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『ゲド戦記』―思いを込めたエンターテイメントとは

2006-11-03 01:03:10 | movie
「ゲド戦記」ついに劇場で鑑賞。自然の中で、時の中で「一つの命を生きる」と言うこととは・・・作者の思いをストレートに伝える台詞がいくつも出てくる。劇中流れる歌も又、直球的に訴えかける。もっと涙腺にもくると思ったのだが・・・・

 夕刻、突然の相方の誘いで必死で上映館を探し、本日から二週間限定上映のシネマート六本木の7時回15分前に滑り込みセーフ。さすがに旬を過ぎ観客はぱらぱらで150席中央あたりでゆったり鑑賞したが・・・。 
 大作の映画化に苦戦?!した噂や、長女の感想を聞いていたが、原作を呼んでいない無知識の自分は、いきなり、嵐の中に現れた二匹の竜の戦いはスピーディーな展開を予想させ、油絵のような美しい背景、荘厳な宮殿を見てわくわく。竜と人間の関係や国に広がる不穏な状況が語られ、突然、国王が刺されると、これからのストーリー展開に期待が膨らんだ。
 主役”ゲド”が登場、この声が良い!”アレン”岡田准一君の期待していたが、なんともいえない味があって、声優・菅原文太さんの魅力にはまってしまった。”アレン”の身に降りかかる災難と共に現れる新たな登場人物と共に話は進んでいく。それでも、心が動かないのは、感情移入するキャラクターがつかめないから謎の登場人物”影”の登場は、わくわくさせると言うよりも、勘が鈍い自分は、ストーリーを難解にする材料の一つになってしまった。(--;
襲われるシーン、対決シーン、潜入シーンと、盛り上がるはずのシーンでも、いまいち胸の高まり度が低いのは、どこかアニメのはじけた感じがしないから?”ゲド”対”クモ”の魔法使いの対決に期待したものの、あっけなく終了。抑えつつも迫力があり貫禄十分の田中裕子さんの”クモ”を相手に、アニメ的にも想像力が膨らみ、あっといわるような最大の見せ場になる戦いのシーンを期待したが・・・・。最後の、”クモ”対”アレン”のシーンも交戦無しで、気がつけば、いつものジプリお馴染みのエンディング風景をバックに、歌が流れ”おわり”の字幕。めでたしめでたしとはいえ、涙ぐむ程共感できずちょっとさびしく退場した。 
 絵は油絵のようで色彩も美しく、音楽もスケールがあって、声優も良い(新人もそれなりに頑張っている)。しかし、心に響いてこない。自分が年を取ったから?いや違う!!エンターテイメント的には、この作品を評価したらよいものか・・・。
 ジプリの作品のラストに用意されている、夢のようなあっと言う仕掛けが今回は無かった。そして、作品のテンポも、単調になりがち。初監督の宮崎吾朗氏が、思いを込めたシーン一つ一つを切り取ることが出来なかった結果、返ってその思いが霞んで見えにくくなってしまった気がした。(編集に興味のある自分は、今回も帰る道々、見たばかりのシーンを、頭の中で並べ替え、クローズアップにしてみたり、カットしてみたり。最近、よくやる癖。変な癖がついてしまった。(--;)ちなみに自分のオープニングシーンは、ゲドが登場するシーン。(^^;)

協力に書かれていた〈プロダクションI.G〉の文字に”クモ”のラストシーンが目に浮かんできた。
コメント
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