風に吹かれて アンマン

日々の想いを記録に残せたらと願っている
内容は「ヨルダン事情・風物詩・気質」「中欧旅行記」「シリア旅行記」などからなる

ヨルダンの奨学生

2009-10-05 | ヨルダン事情・暮らし・気質
今回はエジプト旅行を一旦離れて、先日訪れたヨルダン人家族について触れたい。

どこの国でも学費に苦慮している若者は多い。
そんな彼らにとって奨学金制度は非常にありがたいものだ。

ヨルダンにも奨学金はいくつかあるようである。

その一つに青年海外協力隊員を中心として、また在ヨルダンの日本人達の協力を得て
運営されているオルドン奨学基金団がある。

奨学金としては年間最大で800JD(約112,000円)が提供される。

私も前任者からの依頼を受けて、現在、私立大学で経営学を専攻している
19歳の女性の後見人を務めている。

彼女の場合、年間の授業料は2,400JDほどなので、奨学金により
カバーされるのは年間授業料の1/3となる。

後見人の役割は、団体に応募者の推薦をし、奨学金を受ける資格を得た場合は
相談相手、受領者と団体との連絡係りといった役回りである。

私が後見人となっている彼女の家族はベドウィン出身であり、
今から8年前の2001年にアンマンの南およそ320kmの
サウジアラビアの国境に近い砂漠地帯であるワディ・ラム近くの村から
アンマン郊外に引っ越してきたそうだ。

しかし1年後、彼女が12歳の時に父は亡くなっている。
彼女の家族構成は現在60歳の母と2人の姉、6人の兄、そして1人の妹と彼女を含めて11名の大家族であり、うち彼女を含めて6名が学生である。
高校生の妹を除いて皆が大学に入学したようだ。

概してヨルダン人は教育熱心と聞く。

また最近一人が失職したこともあり職を得ているのは3名だけである。

ヨルダンでは気に入った仕事がない場合は何がなんでも働くという意識は薄いようで
家族全体で助け合うということが、ごく普通のようである。

そんな家族をラマダン(断食月)明けの祝日休暇を利用して22日に訪ねてみた。


(郊外の彼女の家 壁の赤い箱は新聞受け)

家に着くと家具の整った応接間に案内され、早速アラビア・コーヒのもてなしを
受けた。
そのあと、さらにお茶のサービスを受ける。

ちょうどお昼過ぎのランチ時だったこともあり、マグルーバをご馳走になる。
マグルーバとはひっくり返すとの意味で、鍋をひっくり返して大皿に盛ることから
この名がきたらしい。


(マグルーバ とり肉、カリフラワー、ジャガイモが入っている)

デザートとしてトウモロコシの粉を焼いてシロップに浸けたものと
トルキッシュ・コーヒーをいただく。

食事後、家族の写真を撮らせてもらう。

休暇を利用してワディ・ラムに嫁いだお姉さんの子供たちも来ており、
末の4歳の子は正装して写真を撮らせてくれた。

ラマダン明けの休暇はアラブの人にとっては、日本のお正月のようなものらしい。


(左端と真ん中は姉の息子達13歳、4歳)


(正装した4歳の子)

彼女は将来において生まれ故郷であるワディ・ラム近くの村に
帰りたいと思っている。 
そこはベドウィンとしての習慣・文化が強く残っているところであり女性たちの地位も低いようだ。

その地で彼女は女性の自立を助けるべく主婦や広く女性が収入を得られるような仕事を見つけ、
開発し、それをサポートする組織なり仕組みを作りたいと考えている。

この夢の実現はいつのことかわからないが、まさに今は第一歩であり
彼女の夢が実現することを望んでいる。

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