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スポーツ観戦&体験記、
映画&ドラマ鑑賞記、
日々の出来事などを、綴ってまいります

涙と笑顔、危険と不安、勇気と失望、そして、涙と笑顔と希望と祈り-『キイハンタ-』

2011-03-27 13:48:00 | KEYHUNTER
津波が襲う様子を見てすぐ浮かんだのは「戦争」だった。敵国がいるわけでもなく、これは天災と思えるのが救いだったが、焼け野原となった地、全ての建物がなくなった様子は、爆弾の落とされた後の写真のような衝撃だった。

 戦後の貧困、混乱、占領下になったアメリカの支援(「ガリオア・エロア資金」)による復興、ユニセフによる子供たちへ援助の手もよく知らぬまま産まれ育った自分が、戦争について考え始めたのは「キイハンター」の影響が大だ。

1968年、戦後復興から一息ついて、世の中が騒がしくなってきた頃、始まった「キイハンター」。米ソ冷戦の中、ノンポリ(ノンポリシー)、公害、学園紛争、3億円強盗事件など、言葉だけは聞いた事がある事件が起きた年。動乱、虐殺、テロリストなど、初めて聞く言葉の意味も良くわからぬままに、風間君やメンバーの活躍に夢中になっていた。放射能、ガイガーカウンター、などの言葉も、初めて聞いた気がする。「キイハンター」で教わったものは数え切れない。小学生から中学生になる多感な時代に、出会った自分は幸せだった。

 ほかにも「キイハンター」から教えてもらったものは、勇気であり、笑いの影の涙であり、一人の人間の中にある善意と悪意、正義と情け、友情、夢、現実の厳しさ、そして、涙と笑顔の裏にある思い。裏切られても信じる、悪人でも命は一つ、悪を憎んでも人を憎まず、傷つきながら、涙をぬぐいながら、仲間に見守られ、支えられて、情けを捨て、命を懸け、任務を遂行するキイハンターのメンバー達に、気持ちを重ね合わせて、見入っていた。

 どんなアクションドラマ刑事ドラマを見ても、原点の「キイハンター」に戻ってしまうのは、ラストの笑顔。シビアな国際犯罪を扱いながらも、ギャグをこなす、キイハンターのメンバーの明るさ(逞しさ)であり、厳しさの裏にある優しさ、懐の深さ。

 一番懐の大きいのはもちろんボス!(丹波哲郎)ボスなのに、ラフな服装で軽く任務を伝え、軽いおふざけもこなしつつも、最後はメンバーの心の傷口にそっと手を当てるように言葉を掛ける。

 少女時代、兄の存在に憧れながら見ていた臆病だった自分にとって、ジョークを言いながら、危険に立ち向かい、悪人の相棒に涙し、傷だらけになりながら、仲間に笑顔で微笑む(またはウィンク!)風間洋介は、ヒローだった。

 今、悲惨な状況の中、涙ぐみながらも微笑む人々が画面に映しだされる。「もっともっと泣き顔でいてもいいんだよ」人々の心の強さに胸が締め付けられている。その笑顔を見て(どんなにか辛さをこらえているか、皆知っているから)仲間が集まって来る。一緒に、前を向いて歩き出そうと、手が差し伸べられる。

 怖がり泣き虫の自分も、皆さんの勇気をもらって、そろそろ歩き出さなくては!ちょいと苦笑いのウィンクなどしてみたりして・・・自分の行くべき道へ。

 そして、未だ福島で、日本を世界を地球を救う使命を胸に、日夜、未知なる脅威と命懸けて戦っている沢山の勇敢な人々がいる。勇気を持って誇りを胸に送り出す家族・肉親の思いは、推し量る事などできないが、過酷な条件の中、黙々と作業を続ける人々の無事を、一日も早く、一刻も早く、事態が収集する事を、心から祈っている。

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大切な事、大切なものを自分で考えるー原発事故

2011-03-20 23:57:00 | ノンジャンル
イタリアテレビ局の興味深い記事を紹介しているブログを知った。

『16日、イタリアの市民保護局の隊員が、東京で放射線量を調べてみたところ、0.04マイクロシーベルト/hであった。ちなみにローマの平均放射線量は0.25マイクロシーベルト/hである』

http://www.rainews24.it/it/news.php?newsid=151021

http://www.lachirico.com/2011/03/18/giappone-11/

 外国人は皆避難していると聞く。それでも、日本にいる外人観光客を見て、感謝。

 毎日何度も、原発の報告をする枝野幸男官房長官の姿、いつの間にか頭が下がる思いで聴いている自分。

 緊急消防援助隊第1陣の3人の会見で、「福島原発に行ってくるよ」と妻にメールを打った佐藤消防司監に、「日本の救世主になってください」と1行返信が来たと、涙を浮かべ、笑顔で話す姿に、自分も思わず涙。いつの時代も、私達は困難に命がけで立ち向かう人達に救われてきた。感謝!

