エ-ザイは、東大薬学部の寄付講座と共同研究をしていた、アセチルコリンエステレ-スとドネペジルとのドッキングスタディは、捏造論文です。正確な分子力学解析をしていないと思います。ここで、お知らせしておきます。
Atsushi Inoue, Takatoshi Kawai, Misako Wakita, Youichi Iimura, Hachiro
Sugimoto and Yoshiyuki Kawakami, J. Med. Chem., 39, 4460-4470 (1996).
この論文では、ドネペジルの二つの異性体、(R)-, (S)-enantiomer
が、タ-ゲット酵素の活性部位に結合している座標を、分子力学計算で解析しているものです。そして、アリセプトには酵素立体選択性がなく、両立体異性体が
同じ部位に結合するということを結論づけています。
そもそも、かれらの論理では、二つの立体異性体は、その立体構造がほとんど同じということなので、根本的に、このような計算機実験をやることもないのに、
あえて、やらざるを得なかったのでしょう。立体異性体の構造がほとんど同じなのに、論文のデ-タでは多少の結合位置のずれがあって、捏造の工夫の跡があって、より捏造の仕
方がリアルに出ています。
はじめから、酵素活性部位にあるはずの、水分子の座標を入れていないのは、彼らにとって、水分子の座標まで捏造することはできなかったのです。たいていは、酵素とリガンドの間には、水分子が充填
されていますので、そもそもそのようなものを考慮しないで、酵素リガンド複合体のエネルギ-解析はできないのです。それも、ほとんど立体構造が同じというリガンドの
立体異性体と酵素との結合力の違いを、このような解析法では、解像度、計算精度がままならないのです。所詮は、計算誤差に入るはずの解析デ-タなのに、二つの立体異
性体の酵素にたいする結合力は、同じであるという、そもそも結果が決まっていての論文であることは明白です。このような解析結果から、デ-タを作ったようにみえます。したがって、解析の内容は、ほとんど捏造で、実際は、正確
な解析をしていない、計算された分子間相互作用エネルギ-値なども科学的にみても捏造と思えます。
また、立体異性体の酵素選択性、酵素の認識という生化学的によくわからない現象を、それも分子構造解析ではほとんどわからないようなことまで、このような分子力学計算で、そもそも解析ができるわけもないので、そこからも捏造論文の兆しが見えます。
はじめから、企業の目的である結果を、ドッキングスタディで導き出そうとしたようで、大変度胸がいることです。捏造論文がバレたときのことを考えていない
のですか。状況は、20
年ほどまえから、見聞きしていましたから、このようなことをやるとは、予想していました。予想していたことを、実際にこの論文を精読して、確認した次第で
す。どのような捏造論文が出てくるだろうということは、あらかじめ、予測つくものです。そして、その論文を検索したのです。さがし当てたのです。
この論文では、つまり、計算誤差にはいるはずの解析結果を、有意差があるとして、かってに決め付けているところで、捏造論文の兆しが見え隠れしています。
共著のひとは、現在、京都大学薬学部で教授をしているというので、世の中、終わりということでしょう。しかし、これだけ、体系的に、総合的に、企業ぐるみ
で、医薬品開発の捏造をしたことは、いままでも、かなりの多数の事例があると思いますが、アリセプトの事例もすごいものでした。構造活性相関の解析から、
捏造しているのは、ものすごいことです。
なぜ、このように、体系的にデ-タ捏造をしなければならない理由は知っています。理由があるから、捏造するのです。一般的には、うそがばれてしまう危険性
があるにもかからわず、そのリスクがあっても、捏造するしかないのです。しかし、
これほどのデ-タ捏造をする必要はないのではないかと思うからです。その理由をしっているから、捏造デ-タと判断できているのです。総括的に、東大薬学部
がだませるのは、日本薬学会の中だけで、それ以外のエリアでは、だまされません。国民全体をだますことはできないのです。物理とか化学は、別の世界なので
す。
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