前の日曜に雨がかなり降ったので出ているだろうと、妻女山の奥山へキノコ狩りに出かけました。獣道すらない様な急斜面の藪山を歩きます。今年は猛暑のために2週間ぐらいキノコが遅れています。
狙いはウラベニホテイシメジと天然舞茸だったのですが皆無。落葉松林でやっとジコボウ(時候坊・ハナイグチ)を見つけました。ぬめりはナメコより強く、甘さと旨味の強いキノコです。煮込みうどんに鍋に、おろし和えや和風パスタに。
北側の斜面をトラバースしていきます。知らないと現在地がつかみにくい地形です。熊鈴は鳴らしていません。キノコ狩りしているのが分かるからではなく、この季節に月の輪熊はいないからです。8キロ先の鏡台山から来るのですが、3月上旬、5月中旬から6月中旬、クリスマスの頃と決まっています。鏡台山に餌がない季節と、淡竹の筍が出る時期にだけ現れます。
昨年、5株の天然舞茸が出た大きなクヌギ。あと数年は出ないと思います。イノシシが掘り返した跡はあちこちに見られます。ニホンカモシカの糞も。
倒木に小さなムキタケが。ムキタケのシーズンはこれからです。
突然現れる高句麗人の積石塚古墳群。ここに至る道が無いので、知っている人は極わずかです。
あちこちに大きなカラカサタケが出ています。食菌ですが美味しくないので採りません。
枯れ木にウスヒラタケ。
藪こぎをして下ります。ここでもジコボウを少し採りました。
蟹沢(がんざわ)の泉。川中島の戦いでは、上杉軍の陣用水になったと伝わっています。
ハタケシメジの群生地がありました。シャキシャキとした食感でバター醤油炒めなどにすると最高です。ウニや海老とクリームパスタもおすすめ。
ハナイグチ、ムキタケ、ウスヒラタケ、アケビ、山栗。
ハタケシメジ。検索すると幻のホンシメジに最も食味が近いとあります。確かに天然物は格別の旨さですが、ホンシメジと比べるのはどうかな。これを書いた人は本占地を食べたことがないのでは。ホンシメジの旨味成分は松茸の3倍以上あります。比べ物になりません。「匂い松茸味シメジ」といいますが、それを本当に分かっている人は少ないと思います。
●信州の秋はジコボウはじめキノコ三昧。キノコ料理のレシピ。放射能除染方法も(妻女山里山通信):毎年非常にアクセスの多い記事でホンシメジの写真も載せていますが、個別の記事では採取しても載せることはありません。それほど稀少なのです。
Kさんのログハウスを借りてゆるゆると昼餉。中華おこわのおにぎりに、魚肉ソーセージにクミンシードを入れたエスニック風の卵焼き、リンゴのコンポート2種、卵スープ。最高気温が24度。暑いぐらいです。山の風景も秋というより夏の終りの感じ。食後のコーヒーを飲んで下山しました。
遅い午後は、長野県立歴史館へ「諏訪と武田氏」を観に行きました。
資料室と図書館へ。興味深い絵図とか歴史書がたくさんあります。拙書を執筆の際には、何度も通いました。
歴史館から見上げる森将軍塚古墳。翌日、取り残したシロをいくつか回りました。前日の二倍ぐらい採れました。ハタケシメジの菌の移植作業もしました。
量が多いので、ほとんどを小分けして冷蔵と冷凍にしました。今夜はハナイグチとハタケシメジたっぷりのキノコうどん。アゴ出汁で。うどんは、幻の小麦いがちくオレゴンとゆめちから、ゆめせいきのブレンドで手打ちしておいたもの。とろとろで旨味甘みがたっぷりの煮込みうどんになりました。
日曜日の妻女山展望台からの善光寺平。飯縄山、左に戸隠連峰。眼下の長芋畑はまだ葉が緑色です。枯れたら杭から外して燃やします。その煙が風物詩となっています。
展望台の下に咲くノコンギクとヤクシソウ。ヌルデとソメイヨシノが少し色づいてきたぐらいで、まだ秋の風景にはなっていません。
ハナイグチとハタケシメジに秋のサツマイモ、里芋、カボチャ、松代一本葱、信州豚のけんちん汁。天然キノコは味が濃いのでアゴとサバやイワシの出汁粉に貝出汁を合わせました。秋の滋味です。敷布は、在京時代に科博で買った鳥獣戯画の手ぬぐいです。
キノコ料理。「苧環蒸し」と聞いて、好きとか知ってるとかどれだけいるでしょうね。信州はもちろん東京でも少ないと思います。「小田巻き蒸し」とも書きますが、うどん入りの茶碗蒸しのことで、大阪の船場あたりでよく食べられていたちょっと豪華な料理です。昔、卵は高級食材だったのですから、その卵をたくさん使う苧環蒸しが高級料理だったのもうなずけます。丼の底で渦を巻くうどんの様子が、紡いだ麻糸を玉のように巻いた苧環(おだまき)に似ていることから「おだまき蒸し」の名がついたと言われています。今回はカニカマとかまぼこ、ハタケシメジと松代一本葱ですが、紅ズワイとかタラバガニでやったら最高です。簡単で温まるので寒い夜におすすめです。
●苧環蒸し(おだまきむし):バブルの頃に作ったズワイガニを使ったオリジナルレシピです。
雨後3日にピンポイントでハナイグチのシロに行ってみました。傘の開いていないものがたくさん採れました。ハナイグチは成長が早いのです。傘が開いていないものがベストです。大きな傘は味はいいのですが、消化が悪くなります。人によっては食べすぎるとお腹を壊すこともあります。ハタケシメジも少し採れました。ハタケシメジはカニのクリームパスタにします。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
