日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

小春日和の九州へ 2018続編 - サンライズ出雲

2018-12-24 23:01:18 | 中国
今回の道中では出発以来徹頭徹尾暖かく、九州に上陸後は専ら半袖で乗り切り、上着代わりの雨合羽が無用の長物と化していました。しかし、本州へ戻ってみるとさすがに寒く、最後の最後で三日ぶりに雨合羽を羽織りました。岡山からは「サンライズ」で帰路につきます。
常々申している通り、車内での飲み食いは好みません。しかるに流れ上やむを得なかった今回、いただくとすれば「サンライズ」の個室かラウンジという選択肢がありました。その方が新幹線の座席より多少なりともましでしょう。しかし結局「こだま」の車内でいただきました。空腹だったのもさることながら、「サンライズ」ではその暇がなかろうと思ったからです。
九州新幹線に乗車中、月は目線よりやや高い程度の位置でした。それが次第に昇っていき、岡山に着く頃にはかなりの角度で仰ぎ見る位置になりました。上部へ向かってやや湾曲した500系の窓ならともかく、N700系では見えなかったかもしれません。さらに時間が経てば、500系ですら厳しくなってくるでしょう。その点、上部がさらに湾曲した二階の個室なら理想的です。街の明かりが増えてくる姫路の少し手前まで、月を仰ぎ見ながら過ごします。
今回は定時の発車となりました。このまま行けば、日付が変わる頃に明石海峡大橋をくぐり、主塔とケーブルの明かりが消える瞬間を見届けることができます。印象的な聖夜となってくれそうです。

★岡山2234/サンライズ出雲(5032M)/708東京
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小春日和の九州へ 2018続編 - のぞみ762号

2018-12-24 21:13:35 | 中国
広島で下車し、向かい側に停車中の500系に乗り継ぎました。下りるやいなや、半袖ではさすがに無理と思えるほどの肌寒さを感じました。キャンプができそうなほど暖かかった鹿児島から、上るにつれて寒くなります。出発地へ戻りつつあることを実感する一幕です。

★広島2106/こだま762(762A)/2217岡山
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小春日和の九州へ 2018続編 - のぞみ98号

2018-12-24 20:12:24 | 九州
終点の博多で800系を下り、向かいのホームのN700系に乗り継ぎました。名古屋行の最終列車で九州を後にします。次に戻ってこられるのは、早くとも三月の飛び石連休になりそうです。また来年…

★博多2001/のぞみ98(98A)/2102広島
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小春日和の九州へ 2018続編 - つばめ342号

2018-12-24 19:29:00 | 九州
その後松島から国道324号線を西へ走り、有明の道の駅で折り返しました。往生際悪く引きずったのがたたって、天門橋へ日没までに戻れない情勢に至り、日の入りをどこで見届けるかが悩ましくなってきました。夕日がいよいよ彼方の山の稜線に接しようとするとき、さしかかったのが天草五橋の一つでもある中の橋です。鏡のように凪いだ天草松島に映し出される夕焼けを、ほどよい高さから見下ろす眺めが広がっているのを見て、橋の袂に緊急停車。そのまま日が沈む瞬間を見届けました。その後天門橋から三角の瀬戸、長浜の海岸から雲仙をそれぞれ眺め、160kmあまりを走って帰着という顛末です。

狙い通りの夕景を眺められた代償として、今度は熊本までの移動が瀬戸際になってきました。八時の閉店には余裕で間に合うとして、問題なのは七時過ぎの「つばめ」に乗れるかどうかです。間に合えば、博多では4分の間合いで「のぞみ」に乗り継ぐことができ、広島では500系の「こだま」に同じく4分の間合いで乗り継ぐことができます。これに対して、逃した場合は後続の「さくら」で追いかけ、一旦抜いた500系を福山で待つ形になります。その結果、800系と500系に合わせて二時間乗れるはずが、30分足らずに短縮されるため、間に合うかどうかでかなりの差がつく状況だったのです。幸い思ったよりも順調に走り、発車まで五分少々を残して熊本駅に帰着。腹ごしらえする時間はさすがになかったものの、最小限の買い出しをする時間は残りました。そこで、「駅ナカ」のヒライで弁当を買い、急ぎ足で改札を抜けホームに上がると、ほぼ同時に発車メロディが流れるという経過です。
赤信号にあと一回でも引っかかれば、800系を切らない限り買い出しをする時間は残らなかったでしょう。そうなると、広島か岡山のコンビニに以外に補給手段がありません。端から見ればコンビニだろうとヒライだろうと五十歩百歩とはいえ、旅の終わり、なおかつ聖夜の晩餐を飾るなら、画一的なコンビニの弁当よりも、熊本らしいものがよいに決まっています。全てが丸く収まってくれたのは幸いです。

