写真は、ルビーの内包物である通称「シルク」と
呼ばれるインクルージョンです。
1500度ぐらいで加熱処理すると…
シルク(針状のルチルの結晶)が溶けたと考えられる
のですが、ご覧のように何かやけどしたような姿に
変化します。
無処理で美しいルビーを探されるか方は、しっかりと
内包物の確認と説明も受けて、ご自身の眼で品質を
確かめて頂きたいと思います。
私たちジュエラーは、ルーペで処理の有無を判断
しなければならない機会が多く、ルーペでそれを
見分けられるようになりたい…と9年前から自分たち
でバーナーで美しさに欠けるルビーを加熱したり、
5年前からは、スリランカ産の加熱処理機器を導入
して実験をしています。
実際にインクルージョンを加熱する前と後を
確認することによって加熱したルビーがどういう
姿になるのかが分かってきました。
こちらも典型的な加熱処理の後です。
ご参考まで…
付け加えておきたいのですが、
加熱処理をしたからといって何か悪くなるのでは
ありません。むしろ、品質の高くなかった原石が
美しい姿になるという意味では良いと思います。
ただ、宝石は、美しく、「希少で」経年変化の
無いモノです。それを考えると、希少性が高く
ない処理をした宝石の価値は、相対的に低いと
考えた方が良いということです。(注)
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