この絶対配置という言葉を聞いたとき、30 年前のことでした。忘れられません。
シクロヘキサンのようなものを、コンホメ-ションと教えられました。
青春時代のひとこまが、脳裏を駆け巡ります。このあたりの立体化学の教科書を、
何回も読みました。最近では、日本人ノ-ベル賞学者もでました。
サリドマイド事件で注目を浴びてきましたが、医薬品を単一の立体異性体に分離、
製剤をすることはコスト高になるので、今までの業界ではラセミ体でごまかして、
発売してきたわけです。技術の問題もあります。そもそも、立体異性体は、
小説「ジ-キル博士とハイド氏」の話しでたとえられるように、それぞれが、
異なる薬理作用をもつといわれ、薬化学的には、注意すべきものなのです。
薬学博士号取得している知人に確かめたので、正確です。
痴呆症治療で発売されている ARICEPT も、ラセミ体で製剤され、
立体異性体の混在の状態で服用されていますが、開発会社が言うように、
二つの立体異性体が同じ酵素の阻害作用があるというのは、真っ赤なウソです。
生体の機能を保つのに、立体選択性というものがあるからです。
この ARICEPT の物性のことは、大きな社会問題になるでしょう。
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