あられふる真木の板屋のかたびさしおとにたててぞ冬は来にける(為家卿藤川題百首)
時雨にも木の葉にも似ず音たてて霰はしるき板びさしかな(藤河五百首)
はなすすき枯れ野の草のたもとにも玉ちるばかりふるあられかな(新後撰和歌集)
かきくらし霰ふりしけ白玉をしける庭とも人の見るべく(後撰和歌集)
ささ竹の大宮人の袖のうへにかざしのたまと降るあられかな(新後拾遺和歌集)
玉の緒のみだれたるかと見えつるは袂にかかる霰なりけり(道命阿闍梨集)
あられ降り玉と見れどもひろひおきてこころのごとく貫(ぬ)かば消(け)ぬべし(家持集)
道たえて人もたづ ねぬまきのとに冬の夜すがら霰おとなふ(堀河百首)
さゆる夜のまきのいたやのひとり寝にこころくだけと霰ふるなり(千載和歌集)
夜をさむみ霰たばしる山ざとは苔のむしろに寝覚めをぞする(堀河百首)
冬の夜のねざめにきけばかたをかのならの枯れ葉に霰ふるなり(風雅和歌集)
真柴ふくやどの霰に夢さめて有明がたの月を見るかな(千載和歌集)
(2009年12月2日の「霰(あられ)」の記事は削除しました。)