森のテラス・番人日記

オープンガーデン

銀の森 名古屋LACHICへ 4 

2012年03月24日 14時00分08秒 | 山田茂雄造園「現場だより」

今回で、ディスプレイの記事も最終章となります。

前回の記事では「なばなの里」メインの内容でしたが、この日はまた名古屋に戻って手直しです!

ちなみに「なばなの里」へは名古屋駅からバスが出ていますが、
“名古屋駅→なばなの里経由→長島温泉行き”となっていて、長島温泉も山田造園が造ったお庭なのです。

「温泉」の文字に、いいなぁと思っていると、なばなの里にも温泉があり…余計に離れがたかったのですが
またの機会にお預けをして、名古屋へと帰ってきました。



商品が陳列されると、主役が来たという感じがして、一気に引き締まりますね。


↓こちらは、朝ラシックの開店前に寄ったときの様子。
オーナーが、まだ止まっているエスカレーターから枝を切っています。


ここから見比べると随分完成されたように思います。



ある木には、カゴがぶら下がっていたり、ネットにたまねぎが入っていたり。




焼きたてのピザが食べれるカフェコーナーもあります。


期間中は見ることができないので残念ですが、オープンには平日にも関わらず沢山のお客様がいらっしゃったそうです。
どうぞ毎日大盛況で、一人でも多くの方に「恵那 銀の森」を知ってもらえますように。



この短期間で、岐阜・愛知・三重と3県にまたがって動き回った怒涛の3日間でしたが、無事に終了。
ヘトヘトの帰路にも関わらず、帰りの新幹線でも寝ずに話して帰った(自然と反省会に?!)ため、更にヘトヘトでしたが、
目まぐるしくも刺激のある出張でした。

もしお近くに行かれた際は、寄ってみて下さいね。

名古屋は期間限定ですが、恵那の銀の森はこれからも発展していく予定です。







銀の森 名古屋LACHICへ 3

2012年03月22日 11時30分14秒 | 山田茂雄造園「現場だより」

さて2時間程の仮眠をとり眠い目をこすりながら、再び現場を確認後、
ディスプレイに使う野菜を買いに行きがてら、
十年以上も前に山田が仕事で担当した庭園『なばなの里』に向かいました。
http://www.nagashima-onsen.co.jp/
名古屋駅から直行のバスが出ているので名古屋に行く際はおすすめのお出かけスポットです!

川や湖など大きな水場があり、これからの季節にここちよい場所です。

こちらはなんともうれしい足湯スポット!ゆっくりできる時間がなく私たちは泣く泣くスルーしました...

冬の間は大規模なイルミネーションをしていて、花壇にもたくさんの電飾が仕掛けられています。
園内にはレストランが数か所あり食事をすることもできます。

「梅がきれいなんだよ」と言う山田に「うんうん、きれいですねー」とこちらの梅を見ていると...
「ちがうんだよー」と否定されたその先には...

見事なしだれ梅が何本も!色とりどりのしだれ梅がまるで花の噴水のように咲き誇っていました。
天気も良かったのでたくさんのお客さんで賑わっていました。
沿道を同じ流れで並べないようにこだわった話や生垣も一番下までビッシリ葉が生えてくる種類を選んだことなど、庭をつくった時のこだわり話も聞きながら、私たちもしばらくの間、疲れを忘れて梅に感激...。
十年もするとこんなに大きくなるんだな、と山田も成長して立派に育ったしだれ梅を見上げていました。
それではしばし、見事な梅並木をご覧ください。

次はベゴニアガーデンに入ってみました。温室に入ると広がる一面のベゴニア!
この感じなんだか秋田のダリアを思い出してしまいます。

バレリーナみたいに踊ってるような形のものから、怪しい葉っぱのベゴニア、不思議な模様の木の幹...。
時間がなく足早に通り過ぎてしましましたが、興味深い形の植物がいっぱいあってじっくり観察したくなるような空間でした。
つり下げた鉢から成長して下へ下へと伸びて巨大な花柱のようなものが天井からつり下がっていたり。
なんだか魔女の宅急便のキキのお母さんが出てきそう!
右下のベゴニアはいっぱいあると埋もれてしまうのであえて一つだけポツンと置いて見せるところをつくったそうです。

