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ジョンポール常時林檎 音のこと なんやらかんやら 雑記

さても さても うららかな 春の海のごとく
のたのたと まったりと ふんわり ゆったり

ひさかたのうたたねの

2014-04-24 02:23:53 | ステージ

なんだか最近、フェイスブックで事足りてしまうためこちらのブログをついついおろそかにしてしまいがちでございます。只今フェイスブックメンテ中のためログインできずということで久しぶりにブログ。

先日、すすきのの怪談バー「スリラーナイト」に出演していた城谷歩氏が、スリラーナイトの東京は六本木出店に伴い、上京するということで彼の企画「好きに演らせて」を観てきた。この人とはちょっとしたご縁で彼が主宰していた劇団の舞台の音響を2度ほど担当して、職務外であるが劇団員でもないのに、ついシーンつくりやら演技構成などにも口を出してしまい、今思うとちょっと赤面でございます。今、彼の劇団はありませんが、再び演劇を造るのであれば、何らかの形で参加したい。そう思わせてくれる人ではあります。ひさしぶりに彼の舞台を観ますと、あの劇団の最後の舞台から3年経つのについ昨日のことのような錯覚を覚えます。なんというかこの人は役者というよりMC向きなのかなあ。いろんなところに気が回りすぎて、そつがない。この人は観ている人を置いていかないが、別の世界へ引っ張り込む人ではないかもしれない。まあ完全に自分のフィールドではないお店のステージということで、ある種のスタイルの範囲内で演じているのかもしれないが。この人がどう変わっていくのか楽しみであります。

さて、只今怒涛の楽器リペア中。部屋中、体中、粉塵で真っ白になりつつ奮闘しております。こういうことをやっていると、もしかしたら造る方が楽なのかしら、などと思ってしまう。ある程度知識と技術を持てば自分の欲しい音を出す楽器が創れるのではないか、などど妄想してしまうのだが.......世の中そんなに甘くないし、この世界そんなに浅いものではないんですなあ。


4月6日、えぽあほーる 凍原の風 劇団「川」

2014-04-07 13:13:03 | ステージ

1981年
高校を卒業して江別にある専門学校に入学して下宿生活でした。同じ科の友人の下宿が野幌駅裏にあり遊びに行くと、近所でなんだか工事をやっている。
どうやらお店ができるようだが、夜も電気がついていて、昼間もその場所から長い髪を後ろで束ねて和服を着た白粉の男が踏切をわたっている。
あの場所はなんだろう?何をするところなんだろう?友人の話では喫茶店ができるということだったが...
「ほかい人群」。幟にはそう書いてあった。このちいさな空間で演劇が上演されるらしい。

演劇って...文化会館とか、公民館とか、何とか劇場とかそういうとこでやるもんでないかい?小学校には学校まわりの劇団が来たぞ。
旭川で東京キッドブラザーズなら見たけど。そういえば「キッドぼくらの時代」って本にシアター365のことが少し書いてあった。
小劇場なる空間。目の前で見せるミュージカルのこと。レスポールをかかえたパンクロッカーとポーズを決める若かりし柴田恭兵やら三浦浩一やら。
バンドが演劇と混ざるんかい。そういうのアリかい。しかもこんな狭いとこでかい。
それほど情報が多くない時代。一冊の本が与えてくれた何かあたらしいものの予感は、手触りもあやふやで、その姿の片鱗もみえなかったが。

その演劇の空間は落語の高座のようだった。バックには地獄絵が描かれていた。もうひとつの演目は「一人芝居」とあった。おばあさんを演じる男の芝居。
「人生一発勝負」という題名だった。さて芝居のあとはお客さん、出演者、関係者入り乱れての打ち上げ交流会飲み会。もちろん、知ってる人は誰一人いない。
その場で知り合った人と何を話したのか、どうやって下宿まで帰ったのか覚えていない。2日酔いで学校を休んで寝ていると心配した級友が下宿に来たことは覚えてる。

その喫茶店がオープンして通常営業をはじめだしたころ、友人の下宿が隣だったせいもあったり、銭湯の帰りなどに顔を出すようになった。
そこのマスターは江別出身で東京の劇団にいて、いまは地元の劇団「川」で芝居をしているということだった。
正直、学生劇団以外いわゆるアマチュアの劇団が存在することを知らなかった。劇団「川」というのは自分が最初に存在を知ったアマチュア劇団である。
その後、喫茶店のマスターが劇団「川」をやめて自らの演劇制作集団「どもプロデュース」を立ち上げて、のちに劇団「ドラマシアターども」を主宰するのだが
演劇の「え」の字もしらず、たまたまお店のカセットデッキを調整して、ミキサーの配線を直しただけのギター弾きの地図製図士がわけもわからずそこの演劇音響担当となり、
以後約20年芝居を続ける間、同じ市内にあっても最も遠く、しかしアマチュア劇団の最初のイメージを強烈に与えてくれたのが劇団「川」でありました。

自分が芝居創りの端くれに混ざるようになったころ、「川」の人たちはみんな大人でみんな先輩でした。
こんな風に芝居に関われるようになりたいと、思い続けど人の世の流れでございます。人は去り人は来たり。
みんな大人で先輩な「川」のひとたちはいつしか数えるほどになってしまいました。
自分が芝居から去った今も、「帰りたければいつでも帰ってくればいいさ」江藤“栄ちゃん“周平は軍帽のひさしの下、不器用な微笑で語りかけてくれます。
「凍原の風」はいままで3度見てますが、ヒロイン「あき」や他のキャストは変われども、江藤周平役だけは清水栄一さんでなくては成立しないのでしょう。
もう清水周平さんだか江藤栄一さんだかわからない域にきていると思います。
どこか不器用な、人のいい、それでいて地に足のついたしたたかで計算深く、だが底がごっそり抜けている、照れくさくなるほど前向きな人間を
ぜひこれからも見せていただきたい。こういう役者にはめったにお目にはかかれません。清水さん。このひとは劇団「川」そのものです。