日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四国北陸縦断ツアー - 浜長

2019-01-19 21:30:11 | 居酒屋
駅前から国道に出たところでバスが頃よくやってきました。片町まで乗り、投宿して風呂に浸かり、一呼吸置いたところで真打ち登場です。「浜長」の暖簾をくぐります。
本来バスに乗るような距離でもありません。酔い醒ましに歩いて宿へ向かうにもやぶさかではありませんでした。しかし、たままた来てくれてよかったともいえます。悠長に風呂など浴びている間に、早仕舞いしていたという経験もあるからです。もちろん、ここに振られたとしても代わりの店はいくつもあります。しかし、日祝日定休という関係上、今回是非行っておきたいという事情がありました。こうして店へ乗り込むと、カウンターには先客が一組ながらも残っており、毎度の一言で迎えられ事なきを得るという顛末です。

「わり勘」にしてもそうですが、何度も通うと注文の固定化という現象が起こります。五点盛りの突き出しに続いては、刺身を二点盛り合わせてもらうのがここでの定跡です。ただし、いたずらに高価なものは必要ありません。食材の高級さより、仕事の丁寧さを楽しむことに宗があるからです。かような観点から最もよく選んできたのがガスエビ、昆布〆、この季節では鱈の子付けといったところですが、子付けは「わり勘」でいただいたため、本日はガスエビと昆布〆の組み合わせとなりました。昆布〆は平目と鱈の二点盛り、ガスエビの頭の部分は後から焼かれて出てくるため、四つの味が楽しめるという仕掛けです。醤油をつけてもなお感じられる昆布の風味に、当店らしい仕事の丁寧さが感じられます。ぶり大根は意表を突く小鍋仕立てで、越後のかんずりを彷彿させる、しかしより爽やかな辛さが際立つ秘伝の味噌も薬味には好適です。
先客は程なくして帰り、後から入った二人組も座敷へ上がっていきました。広々したカウンターを借り切っての、何とも贅沢なひとときです。

浜長
金沢市片町2-27-24
076-233-3390
1700PM-2330PM
日祝日定休

福正宗・竹葉・萬歳楽
突き出し五品
がすえび・昆布〆
ぶり大根
蓮根むし
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四国北陸縦断ツアー - わり勘

2019-01-19 19:22:41 | 居酒屋
名酒場に事欠かない金沢ではありますが、今夜に関する限りは比較的迷いなく決まりました。いの一番に飛び込んだのは「わり勘」です。
直接の決め手は本日の経路にあります。福井から金沢へ車で向かうということは、野町を通って市街に入るということでもあります。駅前に車を止めれば、投宿前に一杯やれるだけでなく、駐車料も安く上がって一石二鳥という寸法です。もう一つの決め手は時間帯にあります。土曜の七時ともなれば、繁華街の店が混み合うのは明らかです。そのようなときであっても、地元客で適度に賑わうこの店なら気兼ねがありません。野町の駅前のうらぶれようからは俄に想像しがたい、大衆的で健全な雰囲気は、居酒屋の鑑と形容するにふさわしいものがあります。れっきとした割烹である「浜長」はさておき、居酒屋として考えた場合、金沢ではこの店が一番という考えが確立してきました。経路上無駄なく寄れるという条件がなかったとしても、ここを選んでいたでしょう。
女将からは遠藤が勝ったとの第一声が飛んできました。当地出身の人気力士にあやかって、本場所で勝った日は生ビール390円というのが当店の慣わしです。絶妙な間合いでの一言にも釣られて、一杯目には珍しく生ビールを注文。ただし安さに釣られたわけではありません。最初の一杯だけでなく、何杯でもその値段という気前のよさに感じ入ったとでも申しましょうか。ありがたくご相伴に与りました。

わり勘
金沢市野町4-3-6
076-244-2280
平日 1700PM-2215PM(LO)
日祝日 1600PM-2115PM(LO)
月曜定休

一番搾り
常きげん二合
刺身五種盛
牛すじ
自家製つみれ
たらあら汁
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四国北陸縦断ツアー - 月夜

2019-01-19 19:02:11 | 北陸
国道8号線、県道22号線、国道157号線の順に経由し金沢に着きました。大移動した昨日とは対照的な、100km弱の走行でした。出発からの走行距離は1680kmとなっています。
ここまで走ってくる途中、西の空が次第に晴れていくのが見えました。東尋坊へ行っていればと、思わず仮想してしまうのは人情です。しかし、仮に寄ったとすると一時間は余計にかかっていたでしょう。金沢に着くのもその分遅れたということです。東尋坊を切る代わりに、金沢での持ち時間が増えたと思えば、それほど惜しくはありません。
空が晴れたということは、月夜になったということでもあります。高松で眺めた月はその後の三日で次第に満ち、あと少しで満月となりそうです。明日は日がな一日雨というあいにくの予報ではありますが、北陸でも一日とはいえ好天となってくれたことに感謝します。
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四国北陸縦断ツアー - 意外な結果

