日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四国北陸縦断ツアー 続編 - あぐり

2019-01-27 22:00:56 | 居酒屋
現地に住めば、雪など煩わしいものでしかないのかもしれません。とはいえ余所者にしてみると、同じ光景でも雪が積もると断然絵になってくるものです。腹ごなしを兼ねて武家屋敷の一帯をひとしきり歩くと、時間的にもあと一軒限りとなってきました。その一軒に選んだのは「あぐり」です。
仮に三軒行けるなら、まず大関、あとは源左エ門とここにするつもりでした。それが二軒となったことにより、残るは源左エ門とこの店の二者択一となりました。決め手となったのは日曜という条件でした。行き交う人も車もまばらな日曜の夜、静かに一献傾けたいと思ったとき、やはりここしかないだろうと思ったのでした。
酒と肴を比べれば、源左エ門に分があります。しかし、せせらぎ通りの外れにぽつんと灯る町屋の明かりと、一枚板のカウンター、青年とお姉さんらによる若いながらも機転の効いた客あしらいには唯一無二の価値があります。今回改めて思ったのはカウンターの質感です。それほど分厚い板ではないものの、十分な奥行きと幅があり、木目が実に美しく、明るすぎず暗すぎない適度な色の塗装が木の風合いを引き立ててきます。分厚いだけが能ではないということを、このカウンターが無言のうちに物語っています。心行くまで盃を傾け、看板となったところで辞去しました。

町屋ダイニング あぐり
金沢市長町1-6-11
076-255-0770
1700PM-2300PM(LO)
月曜定休

ゆうほのしろ・u yoshidakura
突き出し三品
鯖のぬた和え
自家製すくい豆腐
鰤と岩のりの釜飯
味噌モッツァレラ
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 大関

2019-01-27 20:42:42 | 居酒屋
金沢に戻ってきて気付いたのは、富山と高岡よりも雪が多いということです。もちろん去年ほどではないものの、歩道と屋根に積もった雪が全く違います。しかし昨日は、逆方向へ移動したにもかかわらず、富山の雪が少ないとは思いませんでした。おそらく、昨晩から今朝にかけての積雪が違ったのでしょう。これだけ積もると絵になるものが多々あります。撮影を交えつつ、一時間ほどかけて繁華街まで歩きました。まずは「大関」の暖簾をくぐります。
思った以上に時間が押し、この店に寄れるかどうかが気になり始めていました。日曜に早仕舞いしているのを見たことがあるからです。いざ店先へ乗り込むと、幸い行灯にはまだ明かりがついていました。席に着くなり、女将からは九時までとの一言が。とはいえ、軽く一杯やるには不足のない時間でもあります。承知の上でおでんを二品、それにかぶら寿司を注文するという経過です。
しかし、それが誤解だったことを直後に悟ります。カウンターを半分以上埋めていた先客らは瞬く間に席を立ち、時報の前には自分ともう一組だけとなったからです。九時が正真正銘の看板ということは、入った時点で20分しかなかったことを意味します。そうと分かっていれば、おでんと酒一合で丁度よいところでした。しかるにかぶら寿司が加わったことにより、その分席を立つのは遅れます。本日最後の客となり、辞去したときには九時を10分少々回っていました。
かぶら寿司、あるいは二本目の酒を注文した時点で、九時までに終わらないのはあちらも分かっていたでしょう。そもそも、看板まであと20分なら、大抵の店が断るところであり、実際後から来たお客は皆断られていました。それでも入れてくれたばかりか、もう一合、もう一品の注文を引き受けてくれたのは、昨日の「親爺」に続く女将の計らいだったのかもしれません。今夜まずどこで何をいただくかと考えたとき、いの一番に浮かんだのがここのおでんとかぶら寿司でした。短い時間だったとはいえ、そのいずれをも味わえたのは幸いです。