まだまだ名残惜しかったですが急ぎ足でベゴニアガーデンを後にし、今度は水辺を少し歩きました。

イルミネーションであろう電飾のトンネルを発見。白い電飾を使ってあるので昼間も光ってきれいです。

最後に見えてきたのは広大な花畑!とにかく広くて見どころがたくさんある庭園でした。
さて、あまりゆっくりしてる時間はないので、野菜を買っていざ名古屋へ戻ります。

~続く~


銀の森 名古屋LACHICへ 2

2012年03月21日 14時07分03秒 | 山田茂雄造園「現場だより」

さて、23時から搬入開始です。
ラシックの前の広い道路も枝で埋め尽くされて…



ラシック1Fフロアはそれまでの展示が搬出され、バトンタッチです。

図面を参照しながら、また臨機応変に動かしながら、木の位置を決めて行き
幹となる太い木を立て、そのあと事前に番号を振り分けておいたセットの枝を打ちつけていきます。



そしてその周りでは、内装業の方々が商品陳列棚を着々と設置していきます。



私達女性組はというと、所々お手伝いするものの、内職のような作業も残っています。
これは東京の事務所から運んできた荷物…
綺麗なLepettoのディスプレイの前に、、すみません。

そこに座りこんで、ワイヤーを通す作業です。

前回の記事でも書いたとおり、りんごもレモンも本物なので、なるべく新鮮な状態を保つために
直前で加工をすることにしました。
(本物の果物を使うのは、半永久的なディスプレイではなく期間限定だからそ!できたわけですが)




15本の木の設置が完了したところで、



先ほどの果物も設置。



空洞だった木の根っこの円筒には、左官屋さんがコンクリートを流し込んでくれます。
ツヤっとしてキレイ。ですが、
ここには最後、恵那から持ってきた苔を置いていきます。



そして「銀の森」のロゴと、各店舗のロゴマークを円筒に貼って。

なかには、苔の上の木の根っこ部分にイガグリや松ぼっくりが乗っているのもあります。

朝になり、ひとまずメドがついたあたりで一旦退散。また商品が入った後に細かい手直しがありますが、

ホテルの10時のチェックアウトまで仮眠をとることにしましょう。

14日も長い一日となりそうです。

~続く~





 


銀の森 名古屋LACHICへディスプレイのお仕事

2012年03月20日 14時53分44秒 | 山田茂雄造園「現場だより」

こんにちは。
ようやく春らしくなってきましたね。

さて、私達は3月13日~名古屋出張に行ってまいりました。

造園を担当した岐阜県恵那市にある「銀の森」が、名古屋の栄にある三越の別館「ラシック」に
期間限定で出店することになり、そのディスプレイ設置のためです。



まずは、
岐阜県恵那市の「銀の森」に出向き、ディスプレイの最終確認へ。

ディスプレイに使用する木や大量の枝など
銀の森のスタッフの方々にも下準備で大変お世話になりました。



それから、
銀の森の施設裏に広がる広大な自然…



ここで、装飾として使えそうな草木や苔や枝を調達します。



今回のこだわりは、すべて“ほんもの”を使用すること。


後に出てきますがディスプレイで使うものは全部本物で勝負します。
事前に集めておいて貰ったいがぐりや松ぼっくり、直前に拝借した木や草木や苔など、
銀の森から恵那の空気ぜーーんぶを持って、名古屋へ運びたいと思っています。
こんな大きなトラックで行きますよ。


それにしても、施設のすぐまわりに、こんな素敵な環境があるのですねー
商業的なのにアットホームな雰囲気が絶妙なのです。

ところで、一体「銀の森」ってどんなところなの?!と、お思いですよね!

2011年の7月にオープンしたばかりなのですが、
そのオープン前に何度か訪問した際の写真をどどーんと載せますね。
山田造園のお仕事っぷりも、ぜひご覧ください。以下。
(オープン前なので、今見ると若い感じがしますが)

 

 

***********************************************

そんなこんなで、私達は、この日23時から搬入開始となります。



一つ見本で木を立ててみて、眺めるみんな。


まだまだ搬入前に名古屋で買い出しもしなければなりません!



