Tik's little window 

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ジャニース映画?!2本

2007-01-06 17:45:25 | movie
 元旦、4日と映画館へ。映画館大好きの自分にとって幸せな本年の幕開け。

 気がつけば主演はジャニーズメンバーで、年末に「木更津・・・」も入れると、3本連続ジャニース主演!?!流石!ジャニーズ、いい男揃い。ジャニーズ映画祭り!?!の感じで年を明けました。(笑)

 まずは元旦、映画の日、木村拓也の「武士の一分」
 世間絶賛!?!山田洋次監督も「木村君は・・・」と絶賛の話ばかり聞こえてくると、へそ曲がりな自分は、どうしても疑いの目。でも、隠れSMAPファンの自分は、それでも見たい!どうしても見たい、木村君!!と言うことで、元旦に見ると早々に決めていた。

 印象的に流れる尺八の音色をバックに、家族に恵まれない同士、幼い頃から好きあって一緒になった侍若夫婦の慎ましく、初々しく仲良の良い暮らしむきが映し出される。
 芸達者な俳優がびっしりと脇を固めて、彩を添え、中でも、常に主役ふたりの側に寄り添う笹野高史の存在力は大。桃井かおりの、親戚に一人入るような、なんともうるさい叔母さんが良い。いつの間に、こんな匂いがする女優さんになったのか。緒方拳の師匠の貫禄、小林稔侍の久々に見たとぼけた感じも最高。そして敵役の坂東三津五郎。貫禄があって、戦う相手には申し分無し。これだけ演技力・キャラクターたっぷりの役者人に囲まれて、木村拓也と檀れいは、ありのままの魅力を力いっぱい出すことだけに集中!?
 なかなか事件は起きず退屈なくらい静かな暮らしぶりが、紹介され、待ちに待った?!事件が起きる。ここからが若き二人の見せ所!とばかり、二人の苦悩の演技。木村拓也の宙を見据えた目の迫力も増してくる。盲目で木刀を振るシーンは、特に力がこもっていて、「たそがれ清兵衛」の真田広之(殺陣も十分見せられる大好きな役者さんの一人)のそれとは違った、若さいパワーが感じられた。期待したよりはるかに短い、殺陣シーンにがっかりもしたが、山田監督が、全体を通して見せたかったことは、激しさよりも、苦難を乗り越えて、淡々と互いを思い静かに暮らし日々を送る強さだったか・・・。期待を裏切らない終わり方に、気持ち良くほろりとさせられ、尺八の音をバックにクレジットタイトルを見ながら、余韻に浸って席を立った。
 
 最初から最後まで「木村君に任せた!」と言う感じの、余分な演出も台詞も、一切省き、木村拓也の魅力を前面に出して見せる作り。それに答えようとする木村君の気合が伝わってきた。(と言っても、ふっと力を抜いて見せる演技もあり!)訛りも自然に聞こえて、どんな役も、木村拓也独特の台詞まわしだと思って聞いているうちに、いつの間にか役柄にはまってしまった。まさにスターの魅力。(健さん、千葉ちゃんも役を自分に引き込んでしまうタイプ!)さて、木村拓也が苦手と言う人にはどんな感じで見られるのか・・・?ついでだが、何度も出てきた食事のシーンで、食べた茶碗をお湯で洗って飲んで、拭いてしまう様子を見て、なんて自然に良い暮らしなのだろうと、感心してしまった。こうして、日本のきれいな水は、守られてきたのだろう

 2本目は嵐の二宮和也 出演の「硫黄島からの手紙」まさにドキュメンタリータッチの作品。あまりに悲惨で涙が出なかった。肩が凝って息苦しくなってしまった。沢山の戦争映画を見てきた自分は、どうしても、ドラマとしてこの作品を楽しむことが出来なかった。つらい思いが伝われば良いというなら十分伝わってきた。モノクロがかった画面に、幾度となく出てくる鮮やかでドス黒く真っ赤な血の付いた傷口、飛び散る血。そこまで見たくないと思う気持ち、見る度に凍りつく心。そして涙も凍りついてしまった。現実は、もっと悲惨で、息苦しくなるトンネルの空気は想像も絶するものだったと思う。でも、あえて言うなら、ドキュメンタリーではなくドラマとして見たかった。手紙が出てきたシーン、書いているシーンをちらちら見せて、題の手紙に繋がるのだろうと思いながら、心が凍りついたまま映画館街を後にした。
 どうしてあそこまで心が凍りつき息が詰まったのだろう・・・と思った時、戦闘シーンで、サウンドトラックが聞こえていないことに気づいた。大音響で、弾丸、爆弾の音、爆撃機の音に息を詰まらせて見ていた。周りを見回すと、皆背筋を正して画面を見つめていた。隣の次女は耳をふさいでいたが・・・

 「戦争」は誰が良いでも悪いでもなく、悲惨なだけ。敵も味方も皆、命を落とす。ささやかな暮らしの中でも人は戦いをやめることはないが、「戦争」は、すべてを奪い合う。人間最低の行為だと、今回も思って帰ってきた。これが伝われば、クリント・イーストウッド監督は満足?!アメリカ人が、日本の俳優を使って撮った、戦争ドキュメンタリー。それ以上でもそれ以下でもない自分の評価だが、撮ってくれたことに感謝して
命を捧げた(捧げざるを得なかった)多くの人々のことをいつまでも忘れないで生きて生きたい
と思った。

 渡辺謙の笑顔と二宮和也の力を抜いた演技に引っ張られて、見ることが出来た。脇を固める役者もなかなかの熱演だったが、最も印象に残ったのは、伊原剛志の自然な演技!最後まで爽やかだった。(JAC出身と読んで又嬉しくなった)スタントマンにも拍手!でもやはり心固まる演出は、もうあまり見たくないと、思ってしまった。

 幸せ気分になれる映画を、今度は見に行こう!