 沢山の情報が流れている、しかしその真偽を確かめるのは至難の業、それでも、映像に写る表情は真実。もちろん、編集はされているが。

 今、心が試されている。
勇気、善意、嘆き、動揺、人の心は傷つきやすく不安定。だが、必死で自分を奮い立たせる勇気がある。弱さと逞しさ、明るさと暗さ、善意と悪意、愚かさと賢さ、それぞれが一つの心に同居しているのが人間。例えば「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンのように、罪人でありヒーローなのだ。
 
 ダメな部分を上げて、嘆き攻撃する事は簡単な事だが、いつでも、どんな時でも、人間の可能性を信じ、良いとこ取りで生きていけたらと思う。

 頑張れ!日本!!頑張れ人間!!自分の可能性を信じて!!!(祈)


SMILE Michael Jackson ≪ 日本語字幕・和訳≫
http://www.youtube.com/watch?v=pyRa_ygq1nc&feature=related



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命があって、勇気があって、希望があるー東北関東大震災

2011-03-19 00:11:00 | 事件
 東北関東大震災から一週間。昼も夜も何度も余震の揺れを感じていた日々が過ぎ、ちょっとの揺れでも当日を思い出しビビッていた自分も、揺れがすくなくなって大分落ち着いてきた。

 しかし、震えや涙は時が経ってから来るらしい。数日間、報道番組を食い入るように見つめていたが、今は、地震直後よりも早く、あっという間に涙腺が緩んで、気がつかないうちに涙が落ちてくる。災害に直撃された方はいかほどか・・・そして、まだ嘆き余裕もなく、今も命がけで戦っている人もいる。

 
 必死にこらえる姿、耐える姿が胸に迫る、各国からの支援、励ましの言葉に涙。悲しい報告以上に、90時間ぶりに助かった、2000人の無事がわかったというニュースに涙の拍手!4ヶ月の赤ちゃんが助かった話に、思わず手を合わせてしまった。

 ずっと気になっている人がいる。避難所で暮らす80歳?!のおばあちゃん!
インタビューに答え、『助けてもらった!』とその様子を話していたのを聞き、「凄いおばあちゃんだな~よかったな~!」と見ていた。
そして、翌日のインタビューでは一転して、『家も何もなくなって、若い子が沢山亡くなったのに、自分が生きているのが辛い』とか細い声でぽろぽろと涙を流して話していた。

 思わずそんなこと無い!と、もらい泣き。沢山の命が奪われた中で、奇跡的に救われた命がある。それは決して偶然ではなく、ちゃんと意味のある命なのだと信じている。必然であり、神様が意味を持って生かした命なのだと自分は思う。消えた命にも一つ一つ意味があるように。
 
 以前、聞いた「HERO」という歌を思い出す。
東京国際 フォーラムで行われた中国・四川大地震チャリティ・コンサート『ハートエイド・四川』で、香港の歌手サンディ・ラムが歌っていた曲。以来自分を勇気付けてくれる大好きな唄の一つになった。

 80歳のおばあちゃんにも届けたい。歌詞も何も良くわからないかもしれないけれど、おばあちゃんに捧げたい。

「生きてください!長生きしてください!避難所の子供たちと一緒に!!神様が生かした大切な命です。」

マライア・キャリー「HERO」訳付き

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=rE3KlO56OYU




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カッコよくどこか危うくー俳優千葉真一のドラマの魅力

2011-03-08 00:00:00 | S.Chiba
昨年、芸能生活50周年記念の区切りをつけたJJサニー千葉こと、千葉ちゃん!
 
 器械体操仕込みの身のこなし、迫真の表情、始めてみるスリリングなシーンに、初めてアクションの魅力を知った、教えてくれたのは、もちろん千葉ちゃん!!

 一方、今見直している「出来ちゃった結婚」の千葉ちゃんは、脇役でアクションも無いが、千葉ちゃんならではの父親の表情に、見入ってしまう。

 前回も書いたが、2月に遂にビデオ化された「日本暗殺秘録」の中では、30歳の千葉ちゃんのアクション封印した熱演を見る事が出来る。

 スカパーでは、千葉ちゃん率いるJAC最盛期のアクション時代劇「影の軍団」の放送が最終シリーズに入っている。一方で、なかなか千葉ちゃんのドラマは放送される事が無く残念に思っている。

 千葉ちゃんのアクションなしのドラマ出演作品を、いくつか挙げて見ると・・・

 ・鎌田敏夫、作「十字路」シリーズ<共演、草刈正雄>
 ・向田邦子、作「七色とんがらし」<賠償美津子との夫婦役、ファミリードラマ>
 ・山田太一、作「深夜にようこそ」<コンビニ店員役>
        「夢に見た日々」<共演、桃井かおり>
 ・早坂暁、作 「南十字星 コルネリアお雪異聞わたしの山田長政」<共演?吉永小百合>
 ・倉本聰、作 「秋のシナリオ」<共演、浅丘ルリ子と共演>
 
 誰もが知るテレビドラマ名作家の作品そして名優名女優の名が連なる作品群。ファンとしては嬉しくなるが、一方、現在なかなか再放送等がされる事が無いのが、とても残念!

 今、手元のビデオを確認しながら、作品と俳優千葉ちゃんの魅力を紹介していきたいと思っている。70歳になった千葉ちゃんをドラマで再び見てみたいという願いを込めて!