夜は長いのです。


~続く~


庭のホテル

2009年05月17日 10時46分13秒 | 山田茂雄造園「現場だより」
”山田茂雄造園事務所”は、この度、”水道橋”にプレオープンした
「庭のホテル」の造園を手掛けました。

「庭のホテル」のコンセプトは、
「美しい和のホテル」というものです。
”和”とは、”江戸の粋”を象徴するともに
”和”(和み)というもう一つの意味を表しているのだとか。

モダンな中にも「和」を感じさせる建築と
「庭」の存在を中心にした設計です。

都心の中にそびえるビルの裾のエントランスに
水盤と大きな石が据えられて、風情のある表情を醸し出しながら
お客様を迎える格好になっています。



中庭には様々な樹木と共に、色んな形の石が配置され
石の上を、そして石の間を美しい水の「流れ」が巡っています。



木や石の他に、古い”瓦”を使った作庭は
”山田茂雄造園事務所”の得意とする技です。



規則的に並んだ”瓦”の間に据えられた”石”の姿は、
なんともいえず「粋」なアクセントになっているように思いました。

意表をついたように現れる”柱”のような形をした人工的な”石”は
かつて”橋”のげたに使われていたものだったとか。
「水」といい、「橋」といい、”水道橋”という土地にちなんで
このような要素を意識的に取り込んでいるのだそうです。



「庭が素晴らしい。」とのお声を沢山頂戴して
ご満悦な様子の”山田茂雄”。
この日は、何度も「きょうはいい日だ。」とつぶやいていました。



「庭のホテル」の正式オープンは5月18日です。
和のレストラン”縁”(ゆくり)と、
グリル&バー”流”(りゅう)ではオープンを記念して
特別価格にて懐石とディナーが用意されています。
この機会に、美味しい料理を堪能しにお出かけになるのもいいかと思います。

そして、ぜひご一緒に「庭」も楽しんでいただきたいと思っています。

                                番人M

卯月

2009年04月01日 22時26分40秒 | 山田茂雄造園「現場だより」
卯月になりました。

自分でも今ビックリしているのですが、
前回のを見たら
「弥生になりました」
なんて言ってますね。。。

気づいたら、1ヶ月経ってしまったのですね、、早い!

あれから、、
梅が終って、
隣のアンズの花を、ヒヨドリが瞬く間に食い散らかし、

気づいたら周りではスミレやら、桜やら、、

東京では、ソメイヨシノも本格的に開花、
早くも半分くらい、咲いて居るようです。


もう、絶対に春です!
長かった冬よ、もう金輪際、さようなら!



そうそう、
この季節の重大な大転換の頃合い、
我らが山田茂雄造園事務所は、御蔭様で、本業の造園で、とても忙しかったのです。

三月はほとんど毎日毎日、造園現場に出て、とにかく早寝早起き、気持ちも張りつめ、忙しくしておりました。
四月になった今現在も、引き続き、やっております。
下っぱ者として、使い物にならないふがいなさに、毎日落胆しながらも、
一朝一夕にプロの職人になれるでもなし、こつこつ、やるしかないから、
こつこつ、できることを、やっています。



色々と大変だった(←文字で要約して書いちゃうとこんなにアッサリですが、物凄い、色んな「大変」がこもっています;)
そんな現場も、
今、植栽をどんどん立て込んでいるところなので、
もうすぐ終る
、、のでしょうか、、


樹が植わった途端、
現場は突然、
「庭」になりました。

不思議な感じでした。
何がどうなるのやらわからなくて茫漠としていた”現場”に、
急に「立体感」が産まれたのです。

庭らしい雰囲気、というか。
リアリティのある奥行き感、というか。

樹はすごいですね。


明日も引き続き、現場です。だから、早く寝なきゃ!!

ひと段落したら、現場の模様も、ご紹介していきたいと思います。
ほとんど記録(写真)をとるヒマも余裕も無かったので、
ちょこっとかもしれませんが。
(まだ「上がり」じゃないので、もうちょっとお待ち下さい。)

ひと段落したら。

森テラの桜を、のんびり眺めながら、昼寝したいなあ。




森のテラスの桜は、

上の、高いところはどうやら咲いているようですが、
見頃はもうちょっと、先のようです。といっても、今週末には、、?