筑後平野に出た直後、東の空に十六夜の月が昇ってきました。しばらくはこの月を追いかけながらの移動となり、飲み食いどころではありません。いただくとすればトンネルばかりの山陽新幹線に入ってからですが、無味乾燥なN700系の車内では興ざめです。少なくとも、広島で500系に乗り継ぐまではお預けとします。

★熊本1908/つばめ342(5342A)/1957博多
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小春日和の九州へ 2018続編 - 高舞登山

2018-12-24 16:42:03 | 九州
途中の島に寄りつつ天草五橋を渡りきり、上島までどうにか到達できました。ツーリングマップルRを頼りに訪ねたのは高舞登山です。
全方位を見渡せるとの情報ながらも、実際に開けているのは北東から南西にかけての半分程度です。しかし、天草松島と呼び習わされる、内海に大小の島が散らばる景観は絵になっています。天草五橋を一望できるだけでなく、中央の彼方には雲仙岳が鎮座しており、ここまで走ってきた甲斐はあったと思わせる眺めです。
地図上には夕日の名所との記載もあります。これならたしかに夕暮れ時の眺めも最高でしょう。しかし、熊本まで70km以上という距離を考えると、帰りの移動が厳しくなるため、少なくとも天門橋まで戻った方が無難です。日が暮れるまでに戻れるよう、走れるところまで走ってから引き返します。
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小春日和の九州へ 2018続編 - 天門橋

2018-12-24 15:05:05 | 九州
三時を回ってようやく本題に入りました。天草五橋を渡って上島へ行くのが当面の目標です。まずは大矢野島との間に架かる天門橋を渡ります。
国道に並行する自動車専用道も開通しており、急ぐならそちらを行くべきところでした。しかし、移動を目的化してしまってはいけません。停車もできない専用道より、沿道からの眺望も期待できる国道を選びました。眼下に広がるのは、南から北へ向かって逆S字を描いた三角の瀬戸です。凪いだ水面が強い西日を浴びて輝く中、中央に二つ並んだ岩が絶妙な点景となっており、夕暮れ時の眺めもさぞやと想像させられます。
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小春日和の九州へ 2018続編 - 三角駅

2018-12-24 14:40:58 | 九州
続いて訪ねるのは三角駅です。遠い昔に訪ねた駅舎が、近年改装されたと聞いていました。その噂通り、駅舎の前に立ち塞がっていた歩道橋のような展望台が撤去され、洋風駅舎の全貌があらわになっています。この駅舎が傑作です。
壁をクリーム色に塗り、半切妻の屋根を焦茶の瓦で葺いた、国鉄特急色を彷彿させる色使いが好ましく、同じく半切妻をしたファサードの上には、十字架を戴いた三角形の塔が突き出ています。正面には三角形を三つ並べたような庇が張り出し、庇の下には上部を半円にした縦長の窓、上には明かり取りの窓が並んで、ファサードの直下には三角駅の切り抜き文字が。木製のベンチが並ぶ待合室は、外観とは逆に壁が焦茶、天井がクリーム色に塗り分けられ、高い格子天井からは球形のランプが下がります。周到な設計の跡が窺われる力作でした。
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小春日和の九州へ 2018続編 - 三角西港

2018-12-24 14:19:43 | 九州
雲仙岳を横目にしつつなおも走ると、対岸までの距離が次第に縮んできました。真横に見えた雲仙岳が、後方に去ろうとするところで岬を回り込み、見えなくなった直後に現れたのが三角の町です。
三角というと、鉄道の終点かつ天草への玄関口であり、かつては島原へ行くフェリーも出ていた交通の要衝ですが、由緒正しき港町でもあったと今回知りました。明治初期に造営された西港と呼ばれる一帯は公園化され、岸壁に接する形で立派な土蔵、木造総二階の回船問屋、さらには和洋折衷の洋館も残ります。かつての栄華が偲ばれる眺めです。
思わぬ見所の出現により、時間が次第に押してきました。下島どころか、上島に上陸できれば御の字といったところでしょうか。とはいえ、天草に行くこと自体を目的にしているわけではありません。深入りせず、ほどよいところで折り返すよう心がけます。
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小春日和の九州へ 2018続編 - 雲仙岳