2019-01-19 16:49:28 | 北陸
丸岡城に五時近くまで注ぎ込むという、意外な結果となりました。日が射した時間こそ決して長くはなかったものの、昨日と違って雲が薄く、陰影のある空を背にして、天守が影絵になる眺めなどが実によかったのです。
さらに欲張り東尋坊へ行くという手も考えられるところではあります。しかし、雲がこれだけ多くては、多くを期待できそうにありません。それを承知で行くよりも、そのまま金沢まで移動する方向に傾いています。とはいえ、列車の撮影が何の成果もなく終わってしまった中、一つだけでも収穫が出てくれたのは幸いです。
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四国北陸縦断ツアー - 丸岡城

2019-01-19 14:38:52 | 北陸
午後から再び晴れてはきたものの、一時広がったような青空ではなく、薄雲を通して日射しが強まったり弱まったりを繰り返します。是非列車を撮りたいとまでは思わない、とはいえこの時期の北陸にしてはそこそこの好天という条件を活かすべく、丸岡城にやってきました。
現存天守12城のうち、訪ねたところがこれでようやく過半になりました。残りは犬山、高梁、宇和島など、そもそも旅した機会の少ない場所がほとんどです。ここの場合、すぐ近くをことごとく素通りしてきたという違いがあります。福井では列車を追って慌ただしく動き回ることが多く、悠長に城など見物している暇がなかったのです。足羽川と並ぶ桜の名所だけに、花見の時期に訪ねてみるにはやぶさかでなかったものの、いつ実現するかも分かりません。これがよい機会だろうと思い立った次第です。
こうして訪ねた丸岡城、思った以上にささやかです。外周を歩くだけなら10分ほどで済むでしょうか。天守も弘前より一回り大きい程度です。しかし、高さの違う遊歩道が何段か巡らされ、それに沿って桜の木々が並んでいるため、見上げたり見下ろしたりしながら歩けば、さぞやよい眺めだろうと想像できます。もちろん主役の天守との組み合わせも自由自在です。花はなくとも、雰囲気だけはしかと実感できました。
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四国北陸縦断ツアー - 本丸岡駅

2019-01-19 13:54:22 | 北陸
ヨーロッパ軒の来歴に加え、前回訪ねた後に知ったことがもう一つあります。すぐ近くに京福の本丸岡駅があったということです。周囲をよくよく見渡すと、あのとき車を止めた市役所の隣に、駅の跡地を転用したバスの営業所兼発着場がありました。鉄道在りし頃の遺構こそないものの、全体としてハの字形をした敷地からは、西の方から来た丸岡線が永平寺線に合流し、そのまま南下していたらしいことが窺われます。北陸でいうなら富山地鉄の寺田、あるいは岩峅寺のような構内だったのでしょうか。地方私鉄華やかなりし頃が偲ばれる光景です。
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四国北陸縦断ツアー - ヨーロッパ軒

2019-01-19 12:57:24 | B級グルメ
何とも悔いの残る結果ではありましたが、気を取り直してお昼のカツ丼をいただきます。午前いっぱい北陸本線の撮影に費やし、丸岡か春江の分店でいただくというありがちな展開です。前回春江に行ったため、一昨年の秋以来となる丸岡分店を訪ねました。
新潟のイタリアンについていえば、中越の「フレンド」と下越の「みかづき」で棲み分けができています。ヨーロッパ軒もそれに近く、嶺北と嶺南で系統が分かれるものと思っていました。しかし最近知ったのは、敦賀の流れを汲む分店が嶺北にもいくつかあるということです。丸岡の分店もその一つと聞きました。そう言われてみると、スカロップ、ジクセリなる聞き慣れない品々に、あちらとの共通性が表れています。
ただし、何もかも同じというわけではなく、それが直ちに気付かなかった理由でもあります。団体客も収容できる大型店を中心にした敦賀の分店と違い、こちらの店舗にそこまでの収容力はなさそうです。カツ丼が二種類あるのは同じでも、「特製」がここでは「上」に変わります。肉質に違いがあった敦賀の特製カツ丼に対し、こちらの上カツ丼は元々厚めのカツを一層厚くしたものです。他店ならカツカレーに使われてもおかしくはありません。薄切り肉と細かい衣の食感こそ、福井の真骨頂と思っている自分にとっては、厚切りであればあるほどよいとは思われないものの、食べ応えを求める向きにはおすすめできる一品です。