室内に生けられた桜は、満開。



タケタテカケタカッタ

2008年11月19日 17時49分42秒 | 山田茂雄造園「現場だより」
竹垣に使う竹を入手し、みがきました。

「トナリノタケガキニタケタテカケタカッタ」で有名な

あの、”竹垣”です。

竹を売ってる"竹屋さん"ていうのが ちゃんとございまして、
そこでまず、お買い求めします。



ところで 今日も東京は 晴れ。
ちょっと、ぐんと、寒くなりました。
でも秋田は今頃「雪」。とうとう降り始めてしまったのです。
(→「秋田 森のテラス」@北秋田市の ピンポイントお天気参照)

雪んこマーク登場しちゃってるー!
それに比べりゃ、ここはハワイ。
秋田のみなさんはもう、冬ごもりモードに突入しているのでしょう、、、



おっと
北国に想いを馳せてたら脱線してしまいました。

さて、竹垣の話。



今日調達したのは、
今度立て替えることになる某個人邸の庭の 竹垣に使うための
竹たち なのですが、

ヨコに架ける 長いヤツと、
タテに細かい間隔で立てて行く 短いヤツと

結構な量になります。


車に乗るだけの丈に切って、搭載。



通りすがりの おばあさんと一緒にお散歩中の 奥さんが 一言:

「車にしっぽが生えましたね」(笑)




おばあさんも うふっ と笑いました。

私もつられて  ふっ と笑いました。




調達した竹を、
ワラを撚(よ)ったヒモを水に濡らしたやつで、
ごしごし磨きます。


磨くと「青竹」が現れます。


(磨いたのが上、これから磨くのが下です。色が違うでしょ?)


結構、汚れてるものなんですね。

特に、
節のまわりに、白い、固まったカビみたいなのが付いてるのが、
(ちょっとだけですけど)頑固なよごれ。
要するに、竹の葉っぱの付け根なわけで、葉が受け皿状になったところに、粉が溜まって、
固まっちゃうようですね。



この白い粉。正体はなんなのかは、よく知りませんが、
磨き終わって タケタテカケタあと、



ちらっと見ると、

うっすら粉っぽいのが 残ってる感じになっちゃったりも、します。

でも
もうそこらへんは、気にしない。



かれこれ 延々 黙々

4時間余り。




地味で こつこつ。とにかく、こつこつ。
「竹垣立てる」:その一つの仕事のためにも、こつこつやらなきゃしょうがない“下準備”が
色々あります。
「ひと仕事」以前に、道具の手入れやら掃除なんかも含めると、
日々の全て、いかに手を抜かなかったか、っていうのが、そこに集約して行く。

そういう色々/全てが、とにかくたくさん積み重なって初めて、”庭”は、出来上がるのですね。。。


当然
「庭をつくる」とは違う仕事も、きっと、そう。
何事も、ひたすら日々の”下準備”の積み重ね。出来上がりの喜びの瞬間は、ほんのわずかのこと。


気の遠くなる、日々の積み重ね。


積み重ねの、繰り返し。
繰り返しの、積み重ね。

一日たりとも、気が抜けない。





って、 
ぼや~~んとなりかけつつ物思いにふけって居たせいでも、ないんですが、

結局
あとちょっと、残ってしまいました。

残りは、明日。



ところで

寒風に森がゆらゆら揺さぶられ、落ち葉もひっきりなしに落ち続けた、今日
東京の「森のテラス」は:


 
数日後に迫った「結婚式」の準備で、大掛かりな”模様替え”状態。



(結婚式とその準備の模様は また別の折にレポートすることに致しましょう。)


そんな中でも、絶えず
軽やかなピアノの音が 響いていたのですよ。

生の音楽がただあるだけで、ずいぶん気持ちがちがいます。
お客さま、ありがとうございます。


* * * * *

おしまい。


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坂の上のポッポ

2008年11月17日 17時00分20秒 | 山田茂雄造園「現場だより」
前回に引き続き:市ヶ谷の、某・坂道上にあります、道路沿いの細長い庭(ラインガーデン、とでも申しましょうか)の
手入れをしておりましたが、
今日、終わりました。



