日本人ノ-ベル賞候補といわれた、現在米国で活躍しているという M 教授が、
「半経験的分子軌道法はいずれ使われなくだろう」 と言ったと聞いたのは、
20 年ぐらい前でした。その後、MOPAC, ZINDO などが出てきましたが、
いずれ非経験的分子軌道計算が主流になるというのが、一般的な考えでした。
ところが、いまだに半経験的な計算法を取っている人がいますが、
非経験的計算法の取り扱いに、戸惑っているのでしょうか。
経験的計算法では、いつも正しい結果が計算されるという、保証がないので、
解析結果の信頼性に問題がでるということです。やはり、M 教授が言ったことは、
まちがえありませんでした。この先生は、ONIOM という方法で、世に出ています。
この非経験的分子軌道計算が自由にこなせるかどうかで、分子設計などに大きく、
影響が現れてきたのは、最近のことです。たとえば、C60 の物性計算なども、
この計算法が使われ、新聞で話題になったのもご存知のことです。
今後は中国と日本のアジアでの覇権争いになりますが、軍事的なものではなく、
物理学、化学の学問の競争になると予想しています。最終的には、
新材料開発の技術の違いが出てきます。テレビでいうように、金型などの職人芸は、
すぐに中国人に盗まれてしまうことは明らかです。何とかする方法はありますか。
今までの日本人がやってきたことは、すべて盗まれてしまうと思います。
中国人の悪口を言っているのではありません。日本人の自戒です。
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