2018-12-24 12:48:08 | 九州
熊本市街を後に南下し、国道57号線に合流すると、一直線の道の彼方に雲仙岳が現れ、さらに走ると右手に島原湾が広がりました。海苔の養殖が盛んな土地柄、筏が浮かぶ湾の彼方に雲仙が鎮座します。
天草へ行くと決めたはよいものの、何分咄嗟の判断だったこともあり、見通しの甘さが露呈してしまいました。今更ながら気付いたのは、熊本から本渡まででも90kmあるという事実です。つまり、下島で日が暮れたとすると、帰りの移動は相当厳しいということになります。その点ここなら、西向きに雲仙岳を望むため、夕景を眺めるにも好都合です。明るいうちに折り返し、このあたりまで戻ってくるのを一応の目標としておきましょう。
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小春日和の九州へ 2018続編 - ヒライ

2018-12-24 12:01:10 | B級グルメ
出遅れを取り戻したいのはやまやまながら、どのみち腹ごしらえは必要です。沿道にヒライが現れたため飛び込みました。
全国的には普及しない、しかし各地に散在する業態の一つとして、コンビニ併設の弁当屋とでもいうべきものがあります。北から順に挙げていけば、函館のハセガワストア、石川のすしべん、高知のくいしんぼ如月といったところが代表格です。熊本ではヒライがそれに相当します。セーブオン、エブリワンを始めとして、地方を発祥とするコンビニが次々大手に飲み込まれていく中、今なお地域性を感じられるこの業態のありがたみが、なおさら大きくなってきました。久々に熊本を走る機会を得た今回、行くならここしかないと決めていた次第です。
持ち帰りを基本とするハセガワストア、くいしんぼ如月の両店に対し、こちらの業態はすしべんに近く、店内飲食も充実しているのが特徴です。惣菜もおでんもうまそうで目移りする中、久々の再訪ということもあり、てらいなくカツ丼とかけうどんを注文。客席では作業着姿のむくつけき男たちが黙々と丼物をかき込み、あるいはうどんをすすっています。労働者御用達の雰囲気もこちらの好むところです。

★ヒライ 天明奥古閑店
熊本市南区奥古閑町303-3
096-342-6618
600AM-2300PM
ザ・かつ丼500円
かけうどん220円
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小春日和の九州へ 2018続編 - 木目木奉

2018-12-24 11:39:57 | 九州
一時間少々かけて熊本城を回った後、電車に乗って駅へ移動。やや出遅れたものの、相棒となるホンダフィットを引き取って出発しました。空の青さは冬のそれでも、日差しは相変わらず暖かく、半袖で過ごせる小春日和です。
結局天草へ行くことにしました。一度走った天草よりも、ほぼ未踏の阿蘇へ行ってみたいとは思ったものの、そのためには熊本の市街地を抜けるという大仕事が必要になります。熊本の渋滞の凄まじさを考えると、帰りが特に不安材料です。天草も遠い昔に一度走っただけであり、当時の記憶は薄れています。どちらへ行こうと初見のようなものならば、渋滞に煩わされない方にしようと考えた次第です。
橋でつながる島とはいえ、天草ほどの広さがあれば、島ならではの文化が残っているかもしれません。離島に全く行けなかった今年、せめてもの埋め合わせができれば幸いに思います。
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小春日和の九州へ 2018続編 - 熊本城

2018-12-24 09:33:10 | 九州
車を手配した以上、早々に出たいのはやまやまながら、その前に熊本城を再訪します。立ち寄ったのは監物台樹木園です。
先月弘前城の植物園を訪ねましたが、あちらに比べてしまえばささやかです。そのように思うのは、楓も銀杏も全くない冬枯れの眺めだからでもあるのでしょう。この眺めだけなら入園料を払ってまで見る価値はないともいえます。
それにもかかわらず訪ねたのは、森林鉄道の機関車と貨車が保存されていると知ったからです。土佐造船鉄工所なる聞き慣れない製造元の機関車が、木製の台枠を持つ小さな貨車を従えて、園内の片隅に鎮座していました。やや痛んではいるものの、屋根付きの比較的よい条件なのは幸いです。
日差しは既に機関車の側面からやや後方に回っています。つまり、機関車がほぼ真北を向いているということです。順光になるとすれば夏場の早朝だけでしょう。しかるに九時の開園では、順光で撮れる時間はないということです。この先ますます逆光になっていくことを考えると、開園直後に訪ねたのは正解だったことになります。
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小春日和の九州へ 2018続編 - 熊本ワシントンホテルプラザ