大関
金沢市木倉町1-5 中泉ビル1F
076-221-9450
1630PM-2200PM(日祝日 -2100PM)
火曜定休

酒二合
つみれ
小芋
かぶら寿し
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 第二夜

2019-01-27 19:24:17 | 北陸
先週末とほぼ同じ経路を逆にたどって金沢に着きました。四国編から通算した走行距離は、あと少しで1800kmに達しようとしています。現在の気温は1度、日中でも5度に達することはなく、人並み外れた暑がりも、体の芯まで冷えきってしまいました。投宿して風呂に浸かり、ようやく生き返ったところです。
金曜を休めればよかったと、昨日何度も申しました。今日についてはよかったものの、もう一つの弊害が明日再び露呈してしまいそうです。今日が最終日なら、穏やかな天候下で帰ることができたにもかかわらず、明日は昼から終日雨との予報が出ているのです。有終の美という観点からいただけないのはもちろんのこと、その雨が白馬ではおそらく雪に変わるでしょう。そうなると運転にも難儀します。一日の違いでこれほど明暗が分かれ、なおかつそれが外的な要因の結果というのはやるせない限りです。
せめてもの救いは、日中同様寒いながらも穏やかな夜となってくれたことです。明日のことはひとまず忘れ、金沢での第二夜を満喫します。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - シ帯在糸冬了

2019-01-27 17:27:25 | 北陸
無料で駐車できる七日間168時間を余すことなく使い切り滞在終了。扇子昆布で今一度土産を買ってから出発します。
途中からある程度予想できた展開ではありましたが、高岡で一日使い切りました。金沢の雪景色を見てみたかったという思いは残るものの、高岡の街にはあちらと全く違う趣があります。冬に一度訪ねてみるのが、昨春以来の課題の一つでもありました。それを早くも実現できたことについては満足しています。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 高岡大仏

2019-01-27 16:53:30 | 北陸
坂下町の電停で再び電車を撮影するも、四時を回って次第に暗くなってきました。最後は高岡大仏を参拝して締めくくります。
奈良、鎌倉と並ぶ三大大仏の一つがここだそうです。他の二つに比べて影が薄いのは、三観音の一角たる津観音に通ずるものがあります。かつての参道らしき商店街のアーケードを抜けた先にある、ごくささやかな境内の雰囲気についても。しかし、雪吊りされた木がよい点景になっています。わずかとはいえ雪が積もっているのもよいのでしょう。先週末ならあり得なかった光景です。やはり一週延ばした甲斐はあったことになります。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 除雪車

2019-01-27 15:13:47 | 北陸
新吉久といえば、決して広くはない道を単線の併用軌道が行く、全国的に見ても貴重な区間です。下りたついでに現役の電車も撮って、しかる後に車庫のある米島口へ移動してきました。行きに通りがかったとき、沿道からでも見える位置に除雪車が止まっていたため、これは訪ねてみるしかないと思っていたのでした。
凸型の小さな機関車に、ラッセルヘッドを取り付けたのがその正体です。あたかも模型のような佇まいに加え、不思議なことがいくつかあります。路面電車の事業用車両というと、何分用途が特殊だけに、同型車が量産されることは基本的になく、多くは電車からの改造車です。しかし、足回りの構造が電車とは全く違い、改造車には見えません。少なくとも車体については、比較的近年に新製されたもののようです。ただし、集電装置があることからすると、保線用の内燃動車をそのまま転用したとは考えにくいものがあります。さりとて、当線だけのためにわざわざ設計されたとも思えません。由来が気になる機関車です。
ちなみに、ここへ来るまでの間に印象的な出来事がありました。新吉久で撮った電車にそのまま乗ろうとしたところ、あと少しのところで逃してしまったのがそもそもの発端です。その一部始終を見ていた通りすがりの御方から、目的地まで送ろうというありがたい申し出があり、おかげで電車一本分早く着くことができました。最寄りの交差点で下ろしてもらった後、転回して走り去ったことからすると、わざわざ迂回してくれたということになります。行きずりの出会いにしみじみ感謝したくなる一幕でした。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 保存車

