており、あくまで肴の引き立て役という位置付けにとどまります。それに対してこちらでは、写真帳の品書きに各地の酒が並びます。一頁につき短冊を七枚貼ったものが五頁もあり、値段も600円から900円まで百円刻みと分かりやすく良心的。ただ数を揃えるだけでなく、四国の酒とその他の酒の配分が絶妙です。熟成の濁り酒に燗をつけたり、和らぎ水の代わりに白湯を添えるところなどにも一家言が感じられます。禁煙なのも酒を楽しむための配慮でしょう。地酒空白地帯の讃岐にあっては貴重な店です。頼みの綱に振られながらも立て直し、勝るとも劣らない名酒場に出会ったという経験は、昨秋の長崎以来となりました。

酒甫手
高松市鍛冶屋町6-4 福崎ビル
087-851-1511
平日 1800PM-2300PM
土曜 1500PM-2100PM
日曜定休

久礼・山笑・山陰東郷
突き出し(ツナ大根)
地だこ刺身
鴨鍋
粕汁
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新春の四国を行く 2019 - 拡大策

2019-01-04 20:42:01 | 四国
銭湯から宿まで移動し本日の走行は終了です。出発からの走行距離は900kmを超え、通算21万kmまでは300kmを切りました。この後の行程を考えると、四国内で到達する可能性もありそうです。
年により多少の違いはあるものの、まず徳島に上陸して松山へ下り、高松からジャンボフェリーで帰るという行程を最も多く踏襲してきました。しかし今年は高松と松山の順番を入れ替えました。これは、高速道路の割引が事実上使えない本日の条件を考えると、一般道で無理なく走れる高松がよかったという事情によるところが一つです。ただし、本当の理由は違うところにあります。
賢明な読者の方は、明日松山に泊まった場合、そのままでは帰れなくなることに気付かれたのではないでしょうか。もちろん、早朝に出て高速道路をひたすら走り、近畿圏の渋滞をかいくぐってなおも走ればどうにかなります。しかし、そのような味気ないことをするつもりは全くありません。ならばどうするのかといえば、車を置いて一旦帰るというのが答えです。
行きについてはよいものの、西日本から延々帰る最終日の長距離移動を、もう少し楽しめないだろうかという考えが以前からありました。特に今年は、去年より二日短い五日間の日程です。徳島まで二日かけ、復路も一日かけるということになると、四国には実質二日しか滞在できません。そこで思いついたのが、車を置いての一時帰京でした。
出発前の段階で考えていたのは、今日は松山、明日は高松に一泊し、翌日のフェリーで神戸に戻り、そこに車を置いて帰るというものでした。再開後の三連休を使い、北陸を通って帰ろうという寸法です。しかし、松山と高松を入れ替えたことにより、再開後の行程にも影響が及んできます。それにより次週以降の選択肢が広がりそうだと気付いたのが、高松を先に回した理由でもあるのです。
現時点で考えられるのはここまでです。松山からどこへ向かっていくのかは、自分自身にもよく分かりません。しかし、さらなる拡大策により、俄然楽しくなってきました。
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新春の四国を行く 2019 - 梅の湯

2019-01-04 19:49:16 | 温泉
去年より二日短い日程を踏まえ、高知は切ったと申しました。そうなると、残るは高松と松山の二者択一です。鳴門へ向かったことからもお分かりの通り、今回は高松を先にします。投宿に先立ち一風呂浴びていくのは昨日と同様です。今日も手近なところを探し、栗林公園前の「梅の湯」に飛び込みました。
まず思ったのは「大きい」ということです。住居を兼ねたらしき箱形の二階建ては、周囲の二階建てと比べても一回り大柄に感じられます。外観に違わず脱衣所も浴場も広々しており、浴場の壁際にはかなり大きい浴槽がL字型に埋め込まれ、突き当たりの壁には水槽があって、立派な鯉が泳いでいました。何かにつけて豪快な造りです。

★梅の湯
高松市花ノ宮町3-2-7
087-866-3690
1500PM-2300PM
7・17・27日定休
入浴料400円
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新春の四国を行く 2019 - 鳴門スカイライン

