2021年11月30日 県議会本会議での佐藤正雄議員の討論、質疑です。
■決算認定反対討論
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
ただいま表彰されました西畑議員、小寺議員、島田議員、細川議員、宮本議員には、誠におめでとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
さて、反対討論であります。第77号議案令和2年度福井県歳入歳出決算の認定について、第78号議案令和2年度公営企業会計における剰余金の処分および決算の認定については、反対であります。もちろん、コロナ対策など県民の命と暮らしを守る積極的な面は評価をいたしますし、職員の皆さんの御苦労には感謝を申し上げます。
反対の理由は端的に4点ありまして、第一は、国に納税もしないままに消費税増税を県民の利用に転嫁している問題、ケアマネジャー受講料・試験料・手数料アップなど、県民負担増大の決算であること。第二に、新幹線、足羽川ダム、福井駅西口再開発など、大型公共事業推進の決算であること。第三に、原発推進事業の決算であること。第四に、コロナ禍で奮闘する県職員、教職員、警察職員の期末手当引下げを含む決算であることが理由です。
コロナ禍や物価高で県民生活も厳しい状況が続く中、一層県民生活支援、無駄な事業の見直しが求められております。コロナ後の社会はコロナ前には戻らないとも言われ、JR東日本社長も新幹線等のビジネス利用は戻っても7割ぐらいではないかと指摘をしています。こういう時代に昭和時代の計画のままの新幹線推進は見直さなくてはなりません。
以上を申し上げて、反対討論といたします。
■福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正についての質疑
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
第93号議案福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正についての質疑を行います。
まず、人事委員会野村委員長に質疑をいたします。
今回の改正により、期末勤勉手当が引き下げられる県職員、教職員、警察職員のそれぞれの総数、それぞれの平均引下げ額をお尋ねいたします。
二つ目に、国民生活全体が度重なる消費税の増税、コロナの影響、原油高の影響や食料品の高騰などで厳しい状況になっているわけですが、人事委員会の審議において、県職員、教職員、警察官のそれぞれの生活実態についての把握と手当引下げの影響について、生計費原則の立場でどのように審議、決定されたのかお尋ねをいたします。
三つ目に、今回、引下げの影響を受ける会計年度任用職員は、県職員、教職員、警察でそれぞれ何人おられるのか。また、この間の傾向は、引き上げるときは勤勉手当、引き下げるときは期末手当となっております。勤勉手当がない会計年度任用職員、平たく言えば弱い立場の職員に、より強いダメージを与え、正規と非正規の格差拡大につながる問題についての審議内容をお尋ねいたします。
次に、杉本知事に質問いたします。
まず、今回は総務省が11月24日に副大臣通知を出し、政府の経済対策の取組などを踏まえ、来年6月に延期した国家公務員の取扱いを基本とするよう求めました。福井県がこれに準じなかった経済的判断を含む理由をお尋ねいたします。
二つ目に、この通知では、わざわざ給与条例の改正は議会で十分審議の上行うことを求めているにもかかわらず、今日ですね、開会日の採決を求めたことは、実質、審議を理事者として保障しない、議会としての十分な審議の機会を奪ったことになり、知事の責任は重大ではありませんか、見解をお尋ねいたします。
三つ目に、先ほども指摘しましたが、勤勉手当がない会計年度任用職員に、より強いダメージを与え、正規と非正規の格差拡大を公務員の現場で行うことは問題であります。国の非常勤職員には勤勉手当がほとんど支給されているとお聞きいたします。格差拡大につながりかねない問題、及び格差拡大抑制のためにも福井県としての会計年度任用職員への勤勉手当支給について、知事の見解をお尋ねいたします。
◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の御質問に私から2点、お答えを申し上げます。
まず、期末手当の引下げを来年6月に延期した国家公務員の取扱いに準じなかった理由について申し上げます。
職員の給与につきましては、地方公務員法におきまして、国、他県及び民間企業との均衡を考慮することとされております。県の人事委員会勧告におきましては、県内の民間給与の実態を反映いたしまして、本年の12月の期末勤勉手当から引下げを行うようにという勧告の内容となっているところでございます。
本県におきましては、昭和60年度以降、これまで給与改定につきましては、実施の内容、それから時期につきましては、いずれも勧告どおりで実施しているところでございます。また、全国の状況を見ますと、過半数の都道府県におきまして、この12月の期末勤勉手当から実施をするというような状況になっているところでございます。また、もし国が言っておりますように、来年の6月で今年の分も期末勤勉手当を引き下げるということを行いますと、今年度末で退職する職員については、その引下げはできないというような課題もあるわけでございます。こういった点を勘案しまして、経済対策はしっかりと行いながら、職員給与について人事委員会の勧告どおりに早期に実施を図るということが、県民理解にも資するというふうに考えているところでございます。
