球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

天空の城

2007-06-15 | 技術
今日はなんとなく、金曜ロードショー『天空の城ラピュタ』を見ましたが…
多少歳をとってから観るとまた新たな発見が沢山あり、
約100分間ずっと感動が身を包みました。
観だしたのが21:30くらいからなので、ちょっと短くなっています。

神秘的で透明感(清潔感?)がありながら、包み込むような大きな存在感を誇る美しい木々。
幻想的な建物。
最小限の言葉で全てを分かり合うヒーローとヒロイン。
愛情を結晶化したみたいな、短い言葉のやり取り。
会話シーンはいちいち胸が痛みました。
会話のテンポのよさは宮崎アニメの中でも出色です。

ラスト近くの玉座でのムスカとシータのやり取りがとても好きです。
昔から深く好んでいましたが、今日再認識しました。
それまでシータ(横沢啓子さん)が少女としての身の丈を崩してこなかったのに、
このシーンだけ皇女としての血を発揮させます。
芯の強さを出し惜しみせず、声が艶っぽく、皇女のそれを思わせます。鳥肌が立つ。
何度聴いてもこのシーンは衝撃的です。

宮崎アニメは海外で賞を貰うこともあるけれど、
やはり全体的なクオリティが凄い。
映画全般に詳しい人なら多少のあらも見つかるのでしょうが、
僕はそこまでではないのでいい所だけを拾うため、不満を感じない。

アニメ大国日本の力を見せ付けられた感じでした。
海外の人はこういうものを見に日本に来るかも知れず、
"少年よ(良質な)アニメを見よ"ってことになるのかな…

とりあえずここ数週間で一番の痺れを体感できました。

以上が、普通の感想。

(以下は細部をほじくり返すマニアックな感想です。
 品性ががくん、がくんと落ちるので、白字で表記します。
 男性諸君はCtrl+aで反転させて読んでいただきたいです。)



◆あなたが、してくれるの?
日本男児諸君ならピンと来るであろうタイトル。
今日はその言葉の出所を一通りトレースできて満足です。
"大佐は、下部の黒い半球体の中です!"

"大佐は、黒いです!"
に編集した発想力に感嘆&笑。

他にもたくさんあるけどね。


◆聖剣伝説。
※ホワイトアウトするにしては長文を書いてしまいますが…

この『ラピュタ』が、『王と鳥』に影響を受けたように、
"天空の城"というモチーフを元に作られた話はいっぱいありますよね。
ここで、関連事項として聖剣伝説の話をしたいと思います。GB版のやつ。

第一作目ながら、僕はシリーズ最高傑作であると信じて疑わないのですが…

ラピュタの存在が、ちょうどマナの神殿として。
普通の少年が、数奇な運命を背負った少女と出会って
やがて大きな使命感の中に投げ込まれていくところがそっくりです。
ヒロインに比類なき愛嬌があることも同じです。
参謀の位置づけのキャラがラストの敵になるところも。

ラストは、ラピュタではハッピーエンドながら
聖剣伝説ではヒロインがマナの木になってその地を守るという
静謐で厳粛極まるものになっていますが。

このシリーズはそもそもの発想(特に"樹"に向き合う姿勢)において
ラピュタの発想を取り入れていることを感じます。
(樹に関して言うなら、ラピュタの森の風景と聖剣伝説3の説明書に描いてある
 樹のグラフィックがそっくりです。)

"世界を救う"とか、そういった人間の意志よりももっと大きな力に裏打ちされたストーリーが
初代聖剣伝説の魅力で、そういった意味で
恐らく第一作を越えることは無理なのではないかと感じています。

"天空の古代文明"というモチーフは、未来(つまり現代)の定番になりました。
こんな荒唐無稽な設定が滅びるどころか守られ続けていくなんて…
そこに人は憧れ、ロマンを求めるのでしょうか。


コメント
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