
六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーで7月3日まで開催中の「ポンペイの壁画展」を見てきました。
『紀元後79年、火山の噴火という悲劇的な終焉により、時代を瞬時に閉じ込めたポンペイの町。18世紀に再発見されたポンペイの遺跡は、古代ローマの人々の豊かな暮らしを今に伝え、世界中を魅了し続けています。』(東京新聞WEB「ポンペイの壁画展」みどころより)
上の絵は「踊るマイナス」。何て軽やかで美しい姿!ポンペイというと灰に覆われた死の町という暗いイメージが湧いてしまいますが、嘗てはこんなに明るく美しい芸術文化に溢れた町だったんですね。


紀元前1世紀~紀元後1世紀にかけて、人々は別荘や豪邸を「ポンペイの赤」を基調とした豊かな色彩の壁画で装飾し、美味しい食事とワインを楽しむ暮らしをしていたようで、そこに暗い影は微塵もありません。
会場の説明パネルに「日本でいうとほぼ弥生時代であり、この時代に既に遠近法を取り入れた絵が存在したことは驚異」というようなことが書かれていましたが、本当にビックリです。


皇帝崇拝の場アウグステウム跡からは、ギリシャ神話を題材にした壁画が発掘されています。「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」「テセウスのミノタウロス退治」などは、ルネサンス絵画を彷彿とさせます。

農園別荘の壁画には、小鳥や植物や犬の絵もあって、当時の人々の穏やかな日常生活が偲ばれました。
思いがけず、明るく豊かな人々の暮らしの面影や、数々の優れた芸術に触れることが出来て、感激でした。発掘されて良かった!でも、こういう街が火砕流で埋もれてしまったというのは、やっぱりとてつもない悲劇ですよね。(三女)