2019-01-27 14:34:22 | 北陸
新吉久の電停のすぐそばに、保存車が鎮座しているのを見て急遽下車。これだけ目立つ場所にあるなら気付かないはずがありません。きれいに塗り直されていることからしても、つい最近設置されたであろうことは一目瞭然です。おそらくは、米島口の車庫にあった除雪車を引き取って修復し、こちらに移設したのでしょう。昨春伏木の怪しげな廃車置き場を訪ねたとき、機関庫の中にいたのはこの電車だったような気がします。やはりただ放置しているのではなく、修復する前提で留置されたものがいくつかあるようです。見事再生されたことを喜ばしく思います。
TEKリサイクルセンターなる工場に併設され、電車のある一角がリトルパークと名付けられています。その名の通り、広い芝地に電車が鎮座し、片隅には休憩所らしき建物があって、敷地の周囲には枝垂桜が。今日は閉まっているものの、柵の外からでもよい角度で撮れるようになっているのは心憎いばかりです。工場の操業日には立ち入ることもできるのでしょうか。こちらについても明日再訪してみる手はありそうです。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 折り返し

2019-01-27 13:41:24 | 北陸
着いた電車で折り返すのも面白くありません。一本見送り、新湊大橋の歩行者用通路とやらに上ってみるのも一興と考えました。ところが、あろうことか団体客を乗せたバスがやって来るという誤算が。これでは取り付く島がなく、次の電車で退散するという顛末です。ただし、帰り道に再訪する手も残されています。渡船ともども明日の課題にしておきましょう。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 乗車再開

2019-01-27 12:34:39 | 北陸
そのまま駅へ戻るかというとさにあらず。一日乗車券を買ったため、越ノ潟へ向かって乗車を再開します。市内線から郊外電車に移り変わるめくるめく車窓も、新湊出身の大物落語家による車内放送も楽しく、全国の路面電車の中でも乗って楽しい路線という点では屈指なのがここです。久々に乗ってみようと思い立ったのでした。
高岡から乗ってきた低床車に代わって、やってきたのは非冷房の旧型車です。青地の座席と手動の運賃箱と両替機に年代が感じられ、バス窓からは穏やかな日差しが注いできます。この晴天が続くなら、電車を撮っても、新湊の寂れた市街を訪ねてみてもよさそうです。このまま日中を使い切る可能性が濃厚となってきました。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - デリー

2019-01-27 11:52:37 | B級グルメ
昨春「デリー」を訪ねたときは、再訪する機会が果たしてあるのだろうかと思いました。ところが豈図らんや、その翌月に再訪し、一年と経たないうちに次なる機会が巡ってきました。ただし、三回目なら勝手が分かってくるかというと、意外にそうでもありません。これは偏に品数の多さ、とりわけセットメニューの多彩さによるところが大です。1400円するデリーランチ、1600円するデリースペシャルの違いがよく分からないまま、大は小を兼ねるの発想で後者を選ぶと、カレー二種、タンドリチキン、ご飯、かき揚げ、キャベツサラダとヨーグルトが、一つのお盆で出てきました。それに加えて後からナンが。品書きをよく見ればライス&ナンとあり、選ぶまでもなく始めからついてくるということのようです。
パン嫌いの自分にとって、ナンは余計といってもよく、その点ではいずれかを選ぶデリーセットの方がよかったともいえます。ただし、あちらではカリーがデリー、インド、カシミールのいずれかに限られ、今回是非いただきたかったコルマを選ぶことができません。こちらはデリーが固定で、もう一種を選べるという内容です。一種だろうと二種だろうと、好きに選べる本家と違い、組み合わせに何故か制約があり、しかもそれがどのような基準で設定されるのかが不可解です。
もう一つの謎としてご飯のいただき方があります。カレーと同じ、短い円筒形をしたステンレスの食器に詰められており、カレーを直接かけるのか、カレーとは別々にいただくのかがよく分かりません。迷った挙げ句、器を裏返してご飯を取り出し、そこにカレーをかけていただくという方法を採ったものの、それが本来の形なのかは不明です。

そのようなわけで、要領を把握するのに手間が要り、味わうことに専念できませんでした。それでも気付いたことはいくつかあります。カシミールと同様に、とろみがほとんどないデリーに対し、コルマは本家に比較的近いということです。ただし若干辛口のような気がしました。やや辛口なのはタンドリチキンも同様で、いずれもタイ料理にどことなく通ずる刺激的な辛さを持っています。
もう一つ気付いたのは、前回いただいたデリーランチに比べ、タンドリチキンがやや小さいことです。隣の席に座ったお姉さんが説明を受けていたところによると、チキンにはSサイズがあって、デリーセットのSはチキンの違いとのことでした。しかし、このチキンがついて1100円なら、Sの方がお値打ち品ではないでしょうか。いずれ再訪するときの参考とします。