2019-01-04 17:12:51 | 四国
眉山から下りた頃には雲が出始め日が陰り、鳴門にようやく着いた頃には早くも日が暮れかかっていました。しかし昨日と同様に、夕景だけは絵になるだろうと思っていました。眺めるならここだと思う場所の心当たりもありました。やってきたのは鳴門スカイラインです。
鳴門市街から北上し、大鳴門橋の袂を周回してさらに走ると、海峡を一跨ぎする高い橋が現れます。その橋の上から見渡せるのが、三つの小島と四国が囲むウチノ海と呼ばれる内海です。暮れに訪ねた天門橋からの眺めに、どことなく似た景観でもあります。日があるうちは逆光で眩しいだけの眺めが、日が沈む頃から俄然絵になってくるところについても同様です。
着いた時点で夕日は雲に紛れて消え、鏡のように凪いだ水面が茜色の空を映していました。筏がいくつも浮かぶ中、手前の方に一艘浮かんだ小舟が絶妙です。ただし、程なくしてその夕焼けも褪せたため、間一髪で駆け込めたのは幸運だったことになります。
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新春の四国を行く 2019 - 鳴門郵便局

2019-01-04 16:14:06 | 四国
眉山に長居しすぎたことによる代償が出てしまいました。「巽屋」に品切れで振られたのですorz
巷の情報では20時15分までの通し営業とされています。それが三時で早々切れたとも考えられません。日によっては、一旦品が切れたところで中休みに入り、再度仕込みをすることもあるのでしょうか。真相のほどはともかく、目の前の事実が全てです。沿道に代わりの店が現れれば飛び込むつもりで走ったものの、これはという店を見つけられないまま鳴門市街に至りました。ここで年賀状の第三陣を投函し、ついでに風景印もいただきます。大鳴門橋、渦潮、鯛をあしらった、一目見て鳴門と分かる絵柄です。
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新春の四国を行く 2019 - いのたに

2019-01-04 14:46:59 | B級グルメ
朝飯前に眉山へ登り、開店に合わせて入るつもりのはずが、滞在が大幅に延び、朝どころか昼時までも逃しました。ようやく下山しお待ちかねの中華そばをいただきます。
県外でも広く知られた、徳島の中華そばの代名詞が「いのたに」です。これは、万人受けするてらいのない味ということでもあり、個性では巽屋、道麺などに一歩譲るものがあります。この店の真骨頂と思うのは、味よりむしろ雰囲気です。角を斜めに切り取った正方形のカウンターが二つ並び、突き当たりに清潔で機能的な厨房があって、熟練した店員らがきびきびと動く様子は眺めていて気持ちよいものがあります。全国区の有名店にもかかわらず、観光客より地元客が多いのも当店の特徴です。ご常連とおばちゃんが新年の挨拶を交わしています。正月らしい一幕でした。

いのたに
徳島市西大工町4-25
088-653-1482
1030AM-1730PM
月曜定休
中肉650円
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新春の四国を行く 2019 - 後糸売イ更

2019-01-04 13:52:22 | 四国
午前で終わるかと思いきや、さらなる延長となりました。オーシャン東九フェリーが去った後、今後は南海フェリーの後続便が入港してきたのです。
船体の塗り分けが午前の便とは違います。それとともに違うのが日差しです。真横から射し込んでいた日差しが次第に巡光となり、それに応じて海と空はさらに青く、彼方に浮かぶ紀伊半島の影も鮮明になってきました。牟岐線の列車もそこそこ頻発しているため、息をつく間もありません。
吹きさらしの山頂にもかかわらず四時間以上も過ごしたのは、気候のおかげでもあります。日差しは適度に暖かく、終始無風の穏やかな好天です。長居により、あとは鳴門へ行くのがせいぜいという情勢ではありますが、今日の眺めはそれに十分値すると言い切りましょう。
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新春の四国を行く2019 - オーシャン東九フェリー

