You Made Me Believe In Magic
密かに未来を妄想して楽しめた相手に見事に去られるとなんだか喪失感が凄すぎて笑ってしまうてぇことはよくありがちですわな。
その方面はもうどうでもいいか。この先その種の出会いがあるとは思えないし、眺めて言葉のやりとりだけで楽しめる。占有したいとはもう思わない。こういうのを枯れてきたというのか。が、こういう感情はむかーしから持ってたしな。
あとは「あのお方」の顔見てもう一度話ができれば、もう思い残すこともないか。JJさんの店主Sちゃん相手に話したのは「あのお方」のこと。
当時の自分はまあお勉強畑の趣味人系でございまして、「あのお方」というのが、まあ露骨ではないんですが年相応な隠れヤンキー志向な、というまあ畑違いですわな。
ところが話してみるととにかく話術、言葉に絶妙なひねりがあって、絡むと本当に面白い人だった。時々言葉の中に宝石のようなきらめきを感じさせながら、やっぱりどこかで品が無い辺りも妙な深みに思えました。
でも自分はたかが14の中坊。女の子を意識し出すお年頃で、会話を楽しみ距離感を楽しむなんて余裕もなし、話しかけてくれるのを好意と思い込む勇み足やら、好きじゃないとこういう突っ込んだ会話はできないとの思いは積もり居ても立っても居られず、どう付き合うかなど全く考えてないのに、告白にすべて込めてということになる。パールハーバー。
冬休み中にお手紙告白しましたが、当然却下。「ワレ 奇襲ニ 失敗セリ」。
冬休み前までは楽しく話せて適度にいじりいじられ、これが長く続けばもしかしたらいい関係になれたかもしれないが、冬休み明けはドン引かれですわ。中3なのでこのまま卒業までシカトで封印というパターンは当然予想されてそのほうが良かったのかもしれんが、ちゃんと返事をくれて止めを刺してくれた辺りがまたニクい。「あのお方」なりの誠意だったんですな。
と言いつつ、この話は当時、男友達からは誰からも突っ込まれなかったものの、どこで漏れたのか「意外だよね~。あるんだね~。わっかんないもんだよね~。」と本人目の前にしてあえてこちらを見ずに女子達が、まるでオバサマのように楽しそうでしたな。
「旭◯高で会おうね~」と、お互いに通学することのない高校での再会を誓ってから「あのお方」とは会っておりません。
「あのお方」との関係性の変化やら心理やらを経験して、誰かを好きになっていく自分、好きになっている自分と相手との距離、温度差を意識しながら、その相手との会話やら距離感を楽しむおもしろさがわかるようになり。たかが15才で、「~さん」を好きながら振り向いてもらえない奴というキャラを創り演じてる自分をも楽しめて、しかも当の「~さん」とはちょくちょく長電話できて、さらにその「~さん」のお友達(全然知らん人)から電話がかかってきて、なぜか「~さん」のことをそのお友達に愚痴ってると例のその「~さん」が電話口に出るという半ばドッキリを仕掛けられても、そのことすら楽しめる余裕を持てるまでになれたのは、しかも音楽をやってたのでその「~さん」の歌まで作詞作曲して、事情を知っている人々を前に堂々と歌うことができたのは、さらにその時の録音すら今に残せてネットで視聴出来るのは、すべて「あのお方」との関係性があってこそでございます。
などということなど、会って話すことが出来る日がいつか来るものと信じて生きております。