手入れの最中のこと。

他よりちょっと奥深めになっている、角のあたり、
キンモクセイの茂みの中に



ハトの巣が 見つかりました。




はっと見上げると、(←ダジャレのつもりじゃないですよ)
巣が。

巣の中には、

2羽の小鳩が。


息を潜めて、ただ じっとしていました。
ハトの心臓は 察するに、もう、
超警戒態勢、非常事態警報が真っ赤に鳴り響き、てんやわんやのバックバクだったことでしょう。

なんせ、すぐそこに得体の知れぬ「ケダモノ」が現れてしまったのですから。

「ポッポー」の「ポ」の音も 漏らしません。




”小鳩” と言っても、
もう、中くらいサイズ(=手のひらの大きめの人の手のひらと同じくらいのサイズ?)まで、育っていました。

巣に触れないように気をつけたけれど、
周りもひっくるめてずいぶん剪定をして 環境が変わってしまったので、
「もう親鳥は来ないだろうな。」
と、若ボスは言っていました。


カメラを向けると、
灰色の羽根を高々と揚げるのです。



「威嚇」というやつだな、と思いました。
(あんまり脅かしてはいけないと遠慮したので、下手に途切れた写真ですみません;)

威嚇。
本能的なリアクション。

でも、それだけでした。
彼らはその場から、びくとも逃げないのです。

きっと、
逃げるすべを まだ、知らないのです。



その日、
落とした枝葉を片付けつつ、ちらちら 気にしつつ居たのですが

2羽の小鳩は、
こちらを横目に(あるいはガン見で)警戒していながらも
ただひたすら、じっと、



そこに うずくまっていたのでした。





そして、今日。

巣を見たら、



そこに ハトは居ませんでした。


「まさか」
不安になって樹の根元を見たけど、

落ちた、というわけでも、なかった。
ここは秋田の山間ではないから、アオダイショウに食われちゃったということも、おそらくあるまい。

と、
少し離れて見ると



居ました。


すぐそばの木の間を 横に架け渡してある、竹の「物干し竿」(支柱の支持用・横つっかい棒、、とでも申すのでしょうか)

そこに、止まっていました。二羽とも。同じ方向を向いて。


外見は、ちょっと変わったように見えました。
いわゆる「ひな」の形を残し、妙にほの白く、毛羽立って、痩せた感じ、、
だったのが、
いわゆる「ハト」然としているように見えます。
上野の公園にいくらでも居そうなあの、灰色に群成すオトナの「ハト」の風体になっていました。
気のせいですかね。初めて全身を見たから、かも。



近づいても、そんなにてんてこまいにも なりません。
わずか数日の間に、オトナの階段登ってしまったのでしょうか。


それにしても
無事のようで、ひとまず ホッとしました。
少なくとも、ちょっとは飛べるのですね。


(容赦なく 近づいて撮る、の図)




親鳥が 仮に もうこの二羽を見放してしまったのだとしても

この分なら、生きて行けるでしょう。




さて
彼らは どこに 新しい巣を作ることになるのでしょう。
やっぱり、ハトのメッカ:上野公園かしらん。




手入れは、今日で完了。
私達も そっと 彼らに別れを告げました。



某ナントカの某ナントカばっかりじゃしょうがないのでタネ明かししますが、

市ヶ谷のソニービルの脇にある、小さな坂道上に、ここはあります。
「○○坂」と名前の付いているまっすぐな坂ではなく、ちょっと見るとすぐ行き止まりになってそうな、
でも登って行くと「ぐね~~」っと蛇行している、のぼり坂。
坂の地図と「定火消(じょうびけし)発祥のなんちゃら」みたいな小さな碑文棒が片隅に立ってたりするのが、目印。


その坂道の途上に、この「ラインガーデン」は、あります。


パッと見、なんてことない植栽の連続。気にならない人にはきっと、全く気にならないかも。
ですが、
色んな木があり、色んな草花があります。



(今は手入れしたばかりなので、ちょっと殺風景かもしれないけど)


