球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

不調の原因を追う(自宅編)

2007-12-16 | オケと音楽
そして後編。
(長いけど、悪い話じゃないので読んで欲しいです)

ここで記事を分けたのは、楽器屋で起こったイベントが
この場に記録する価値がありそうに思えたから。

前の記事で"一時間程待ってくれと言われた"と書いたけど、
多分意味がわからない人もいると思うので。
まず、今回毛換えをお願いした店は"鶴屋弓弦堂"という弓の専門店。
いや、漫画喫茶で見つけたんだけど。
(基本はコンバスのお店だけど、松脂と毛換えなら他の弦楽器も対応してくれる。)

事前に連絡を入れておいてオーナーさんに調整してもらうスタイルのお店のため、
オーナーさんが外出中なら戻ってくるまで待たなくてはいけない。
その待ち時間が1時間だったということ。



マンションの1室を工房にした感じで、
冷蔵庫やゴミ袋がない、生活感のない部屋というものに初めて足を踏み入れる。
加えて、とても静かでいい雰囲気だったとも言っておきたい。

ここでまず訊かれた内容が…
"弓の毛、太いのにする?細いのにする?"
悲しくも僕はここで面食らった。
今まで"毛換えしてください"→"アイアイサー、5000円"
の流れしか経験したことがなかったので、毛へのこだわりとか、なすぎ。

太い方が音量が出るという話を伺った
(+ 弓を見せたところ今まで使っていた弓の毛は細いものとジャッジされた)ので
どんなもんかと思い太い毛をお願いしてみた。

次の質問は"毛は多い方がいい?少ないほうがいい?"
悲し(ry
…素人考えではなんとなく多い方がいいような気がしてしまう。
弾いているときに切れても毛の残量の心配はしなくていいし、
豊かな音が出そうと思ったので。
ところが現状の毛の量もやや多いくらいと判断されたので
最終的には現状維持ということでお願いした。

毛の束から一つまみの量の毛を取り出し、
オーナーさんはおもむろに作業に入る。
こうやって作業している場面に居合わせたことがなかったので、
目に見える光景がとても新鮮。黙々と作業するオーナーさんと
作業場の静寂な環境がとても小説的な感じで素敵だった。
村上春樹の"ねじまき鳥クロニクル"に出てくるナツメグの家を想像した。



作業は30~40分とのこと。その場で受け取れるシステムで、
これまで数日かけて再び取りに行っていたのは何だったのかと思わせる。
どこかに遊びに行くほどには長くない。

オーナーさんが出してくれた椅子に座りながら、
楔をカットしたり毛を乾かしたりする作業を横目に
最近ずっと読んでいなかったレ・ミゼラブル3巻(マリユス)を読むことにする。
程なく作業が終わる。

さらに、ここでしか売っていないというお話の
Aquila(ガット弦のメーカ)製の松脂をお勧めされ、勢いで買ってみる。
まずオーナさん曰く
"松脂で音は変わりますからね、この松脂はレスポンスが良くてブライトな音がします"
とのこと。
…松脂で音が変わったとか、感じたことないよ(汗

というわけで、
・弓の毛の種類
・松脂
など、テキトーに選んでいたものに新たな視点を与えてくださったオーナーさんに感謝。
もっとちゃんと聴こう、という気にしてくれる。



さっそく帰宅して試奏。肝心のレスポンスは改善され、
弓の引っ掛かりが悪いことはしばらく心配しなくて良くなったことを実感。
よかったぁ。
また次の毛換えもここにお願いしようかなと早くも思ってる。
コメント
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