アルツハイマ-型認知症治療薬として病院処方されているアリセプトに延命効果はあるのか。開発した製薬会社に言わせれば、YES と答えるかもしれません。そのような臨床デ-タはあるだろうか。統計学的に有意な結果があるだろうか。
一般的に、アルツハイマ-型認知症患者の寿命は 7, 8 年といわれています。かなり確かな情報と思えます。これを否定する情報に当たっていないからです。アリセプトを投与した患者の群と投与していない患者の群の寿命を比較する臨床試験はありえないでしょう。寿命をデ-タにする臨床試験は人道に反するからです。
しかし、当局がアリセプトを承認するときに、アリセプトによって患者の寿命が延びる、つまり延命効果があるとは認識していないし、そのようなデ-タの提出を求めていないのです。つまり、アリセプトによる延命効果については、はじめから考えていないのです。更に、患者の介護についても、アリセプト投与によって、介護が軽減するかどうかの判断も出来ないのです。
アリセプトは光学異性体の混合物で、活性化合物は 50% しか含まれていません。残りは、不純物で副作用を発現している可能性があります。患者の寿命が 7, 8 年であれば、副作用の原因を確かめる前に死に至ることになります。考えてみれば、恐ろしいことです。話しは変りますが、がん治療薬の延命効果については、最近になって求められるようになっています。以前には、延命効果がなくても治療薬として承認され、病院処方されていたのです。患者にとって、一番大事な延命効果という問題は、医薬の開発において、パラメ-タになっていないのです。現状はこの通りです。アルツハイマ-型認知症の治療薬で延命効果は期待できないと言えると思います。現場の臨床医はわかっていると思います。
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