坂道のちいさな森の背景には、青い空が広がります。




四季折々、色々な色や においが ちりばめられることでしょう。



春にはハナモモが、キレイだそうです。ハクモクレンも薫るでしょう。


夏にはアジサイ、ギボウシ、サルスベリ。

来年の秋にはもちろん、キンモクセイの香りが満ちあふれるはず!(前回参照)

今、紅葉が混じり始め。



サザンカがちらほら。


ちょっとかがむと、アップルミントが。甘くて涼しくて優しい香りが、素敵すぎます。


ああ困った、ほんとに色々あるな。紹介しきれませんな。



もしご興味を持って頂けましたら、ちょっと分かりにくいですが、足を運んでみてもいいかも。
散歩(あるいは歩行運動)がてら。


(急いでて、あんまり素敵な写真じゃないけど;)

道の片側は 静かなマンションや住宅が建ち並ぶ場所なので、
どうぞ慌てず騒がず、
ただ「歩きすぎる」それだけの、数分の、静かなひとときを、
静かに楽しんで頂けたら、是幸いです。

あとは
ご近所の「庭番」のみなさんが、きっともっと素敵に調えてくれると思います。
宜しくお願いします。



ハトは もうすぐ 巣立つでしょう。




* * * *

おしまい。

今日はとにもかくにも ハトをグレイテスト・フィーチャーして、お届けしました。
殆ど同じような写真ばっかりだけど、気にしない。

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金木犀の残り香を

2008年11月15日 20時25分22秒 | 山田茂雄造園「現場だより」
現在 番人長は、東京に出向しています。

ということで、
秋田のレポートは ひとまずお休み。
楽しみに見て下さった方、すみません。


秋田森テラは番人A氏が守っているので、よかったら遊びに行ってみて下さい。
ただし、もう、とっても寒いですよ。
けれど、紅葉は、盛りも半ば過ぎ。
「ぞうき林のさんぽみち」あたりは、



赤、黄、橙。キレイです。


(山頂~「ナラのひろば」あたりは、まさに見頃。)



さて
これからしばらくは 所を東京に変えまして、
本業:「造園」の現場レポートを綴って参ります。


その気になったら、秋田で溜め込んで来たネタをポロポロッと織り交ぜつつ、
出来たらなーと思います。


* * * * *


現在、市ヶ谷の某所にて 手入れをしています。
3、4年に作った庭だそうです。

いわゆる「庭」と言われて連想するような、
”囲まれた空間” 
というより、

道沿いに細長~~く延びた、街路樹植栽的な、「庭」です。



細長いと言っても、3~5m近い様々な樹がずらずら~っと立ち並ぶ、こんもり豊かな庭です。
大きな幹線道路から脇に入った、裏道っぽい 広くない坂道なので、
静かです。

腰をかけて のんびり過ごす
という設定で作られては居ないけれど、
この長~い坂道を延々歩いている間に、意識して見たりせずとも、

色んな緑は ちらちら 視界に入り

歩いてる道はアスファルトだけど
なんだか

ちょっとした公園の小径を散歩しているような、、そんな気分にも、なったり、します。






ふだんは、
ご近所の方がみんなで「当番」を割り振って、お手入れをして下さっているそうです。
「庭番」ですね。うちの「森番」みたいなものですね。

だから、時折
「ありがとうね」と、声をかけられます。当番を受け持っている方々です。
通りがけに、嬉しそうに 眺めて、行かれます。

「気持ち良くなるねえ」
「木も、散髪すると、気持ち良いよねえ」

そうですねえ。



「すみませんねえ」と仰ることもあります。

”私達”の庭を手入れしてくれて、ありがとう、代わりにやって頂いて、すみません、
ということなのですね。

ここは、ふつうに見れば「公共スペース」のような空間。なので、
ふつうなら、“自分とは何にも関係ない”道行く人は、気にも留めず、素通りするところでしょう。

地域の人たちが、自分たちの「庭」という意識をもって
大切に管理してくれる。
そうすると、そんじょそこらの道すがらの「植栽」も、
立派な「庭」になり、

人にとっても、緑にとっても 心地好い空気が、育まれる。
ここに居ると、そんな気がします。





夏の間に すっかりこんもり茂って鬱蒼となっていたので、
けっこう透(す)いています。そうしないと、
蔭に負けてダメになってしまうものが出たりしてしまうそうです。


樹を透けば、

光が透けます。

光が、木の葉のすきまに透けて、じんわり、満たされます。



時に、ここのところは 20℃近い、暖かい晴れ続き。
(紅葉は まだあまり見られません。)