ヨーロッパ軒 丸岡分店
坂井市丸岡町一本田5-62
0776-67-0843
1100AM-1400PM/1700PM-2000PM
火曜定休
上カツ丼1080円
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四国北陸縦断ツアー - 痛恨の失策

2019-01-19 11:58:46 | 北陸
開始早々痛恨の失策を犯してしまいました。撮影の絶好機を立て続けに逃してしまったのですorz
北陸特急を撮るつもりで向かったのは、丸岡から春江にかけての直線区間でした。ただし、残雪、稲穂のような絵になるものが今回はありません。てらいなく、線路際から列車を大きく写すのがよかろうと考えました。ところが現地への到着が遅れ、構図を決めかねている間に、10時台の「しらさぎ」と「サンダーバード」をいずれも逃すという顛末です。
冬の北陸にしては珍しく、道中でも徳島と神戸に次ぐ好天でした。あと10分でも早く着いて準備を整えれば、青空に列車が抜ける画を撮れたでしょう。それをむざむざ逃してしまい、次の列車は一時間後です。それまで持ちこたえてほしいという期待も空しく、上空は次第に薄雲で覆われ、時折日が射す程度に変わってしまいました。通過の瞬間に日が射すなどという虫のよい話はもちろんなく、後続列車で挽回することも叶いませんでした。
新幹線が開業する数年後まで、福井には努めて足を運ぶつもりでいます。しかし、北陸の中でも福井の遠さは別格です。車で行ける機会としては、一年につき冬と秋の一回ずつがせいぜいでしょう。線路際の草が茂って撮れない可能性も考えると、冬場の好天下が望ましいのは間違いありません。その条件が滅多に実現しないのはもちろんです。それだけに、この失策はあまりに痛く、「北斗星」を撮り損なった四年前に近い敗北感に打ちひしがれています。あちらは雪辱できたからよいものの、残されたわずかな時間でこの借りを返せるかは何ともいえません。果たせぬまま新幹線の開業を迎えれば、後年まで忘れ難い悔恨の一つとなってしまいそうです。
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四国北陸縦断ツアー - ホテルフクイキャッスル

2019-01-19 08:58:54 | 北陸
昨日も申した通り、駅や繁華街から少し離れた静かな場所に宿をとる傾向が強くなってきました。和室であればより理想的です。京都の「ホテル杉長」などと並び、その端緒になった宿の一つに「ホテルフクイキャッスル」があります。元々予定していた三連休はこの宿が埋まっており、福井では代わりの宿で妥協するしかない状況でした。それが思わぬ事情で延びたため、元の鞘に収まるという顛末です。
高松、神戸、福井の順に、和室の宿が三夜にわたって続きました。今夜は金沢の「きくのや」を押さえているため、本活動は和室で完結することになります。
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四国北陸縦断ツアー - 四日目

2019-01-19 08:48:27 | 北陸
おはようございます。昨晩は図らずも羽目を外してしまいました。宿に戻って休んだのは一時過ぎです。当然ながら翌朝にも響き、目覚めたときは七時半でした。朝食をいただいて一風呂浴び、ようやく準備が整ったところです。
昨夜の雨は宿を出る頃にほぼ止み、結局傘を差すことはありませんでした。今朝は予想外の青空が広がっています。昨日の神戸と同様、西の方から大きな雲が流れてきており、再び曇ってしまう可能性はあるものの、現に晴れている以上ともかく動くしかありません。まずは余命わずかな北陸特急を撮りに行くつもりです。
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四国北陸縦断ツアー - 片桐

2019-01-19 00:19:03 | B級グルメ
さらに余勢を駆って三軒目に突入しました。ただし酒はもう入りません。越前そばが目当てです。「つるきそば」には早仕舞いで振られたものの、深夜営業のそば屋が他にもあったと記憶しています。その記憶を頼りに歩いていくと、交差点の角に二軒が向かい合っていました。その中から飛び込んだのは「片桐」です。
カウンターを仕切るベテランの四人組は、それぞれ揚げ、茹で、仕上げと接客を分担し、引きも切らずに入ってくる注文を的確に捌いていきます。そばとうどんの違いはあれど、カウンターを中心にした店内の造りを含め、高松の「鶴丸」を彷彿させる雰囲気でした。

片桐
福井市順化1-17-1
0776-21-3147
2100PM-200AM(金曜土曜 -300AM)
おろしそば680円
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