西洋の歴史で中世の僧院では精油が医療に使われていたようだ。今の言葉で言うと、精神的なリラックスやアンチエイジング効果まで知られていたようだ。言うまでもなく、精油は高価なので上流階級でしか使われなかったという。
現代の西洋医学では精油は医薬品として認められていない。それで広告やラベルに、医学的効果や効能を標榜してはいけないことになっている。
精油は産地によって成分分量は異なる。ケモタイプと呼ばれている。天候、土壌、蒸留条件によって、精油の内容は微妙に異なってくる。精油の中には百種類の化学成分が複合されているという。それらの化学成分がお互いに相互作用をしている。その相乗作用はよくわかっていない。生体に取りこまれたときに代謝を受けるが、百種類の化合物の代謝物を解析することはできない。精油の生化学は分析能力をこえている。それで医薬品にすることはできないといわれている。フランスでは精油は医薬品だが、日本の漢方薬のような認められかたをしている。
精油は医薬品ではないが医薬部外品や化粧品に配合できる。化粧品素材といってよいだろう。このために精油は薬事法に規制されている。精油は化粧品、薬用化粧品に配合されるのでアロマコロジーと呼ばれる。精油は天然物質なので供給に限りがあり原料コストも高いものがある。有機化合物の新規芳香剤を開発する人々も多い。