あたたかい光が 樹冠に溜まって、白く包んでいるようで

「これならきっと、さらに元気に育つんだろうなあ」

子どもを見る親のような
そんな気持ちが湧いたり、します。




色んな木があります。
ちょっと珍しいなと思ったのは、ブラシノキ。



種と云うか花の痕みたいなのが、変な形してるのです。

あと、
ハナカイドウ、サルスベリ、とか。モミジもあるし、ハナミズキも。
そして、

金木犀(きんもくせい)が、いっぱいあります。

あの
素晴らしい蜜色の芳香でもって 秋の訪れを告げる花は、

もう、とっくに終わっていました。

秋田では(育つはずなんですが)滅多に見なかったので、
金木犀ファンとしてはちょっぴり「哀しみの秋」、だったのですが、

東京に戻れたけど、もう金木犀も終わってる。終わって散ってくすんだチリのかけらになった”元”花なら、たくさん積もっていました。残念。今年も、かぐわい損ねた。

、と、
そんな、ちょびっとしんみり気分でガサガサ、切った枝葉をかき集めて居たところ:



出逢ってしまえたのです。

奥の方に、ちょびっとだけ残っていた、
オレンジ色の、小さな花。


懐かしい、あの香りがしました。

もしかしたら、町中のどこか、あちこちに、
まだ残り香を見つけられるかもしれません。
だって、
紅葉もまだ、あんまり始まってないみたいだもの。





東京の秋は、まだこれから。

秋田の秋は、終盤にさしかかっています。

* * * * *


ありがとうございます。今回もついつい長いね。すみませんね。
所変われば、そういう説明も要るのですもの。

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というわけで
東京です。



都会の色です。


湯屋の庭から静岡へ

2008年07月19日 22時26分25秒 | 山田茂雄造園「現場だより」
ちらりちらりとレポートして参りました、湯屋の庭。
出来上がりです。

宮城:白石蔵王にある、某温泉旅館。
リニューアルオープンに合わせ、新玄関前の庭を作りました。

水鉢の庭と、

江戸時代に作られたツツジの森に連なる、


斜面の森庭。

ヤマボウシやサンシュユ、グミなどの木と、アジサイやユキヤナギ、コデマリなどの低木を植えました。








ちなみに:
毎日、由緒ある「薬湯」に浸からせて頂き、
傷と疲れを癒させて頂きました。

美味しいお料理も、毎度毎度頂きっぱなしでした。


懐石の前菜からこんな感じ。贅沢!






もし良かったら、探して、行ってみて下さい。
ヒントは、白石蔵王の○先温泉。「千と千尋」の湯屋そっくりな、雰囲気の素敵な湯宿です。


迷路みたいです。


ユリの香りが随所に満ちて居りました。


いいお湯です。






うって変わって、
ただいま静岡に居ります。
某チャペルガーデン付きレストランのお庭の手入れをしています。

写真をちらり。




水鉢です。オーナーはどうやら水鉢が好きなようです。



パッと見、鬱蒼としています。オーナーはどうやら鬱蒼が好きなようです。



よくわからない色んな花が咲いています。オーナーはカラフルなのも好きなようです。



上の写真の一番手前にあるムラサキの花、ノボタン。そのつぼみです。なんだか奇怪な動物みたいです。


静岡、暑いです!


今回も良かったら
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水鉢

2008年07月16日 22時40分29秒 | 山田茂雄造園「現場だより」
ここ数日、山田造園一同で、こつこつと、某湯屋の庭を造って居ります。

月曜から火曜にかけて:

「水鉢」を据えました。

重~~い石を運び、
試行錯誤しながら積む。
言葉にするとあっという間のことのようですが、

大変な重労働です!


