日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

活動回顧録 2018 - 早春の旅

2019-01-23 22:28:09 | 旅日記
一月の三連休が正月休みとつながったことにより、恒例としている東北への汽車旅が、去年は二月に回りました。その前後を含む三回分の活動を振り返ります。

・春まだ浅い仙台へ 2018(2/3-4 2日間)
二月の初旬に仙台へ行ったこと自体、blogを繙くまでもなく記憶していました。何故仙台を選んだかについても見当がつきました。国内主要都市の中でも、宿泊事情がとりわけ逼迫しがちな仙台で、その週に限ってたまたま宿が空いていたことから、渡りに船とばかりに飛びついたのでした。
出発前日の記録によると、元々候補としていた清水、高山、福井の宿がいずれも混んでおり、その代わり仙台が空いていたとあります。つまり、宿さえ空いていれば他の三つのいずれかへ行っていた可能性が高いということです。結果としては、ここが大きな分かれ目でした。というのも、その直後に北陸が記録的な大雪に見舞われたからです。高山、福井を両方残した状況で、あちらが大雪に見舞われたことにより、自走して雪景色を見に行くという発想が浮かびました。まず高山へ行き、北陸へ出たところで一旦車を置いて帰り、再開後に福井へ行こうという算段です。その構想がいつしか拡大していき、同じく記録的な長旅につながったのでした。
そのようなわけで、仙台を選んだのは宿泊事情によるところが大きく、あちらへ行って何をするかの明確な展望がなかったため、終わってみれば何かにつけて中途半端な活動でした。初日については、震災の前月以来、実質七年ぶりに浜通りを下っていくつもりが、いわき市街を出ることすらできないまま日没を迎え、その後は仙台までひたすら走るだけでした。翌日も予想外の雪雲が広がり、浜通りと三陸を再訪することは叶いませんでした。ただし、北陸への長旅の発端になったという点で、本活動には少なからぬ意義があったということになります。

・汽車旅in東北 2018(2/10-12 3日間)
昨日北陸への汽車旅を取り上げ、ほぼ同じ行程を三年続けて印象が薄れてきたと申しました。それと同じ様相を呈しつつあるのが東北への汽車旅です。前身の「GOGO3DAYSきっぷ」在りし頃は、東日本管内全線乗り放題の恩恵に与り、東北地方をくまなく旅したものでした。ところが、震災により三陸沿岸の路線が壊滅に追い込まれたり、ヒルネで利用していた「あけぼの」が廃止されたり、わずかに残った国鉄型も安普請の新車に置き換えられたりして、実質的な活動範囲は年々狭められました。そこへとどめを刺したのが北海道新幹線の開業です。函館へ足を延ばすという選択肢も事実上失われ、前年の活動では行き帰りの新幹線と「つがる」の乗車だけにとどまりました。もはや工夫の余地もなく、去年はその行程をほぼ踏襲するという結果です。おおむね満足できる結果ではあったものの、奇跡的な雪晴れを経験した前年を超えるまでには至りませんでした。やはり、旅には適度な変化も必要ということでしょう。

・早春の駿河を行く(2/17-18 2日間)
空振りというわけではないものの、さりとて特筆すべきほどの収穫にも欠けた東北の旅に対して、会心の成果を収めたのが翌週の静岡です。一月だけでもほぼ十分といえるほどの結果ではありましたが、「新生丸」に早仕舞いで振られたのが唯一にして最大の心残りでした。その借りを返すことができればよいと考えており、前回ほどの好天を期待していたわけではなかったのです。しかし、無欲の姿勢が奏功したか、結果としては勝るとも劣らない好天でした。
出発した直後こそやや霞みがちではあったものの、時間が経てば経つほど遠景が鮮明になっていき、箱根でも清水でも一点の曇りもない富士山を拝むことができました。夜はもちろん「新生丸」で一献傾け、静岡の「昇菊」を前月に続いて訪ねました。翌日は引退迫る静鉄の電車を撮り、前回逃してしまった由比のかき揚げ丼をいただいて、三保の松原から見事な夕景を見届けて締めくくるという顛末です。「空前絶後の当たり年」と当時の記録にはありますが、改めてそう思います。あれをも超えるものを期待するのは高望みというものでしょう。今年は一月を四国と北陸に注ぎ込む結果となり、静岡へ行けるのは早くとも来月となりますが、引き続き無欲の姿勢で臨みます。
コメント