デリーあわら店
高岡市あわら町13-49
0766-25-0796
1100AM-2100PM(LO)
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 万葉線

2019-01-27 11:06:35 | 北陸
50分の小旅行を経て高岡に着きました。車を引き取り出発するかというとさにあらず。不要な荷物だけ車内に置き、万葉線の電車に乗ります。
そもそもの発端は、朝兼昼にデリーのカレーをいただきたかったことにあります。もちろん車で行くのは造作もありません。しかし、夕方まではそのまま止めておくこともできます。ならば電車で行こうと思い立った次第です。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 路線バス

2019-01-27 10:04:48 | 北陸
先を急ぐといったことと矛盾するようではありますが、高岡までは路線バスで移動します。列車で行けば20分足らずとはいえ、新幹線の開業後、在来線は全く使えない代物に成り下がってしまいました。短編成の混み合った普通列車を嫌い、少しでも楽しめる方を選んだ次第です。
経路は二つありました。一つは旧国道8号線沿いを行く路線、もう一つはかつての射水線に沿って新港東口へ行く路線です。後者の場合、終点から渡船と万葉線を乗り継いで向かう形となるため、活動の題材としてはより好ましかったのですが、時刻が噛み合わずに見送ったという経緯があります。いわば第二希望で妥協した形ではありますが、生活感のある旧道を行くこちらの路線も悪くありません。
ただし、時間にして三倍かかり、運賃も倍以上するだけに、通しで乗る物好きはもちろん自分一人です。一部区間の需要もそれほどあるようには思われず、乗客は常に片手で数えられる程度にとどまります。それにもかかわらず、毎時一本以上の運行を維持している経営努力は天晴れです。ささやかな支援ができたという点でも、路線バスを選んでよかったことになります。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - パレブラン高志会館

2019-01-27 09:14:18 | 北陸
富山に泊まるのは一昨年の秋以来です。そのとき世話になったパレブラン高志会館が、今回も空いていたため即決しました。
先日のエスカル神戸に続く福利厚生施設です。繁華街から少し離れた静かな立地と、大浴場があるところも共通しています。加えてよいのは眺めです。扇形をした建物の外周からは、北陸新幹線と富山地鉄を、近からず遠からずほどよい距離で一望することができます。本日は裾野しか望めないものの、晴れれば立山連峰も見えるというおまけ付きです。高岡から東へ走ってきた列車が、立山を避けるように北東へ向きを変える線形を、絶妙な位置から眺めることができます。窓際に設えられた机に向かえば、全く退屈することがありません。
今回気付いたのは、7階建てのうち客室があるのは4階から6階の間だけで、そのうち4階、5階は前回泊まった料亭風の和室だということです。和室は明らかに一人で泊まる広さではありませんでした。おそらく当日空いていた場合に限って売られるものでしょう。一人で泊まる前提なら6階の洋室しかなく、数は自ずと限られます。しかも、外周に面した部屋でなければこの眺望はあり得ません。運よく滑り込めたのは幸運だったことになります。
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四国北陸縦断ツアー 続編 - 二日目

2019-01-27 09:05:30 | 北陸
おはようございます。昨晩は0時の門限間際に宿へ戻って休みました。必ずしも夜更かしではなかったものの、前夜まともに休めなかったのが響き、目が覚めたのは七時半でした。実際には、例のごとくなかなか起きられずにまどろんでいたところ、窓から射し込む朝日に思わず刮目したのでした。この時期のことだけに、当然ながら快晴ということはなく、時折雲が切れて日が射してくるに過ぎません。しかし、昨日と違って雪は全く降っておらず、福井に泊まった翌日を彷彿させる穏やかな天候です。これなら活動にも支障はありません。
高岡に止めた車を引き取り、投宿地となる金沢まで移動するのが本日の予定です。富山市街の雪景色を、もう一度見ていきたいような気はするものの、高岡、金沢にも見所はあります。その気になれば明日も戻ってこられるため、今日のところは先を急ぐつもりです。
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