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山田太一作品の中の千葉ちゃん-「夢に見た日々」

2009-03-02 00:00:00 | S.Chiba
 千葉ちゃんの「夢に見た日々」を見たいと言われ嬉しくなって1~10話までダビングしつつ鑑賞。千葉ちゃんの山田太一脚本作品第二弾(第一弾は「深夜にようこそ」)千葉ちゃんの、アクション抜きTVドラマをあげる時、いつも最初にあげる作品。ちなみに、二番目3番目は「十字路(脚本・鎌田敏男)」「足で見る山(宮内婦貴子)」3作品は、HPでも、詳しく紹介したいと思っているが、まずは、「夢に見た日々」のあらすじを簡単に・・・

 結婚の約束をしていた彼氏(春田)に裏切られ結婚式場へ乗り込んだ銀行員の佐野量子は、仕事帰りに職場の上司桃井かおりにレストランに誘われ、職場の異動の話をされる。突然、桃井かおりが席を立ち、「何見ているんですか?!」と、奥の席で一人で食事をしていた千葉真一に、言いに行く事から物語が始まっていく。「何も、見ていない」と言われて、自分のとっぴな行動に我に帰り「ごめんなさい」とうずくまる桃井かおり。千葉ちゃんは、二人をマンションへり届け、「ルパン3世?!」と名前もかたらずコーヒーを一杯だけ飲んで去る。二人は、花を届けたり、ドライブに誘ったりする男が、元プロ野球選手だった事を知る。そして、レストランの雇われ店長になっていて、落ちぶれて従業員からも妻からも、愛想を付かされていた千葉ちゃんに失望しつつも、千葉ちゃんが一年期限でまかされたレストランの、新装開店に関わっていくことになる。千葉ちゃんをはじめ、桃井かおり佐野量子、そして従業員たちが、普段見せない裏の顔・私生活を暴露され、傷つけられ、労わり合いながら、店は開店へと近づいてゆく。気がつけば、人々の新しい暖かなつながりが出来上がり、夢に見たような店が出来上がっていた。そして、千葉ちゃんと、桃井かおりの間には、もう一つのつながりが・・・。

 千葉ちゃんのほか、桃井かおり、佐野量子、中島唱子、坂上忍、なぎら健壱、三崎千恵子、すまけい、ざっと上げただけでも芸達者な競演人に囲まれた千葉ちゃん作品。仲でも、桃井かおりさんとのシーン。二人の会話が、とても気に入っている。

 山田太一作品を全て見ているわけではなく、どちらかといえば、鑑賞作品は少ないが、何度見ても飽きないのは千葉ちゃんが出ているからだけではない。木下恵介監督の映画の世界から、脚本家・山田太一へ。人間を見つめる姿勢・描く姿勢に、同じような思いを感じる。脚本家、山田太一の台詞は、飾りがなくて、単刀直入なイメージがある。独特な台詞の終わりかた。台詞と台詞の間に流れる空気・感情を、演じる役者自身がしっかり作っていなければ、台詞はただの台詞となって空間に漂う。台詞の後ろに脚本家が見え見えで、まるで人形劇を見ている感じで、冷めてしまったりする。

 この作品の桃井かおりさんに拍手。難しく、いやらしい役になりそうな主人公の一人を、どこまでも、あるがままの人間の思いとして受け入れられるように、説得力を持って演じきっている。千葉ちゃんも、自然体でふっと漏らす言葉が、良い。ラストの、二人の会話は、台詞の裏にある重いが胸に溢れて何度見てもジーンと心に沁みる。

 決して千葉ちゃんは気に入っていなかったという主人公のキャラクターだが、時に現実と被る?!この主人公を演じる千葉ちゃんがとても好きだ。千葉ちゃんが、この作品に出てくれたこと、そして、何よりも、この作品を書いてくれた山田太一氏、起用してくれたプロデューサーに心から感謝して見てしまう作品。

 『夢に見た日々』自分にも、他人にも優しい気持ちになれる作品。是非、千葉ちゃんファンに、そして、それ以外の方にも、見て欲しい!!
コメント (6)
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