2018-12-24 07:54:59 | 九州
奇しくも同系列の宿に連泊という結果になりました。昨晩世話になったのは熊本ワシントンホテルプラザです。
ワシントンホテルが二つに大別されると知ったのは比較的最近のことです。旭川の定宿であるワシントンホテルは藤田観光、今回世話になった鹿児島と熊本のワシントンホテルは別会社による運営で、後者は「ワシントンホテルプラザ」を名乗るという違いがあります。元々同じ会社による運営だったのが、藤田観光系の離脱により二系統に分かれたと小耳に挟んだことがあります。たとえるなら、国鉄が分割されてJRになったようなものとでも思えばよいのでしょうか。
そのような由来もあり、ワシントンホテル全般に共通する部分と、ワシントンホテルプラザとしての特徴を持った宿です。今回二日続けて泊まったことにより、後者の特徴が何となく分かったような気がします。部屋の間取りと広さまで全く同じというわけではないものの、建物全体の佇まい、フロントを始めとする共用部分の造り、客室の備品などがよく似通っているのです。
ただし、鹿児島との比較でいうと、あちらの方が上だったというのが率直なところではあります。最も大きな違いは眺望です。桜島と城山を一望できた鹿児島の宿に対し、割り当てられた客室は中庭のような区画に面しており、眺望も日当たりもありません。そのような事情もあり、窓には磨り硝子が入っています。朝食をいただくレストランも1階にあるとのことでした。眺望料も含まれると考えるならともかく、そうでなければ1200円の朝食に値段相応の価値まではありません。本日は朝食をいただかずに出発します。
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小春日和の九州へ 2018続編 - 五日目

2018-12-24 07:10:15 | 九州
おはようございます。その後熊本城の近くを歩いて宿に戻りました。天頂では今年最後の満月が煌々と光っていました。正月の活動で徳島へ向かう途中、大鳴門橋の上に昇る劇的な光景に出くわしてからというもの、三月には金沢の浅野川、翌月には立山連峰など、名勝と満月の印象的な取り合わせに何度も遭遇してきました。そして最後が熊本城です。旅から旅に明け暮れた一年を締めくくるにふさわしい月夜でした。
その一年のトリを飾る本活動も事実上の最終日です。本日は急遽レンタカーを手配しました。昼頃に熊本を出て、久留米から在来線を上っていき、下関の「三枡」で一杯やってから帰るというのが元々の予定でしたが、それは去年の焼き直しであり、好天を想定したものではありませんでした。終日晴の予報を受け、どう活かすか思案の末、着想したのがレンタカーでの活動です。
元々の予定では、熊本の滞在がおざなりにならざるを得ないところでした。聖夜に一献傾けるという選択を放棄することにはなるものの、「三枡」には先月行ったばかりであり、昨晩も「瓢六」で存分に飲み食いしたため、思い残すことはありません。今日は終日熊本での活動に注ぎ込みます。
今のところ天草へ行こうと考えています。取り急ぎ調べたところによると、面積では上島が隠岐の島後と石垣島の中間、下島が淡路島と屋久島の中間とあります。つまり、両方回るのは到底無理ということです。あまり遠くへ行きすぎると、帰りの移動で慌てる可能性が高くなるため、ほどほどのところで引き返します。夕景を眺めてから戻れるようにするのが一応の目標です。
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小春日和の九州へ 2018続編 - 赤のれん

2018-12-24 00:12:45 | B級グルメ
「瓢六」で心ゆくまで盃を傾け、酒についてはもう十分です。とはいえ、わざわざ宿をとりながら、毎年一軒限りというのももったいない話ではあります。別腹に入るものならまだ行けます。店構えにつられて飛び込んだのは「赤のれん」です。
アーケードに面した店は一見すると現代的です。しかし、朱塗りのカウンターが一本延びた店内の造りと、店長とお姉さんらによる熟練した仕事ぶりには、地元の酔客御用達らしき老舗の趣が漂います。短冊の中から奇をてらわず注文したラーメンは、横文字で表現するならクリーミーとでも申しましょうか。動物的な風味を感じる博多、久留米のスープとも、やや甘い鹿児島のスープとも一味違う、熊本の特徴がよく現れた一杯です。

赤のれん
熊本市中央区新市街8-1 坂田ビル1F
096-322-9662
1700PM-400AM
日曜定休
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