 第一弾は、今までも何度か取り上げてきた最も好きな山田太一ドラマ「夢に見た日々」を10話まで、一話ずつストーリーと共に紹介していきたいと思う。

 謎のダンディーな紳士から、一気に落ちてゆく?!千葉ちゃんには珍しい役どころ。桃井かおりと千葉ちゃんが起こす化学反応が、山田太一作品独特の人物描写にさらに深みを与える。個性的で独特の味を持つ共演陣と共に『テラス』というレストランを巡りさまざまな人間模様を、優しいテーマ曲をバックに描かれる。

 人間同士のつながりが、希薄になって行く時代の変化を感じる頃の作品で、同じ山田太一作品「深夜にようこそ」に続いて主演で参加した千葉ちゃん!一度は栄光を手にしたが、挫折を重ねる中、歳とともに自信も誇りを失ない、わずかな希望にすがってゆく姿は、見ていてもぐっと胸に迫ってくる。ロマンスグレーでダンディーな大人の男の魅力が滲み出る時期の千葉ちゃんが挑んだ作品、お楽しみに!! 
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夢に見た若き千葉ちゃん「小沼正」との再会ー祝!「日本暗殺秘録」DVD発売

2011-03-06 00:00:00 | S.Chiba
 「キイハンター」に出会い、風間洋介にどっぷりはまった頃、文通していたファンから頂いた一枚の千葉ちゃんの写真の表情がとても気に入って、今でも、肌身離さず持ち歩いている。着物姿でファンに囲まれサインを書きながらカメラに視線を向けた千葉ちゃんの柔らかい表情。「日本暗殺秘録」撮影中の30歳の千葉ちゃん!

 1969年10月15日に公開された「日本暗殺秘録」は、その題のとおり江戸時代から昭和までの数々の暗殺事件をオムニバス方式で描く、豪華な東映オールキャストの142分の長編作品。上映は時々行われ、自分は京橋の満員のフィルムセンターで初めて見た。衝撃だった!過激な内容の為、昭和には決してビデオ化されないだろうと、言われていた。その作品が、平成に入って遂にDVD発売に漕ぎ着けた。

 オープニング桜田門外の編の若山富三郎の迫力の殺陣から始まり、鶴田浩二の二・二六事件で終わる、その間のもっとも長い時間をかけて描かれるのが、千葉ちゃん扮する小沼正の起こした血盟団事件。22分過ぎからの1時間40分、たっぷり千葉ちゃんの演技が堪能できる。オープングでドキッと来た方も、この作品中、唯一、流血シーン抜きの22分から2時間過ぎまでの血盟団事件の千葉ちゃんの熱演を、ご覧いただきたい。

 アクション無しの体当たりで見せる千葉ちゃんの共演者は貫禄の師を演じる片岡知恵蔵、凛々しい将校役に田宮二郎ほか、そうそうたる面々。そして、女優陣がほとんど出てこない作品中、唯一このエピソードだけは3人の女性が現れ、千葉ちゃんはその3人と恋仲になる。
 藤純子とは、使用人同士の淡い初恋から別れ、大人になっての再会・悲恋、別離のシーンまで印象に残るシーンがいくつもあるが、工場閉鎖の別れのシーンで仲間と3人で大号泣するシーンはとても好きなシーンの一つ。バーの女給となり再会し別れるシーンの涙をこらえる姿は艶っぽくとっても美しい。
 故郷で同じ結核患者として出会った賀川雪絵とのはかない恋、亡骸にしがみつき号泣するシーンも胸に迫って来る好きなシーン。
 他にも、海に入っていくシーンや、片岡知恵蔵との別れのシーンなど、俳優生活10年目の若き千葉ちゃんの渾身の演技に何度も引き込まれる。

 当時人気が上がる一方の「キイハンター」風間洋介役をしばし休んで、中島貞夫監督の家に下宿し、小沼正の演技を研究したという千葉ちゃん。この作品で第16回京都市民映画祭の演技賞を受賞した熱演を、是非、千葉ちゃんファンならずともご覧いただきたいもの。

 2007年の天草の千葉祭では、千葉ちゃんが駆けつけ盛り上がったトークショーの後、この作品が上映され、満員の劇場の観客のほとんどが最後までこの作品見てくれたと、千葉ちゃんの熱烈ファン・柿久支配人が感激して話されたのを思い出す。

 脚本の一人、笠原和夫は、この小沼正役の千葉ちゃんをイメージして「仁義なき戦い 広島死闘編」の主人公を描いたといわれている。深作欣二監督の考えもあり、千葉ちゃんは伝説の?!『大友勝利』を演じることになったが・・・。
 確かに、千葉ちゃんは小沼正を演じきった感があると、作品を見直して思う。そして、30歳の千葉ちゃんの熱演を見て、知恵蔵御大と同じような年齢になった今の千葉ちゃんの演技を見たいという思いが、さらに強くなった。

 伝説の作品がDVD化された今年、何か嬉しい出来事が待っているような気がするのは、自分だけでは無いだろう。  

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