チェーンブロックで、吊って、据えたい場所に下ろして行きます。



これが主要な「パーツ」の、石たちです。
たった4個ほどですが、一個ずつ、完全に人力で、長い険しい坂を、台車に載せてひいひい運びました。

さて、
どれをどう組み合わせるのやら。この時点では、まだサッパリです。



はい。据えました。
ほんとはこうなるまでに結構かかってます。
こういう、一番面白そうな、肝心なところは、作業が一番大変な時なので、
全く撮っていられません!




石を加工してるとこです。えぐってます。これを一体、どうするというのでしょう。




運び入れます、
圧倒的に 純粋なる 人力です。

がんばれがんばれと念じつつ、こうして写真を撮っているということは、私は当然、
圧倒的に 純粋なる 傍観者でした。(このときは!)



こういうふうに据わりました。まさかの縦置き。



さらにパーツは組み合わされ



こうなりました。
水鉢の盆、樋(とよ)、カイバ桶(水受け)などの4つの石がそれぞれ組合わさって、
こうなるわけです。

それプラス、
回りに石を据えたり、沢からとって来た砂利を敷いたり、

木を植えたり、


流れる水が、たまるところにちゃんと溜まるよう、工夫したりして、




こんな風情に おさまりました。



出来るまでは サッパリ想像もつかなかったのが、

出来た途端に 
あたかも以前からそうだったかのような錯覚をしてしまう。

そういうふうに造ることが出来たら、
庭はおそらく「うまく出来た」と言えるのでしょう。




夜は乾杯。





この度も、ありがとうございます。
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そろそろ、秋田森テラの次回イベントのお知らせを致します。乞うご期待+



【庭現場】湯屋の庭より

2008年07月13日 22時04分07秒 | 山田茂雄造園「現場だより」
森のテラスのオーナーの本業は、造園です。


というわけで:
カテゴリーに <山田茂雄造園「現場だより」> を追加しました。
日本国内、あちこちで庭を造っている現場の生の様子も、可能な限り、お伝えしたいと思います。通常の「番人日記」と併せて、何卒宜しくお願いします。


ちなみに:
秋田森テラで今後企画中のイベントやワークショップのことも、もっと見やすくするために
新カテゴリー <秋田:イベント・ワークショップ情報> を、追加しました。
これから続々、参ります。乞うご期待!




さて;

秋田の森番は、今日から、東北某所の温泉旅館にて、庭造りの現場に入っています。
久々の造園現場初日ということで、さすがに作業に一生懸命、
なかなか写真も撮れなかったのですが、

マツの木の移植をしました。

植わっているマツを掘り出して、「根回し」をします。
チェーンで吊り上げて、
どん!と倒して、
ごろごろ回して、
次に植えるところに運び、
木の向き(正面)を微調整させてから、
まわりの土を崩して埋めて、
据え置きます。

それから肝心の作業:「水決め」。
水をたっぷり、根回りに注ぎ入れて、土をゆるくして、すき間を埋めて行きます。これを
「水決め」というのです。

そんなこんなで、切迫した実況的な状況は全く撮ってませんが、




こんな感じで、
この木の移植は出来上がり。




明日は:
この木の足下周囲に、「土留め」のための「石積み」をします。

「イモになんないように、ちゃんと考えてやってよ。たまにちょっと飛ばすとかして。」
とは、造園家:オーナーの、専門用語的な言葉。
パッと聞き、なんのこっちゃわかりませんが。

「芋づる式」という言葉にもあるように、
イモがずらずらーって、一列一様に似た感じで並んでしまうのは「NG」で、
ところどころ、妙所で、石を少し並びの列から外して(=飛ばして)置きなさい、
という意味のようです。多分。

難しそうですね。

でも、とても楽しいです。新鮮。


ちなみに:この温泉旅館、
もともと旧い湯治場だったところなのです。
「千と千尋」の湯屋のような、
木造4階建てとかの沢山の複雑な棟が、入り組んでかぶさり合ってて、
迷路みたい。
そんな、
侘び寂びた、楽しいところです。


今は現場作業中なので、名前はまだ秘密*


それではまた。造園の生現場ファンは、乞うご期待!
秋田の伝えきれなかった最近の様子も、引き続き。、ちょこちょこ継続してお伝えしていければと、思います。




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