狙いはウラベニホテイシメジと天然舞茸だったのですが皆無。落葉松林でやっとジコボウ(時候坊・ハナイグチ)を見つけました。ぬめりはナメコより強く、甘さと旨味の強いキノコです。煮込みうどんに鍋に、おろし和えや和風パスタに。
北側の斜面をトラバースしていきます。知らないと現在地がつかみにくい地形です。熊鈴は鳴らしていません。キノコ狩りしているのが分かるからではなく、この季節に月の輪熊はいないからです。8キロ先の鏡台山から来るのですが、3月上旬、5月中旬から6月中旬、クリスマスの頃と決まっています。鏡台山に餌がない季節と、淡竹の筍が出る時期にだけ現れます。
昨年、5株の天然舞茸が出た大きなクヌギ。あと数年は出ないと思います。イノシシが掘り返した跡はあちこちに見られます。ニホンカモシカの糞も。
倒木に小さなムキタケが。ムキタケのシーズンはこれからです。
突然現れる高句麗人の積石塚古墳群。ここに至る道が無いので、知っている人は極わずかです。
あちこちに大きなカラカサタケが出ています。食菌ですが美味しくないので採りません。
枯れ木にウスヒラタケ。
藪こぎをして下ります。ここでもジコボウを少し採りました。
蟹沢(がんざわ)の泉。川中島の戦いでは、上杉軍の陣用水になったと伝わっています。
ハタケシメジの群生地がありました。シャキシャキとした食感でバター醤油炒めなどにすると最高です。ウニや海老とクリームパスタもおすすめ。
ハナイグチ、ムキタケ、ウスヒラタケ、アケビ、山栗。
ハタケシメジ。検索すると幻のホンシメジに最も食味が近いとあります。確かに天然物は格別の旨さですが、ホンシメジと比べるのはどうかな。これを書いた人は本占地を食べたことがないのでは。ホンシメジの旨味成分は松茸の3倍以上あります。比べ物になりません。「匂い松茸味シメジ」といいますが、それを本当に分かっている人は少ないと思います。
●信州の秋はジコボウはじめキノコ三昧。キノコ料理のレシピ。放射能除染方法も(妻女山里山通信):毎年非常にアクセスの多い記事でホンシメジの写真も載せていますが、個別の記事では採取しても載せることはありません。それほど稀少なのです。
Kさんのログハウスを借りてゆるゆると昼餉。中華おこわのおにぎりに、魚肉ソーセージにクミンシードを入れたエスニック風の卵焼き、リンゴのコンポート2種、卵スープ。最高気温が24度。暑いぐらいです。山の風景も秋というより夏の終りの感じ。食後のコーヒーを飲んで下山しました。
遅い午後は、長野県立歴史館へ「諏訪と武田氏」を観に行きました。
資料室と図書館へ。興味深い絵図とか歴史書がたくさんあります。拙書を執筆の際には、何度も通いました。
歴史館から見上げる森将軍塚古墳。翌日、取り残したシロをいくつか回りました。前日の二倍ぐらい採れました。ハタケシメジの菌の移植作業もしました。
量が多いので、ほとんどを小分けして冷蔵と冷凍にしました。今夜はハナイグチとハタケシメジたっぷりのキノコうどん。アゴ出汁で。うどんは、幻の小麦いがちくオレゴンとゆめちから、ゆめせいきのブレンドで手打ちしておいたもの。とろとろで旨味甘みがたっぷりの煮込みうどんになりました。
日曜日の妻女山展望台からの善光寺平。飯縄山、左に戸隠連峰。眼下の長芋畑はまだ葉が緑色です。枯れたら杭から外して燃やします。その煙が風物詩となっています。
展望台の下に咲くノコンギクとヤクシソウ。ヌルデとソメイヨシノが少し色づいてきたぐらいで、まだ秋の風景にはなっていません。
ハナイグチとハタケシメジに秋のサツマイモ、里芋、カボチャ、松代一本葱、信州豚のけんちん汁。天然キノコは味が濃いのでアゴとサバやイワシの出汁粉に貝出汁を合わせました。秋の滋味です。敷布は、在京時代に科博で買った鳥獣戯画の手ぬぐいです。
キノコ料理。「苧環蒸し」と聞いて、好きとか知ってるとかどれだけいるでしょうね。信州はもちろん東京でも少ないと思います。「小田巻き蒸し」とも書きますが、うどん入りの茶碗蒸しのことで、大阪の船場あたりでよく食べられていたちょっと豪華な料理です。昔、卵は高級食材だったのですから、その卵をたくさん使う苧環蒸しが高級料理だったのもうなずけます。丼の底で渦を巻くうどんの様子が、紡いだ麻糸を玉のように巻いた苧環(おだまき)に似ていることから「おだまき蒸し」の名がついたと言われています。今回はカニカマとかまぼこ、ハタケシメジと松代一本葱ですが、紅ズワイとかタラバガニでやったら最高です。簡単で温まるので寒い夜におすすめです。
●苧環蒸し(おだまきむし):バブルの頃に作ったズワイガニを使ったオリジナルレシピです。
雨後3日にピンポイントでハナイグチのシロに行ってみました。傘の開いていないものがたくさん採れました。ハナイグチは成長が早いのです。傘が開いていないものがベストです。大きな傘は味はいいのですが、消化が悪くなります。人によっては食べすぎるとお腹を壊すこともあります。ハタケシメジも少し採れました。ハタケシメジはカニのクリームパスタにします。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。