日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四谷赤坂麹町 - まるしげ夢葉家

2019-01-31 22:36:34 | 居酒屋
長旅が終わり次第、行こうと思っていた場所がありました。久々に一杯やって帰ります。立ち寄るのは「まるしげ夢葉家」です。

一昨年同じ時期に訪ねたとき、品書きとともに年始の挨拶が挟み込まれているのに気付きました。店主の人柄がよく表れた名文でした。翌年再訪したときも、同様の挨拶が綴られていて、来年で開店から20年になることをそれによって知りました。節目の年に、店主が何を語るかに興味を引かれ、是非行っておかなければと思っていた次第です。
満20年かと思いきや、今月で丸19年が経ち、20年目に入るとありました。全体の流れもそれほど変わりません。長年続いてきたことを、まさかまさかの出来事と評した上で、それを支えたお客、生産者、同業者、歴代従業員らに対する感謝を述べ、今後も精進する意義込みと、ますますの引き立てを乞うのがその内容です。とはいえ、てらいのない語り口には店主の実直さが滲み出ています。

もう一つよかったのがあん肝です。なじみの料理人から、品書きにはないがと前置きした上で、よいものが入ったと勧められたものでした。あん肝といえば、店毎の差が比較的出にくい品の一つです。冬の風物詩なら他にもあります。しかし、そこまでして推すものなら間違いはなかろうと見て、二本目の酒とともに注文するという顛末です。
あん肝といえば濃厚さ、滑らかさが真骨頂と考えがちなところ、ホロホロと解けるような口当たりが独特です。大胆に例えるならば、上等な生しらす、あるいは金沢の「浜長」で出る粉雪のような卯の花を彷彿させるものがあります。一推しするのも宜なるかなと納得できる逸品でした。

まるしげ夢葉家
東京都港区赤坂2-14-8 山口ビル2F
03-3224-1810
平日 1700PM-100AM(LO)
金曜・祝前日1700PM-300AM(LO)
土曜 1900PM-2200PM(LO)
日祝日定休

八幡・不二才
お通し(しらす沖漬け)
かわはぎ肝和え造り
ぶりあら大根煮
あん肝
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