2019-01-04 12:01:32 | 四国
南海フェリーの出航を見届け、これでようやく一区切りかと思いきや早計でした。今度はオーシャン東九フェリーが動き出したのです。南海フェリーよりも二回りほど大きい船が、右に舵を切りつつ後進し、岸壁に対して一旦垂直になってから、今度は左に舵を切りつつ前進。防波堤をかわして港外に出ると、今度は再び右に舵を切り、紀伊水道へ出て行くという顛末でした。起承転結のある名場面に重なり、午前を使い切るという予想外の結果ではありましたが、その価値は十分あったと言い切りましょう。
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新春の四国を行く2019 - 眉山

2019-01-04 10:45:58 | 四国
晴れたら再訪したい場所があると申しました。まずやってきたのは眉山です。前回訪ねたときも快晴でした。ただし、秋だったため遠景が若干霞んでいたと記憶しています。それだけに、冬晴れの日に是非とも再訪してみたいと思い立ったのでした。
常々思っているのは、市街からの眺めが函館山に似ているということです。標高がおおむね同じなのに加え、山頂に林立する電波塔を含めた、全体の佇まいがよく似ているのです。しかし、山頂からの眺めは全く違います。久々に見下ろして思うのは、むしろ小樽の天狗山に近いということです。そのように感じるのは、市街を斜めに見渡すような形になるからでもあります。展望台に正対すると、左上の大鳴門橋からやや右斜め下へ向かって直線状に海岸線が延びていき、市街の手前を今度はやや右斜め上へ向かって吉野川が流れます。ほぼ同じ方向に延びる、新町川との間に広がるのが市街の中心です。その結果、全体として斜めに見えるという寸法です。
天狗山との違いは、海岸からの距離が長く、その分平地の占める面積が広いことです。しかも、そのかなりの部分が埋め立て地で起伏がなく、小樽と違って建物も全体的に無味乾燥です。その結果、眺めとしては間延びしてしまい、目を見張るような絶景とまでは感じられません。
ただし、全体の眺めは一歩譲るものの、見応えのある光景に出会いました。南海フェリーの入港です。新町川を渡る牟岐線の列車を、俯瞰で撮れることに気付き、縦位置に構えて通過を待ったところ、沖合からフェリーが接近してきました。こうして撮影できたのが、左下に列車、右上にフェリー、紀伊水道の向こうに紀伊半島の影が浮かぶという会心の一枚です。しかし見せ場はまだ終わりません。左上から右下へ、海岸線をなぞるように航行してきたフェリーが右に旋回し始め、新町川の河口にある港へ向かって針路を取りました。そればかりか、適度に蛇行した新町川の流れと、河口に架かった斜張橋が絶妙な点景になるというおまけつきです。再訪した甲斐はあったと思わせる眺めでした。
着いた便が11時に折り返すことになっています。毒を食らわば皿までも、出航の一部始終も見届けることになりそうです。
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新春の四国を行く2019 - ハイパーインメイアップ徳島

2019-01-04 07:55:02 | 四国
正月の活動が定着したのは、宿泊事情によるところが大です。列車と高速道路の混雑が報道される一方で、宿はどこへ行っても空いていることに気付いてきました。その結果、日頃なら手が出ない価格帯の宿に、格安で泊まれる場合も出てきます。前夜泊まったホテルフジタがそうでした。ただし、あくまで宿代には金をかけないのが自分の方針です。以降はもっぱら安さと利便性が宿選びの基準となります。今回もハイパーインメイアップの世話になりました。
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新春の四国を行く2019 - 三日目

2019-01-04 07:28:42 | 四国
おはようございます。昨晩は日付をわずかに跨いだところで宿に戻りました。直ちに休み、外が明るくなってきたのに気付いて起き上がると、七時過ぎに朝日が射してくるという顛末です。
出発以来、雲が多めで日が陰りがちの天候が二日にわたって続きました。しかし、今朝は関東平野を彷彿させる雲一つない青空が広がっています。長距離移動をひとまず終え、現地での活動に注力できる状況で、待望の冬晴れとなったのは好都合です。晴れたら再訪したいと思っていた場所がいくつかあります。忙しい一日となりそうです。
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