2点目、議会における十分な審議機会の確保についてお答えを申し上げます。
国の通知におきましては、給与条例の改正は議会で十分審議の上行うこととし、専決処分によって行うことのないようにすることとされているところでございまして、本県におきましても議会において御審議を賜るべく、専決処分ではなくて議案として提出をさせていただいているというところでございます。
県職員の12月の期末勤勉手当につきましては、給与条例におきまして、基準日であります12月1日時点での支給月数に基づいて支給をするということになっているわけでございまして、これに基づきますと本日、11月30日までに支給月数の改定を行っておかなければいけないということになるわけでございます。これまでもリーマンショックですとか東日本大震災、また、新型コロナウイルス関連、こういったことで県内の景気が悪くなって引下げを行うということが平成21年度から23年度まで、また昨年度とあったわけですけれども、これらの場合につきましても、期末勤勉手当の引下げにつきましては、議会の開会日に提案をさせていただいて御審議をいただき、御議決をいただいているところでございます。
以上でございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 総務部長近松君。
〔総務部長近松茂弘君登壇〕
◯総務部長(近松茂弘君) 私からは1点、会計年度任用職員に対します勤勉手当の支給についてお答え申し上げます。
会計年度任用職員の報酬及び諸手当につきましては、令和2年4月からの制度移行に合わせまして、職務の内容、それから責任などを考慮いたしまして、総務省のマニュアルの考え方に沿いまして給与条例などで定め、新たに期末手当の支給を行っているところでございます。この報酬と期末手当を合わせた年収につきましては、制度の導入に当たりまして、制度移行前の年収以上を確保するよう十分配慮したところでございます。
一方、勤務成績に応じて支給される勤勉手当につきましては、総務省のマニュアルにおきまして、各地方公共団体における期末手当の定着状況等を踏まえた上での検討課題という考え方が示されておりまして、現在、勤勉手当を支給している都道府県はございません。今後、国や他県の動向を注視していきたいというふうに考えております。
◯議長(鈴木宏紀君) 人事委員会委員長野村君。
〔人事委員会委員長野村直之君登壇〕
◯人事委員会委員長(野村直之君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。
第1問、期末手当が引き下げられる県職員、教職員、警察職員の総数と平均引下げ額についてという御質問でございますが、今回の改正により期末手当が引下げとなる行政職等の県職員は約4,000人、教育職は約7,500人、警察職は約2,000人でございます。また、平均の引下げ額は給料表別で見ますと、行政職等の県職員は約5万7,000円、教育職は約6万2,000円、警察職は約5万3,000円でございます。
続きまして第2問、職員の生活実態の把握と手当引下げの影響についてという御質問でございます。
公務員の給与は、民間の給与水準に準拠して決定することを基本としており、給与間の均衡を図ることを通じて、公務員給与にも民間の生計費等が反映されているものと考えております。そのため、人事院と共同で実施しております給与の実態調査では、公務員、民間それぞれにおいて給料だけではなく生活実態に関わる扶養手当、住居手当などの各種手当も含めて比較し、公民較差を算定しております。その結果、本県では月例給はおおむね均衡し、特別給は民間の支給月数を上回っていたため、今回引下げが適当と判断したものであります。
第3問、会計年度任用職員の処遇についてということでございます。
12月の期末手当の対象となる会計年度任用職員の人数は、知事部局は約740名、教育委員会は約290名、県警本部は約160名の見込みでございます。非常勤の一般職員である会計年度任用職員は給与勧告の対象とはしておりませんが、当委員会は本年度の人事委員会報告の中で、適正な勤務条件等が確保されるよう対応することを求めております。
以上でございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 佐藤君。
◯28番(佐藤正雄君) 何点か質問をさせていただきます。
まず、野村委員長に1点だけお尋ねしますが、生計費原則といいますか、実態ですね。要するに、多分県職の労働組合、あるいは県教組、それから高教組とか、いろいろ御意見を聞かれていると思うんですけれども、そういう中で組合と合意したからこういう議案になっているのでしょうけれども、やはり実際には、先ほど申し上げましたいろんな生活にかかるものが値上げする中での手当の引下げということになるわけですから、そういう生活実態が人事委員会として手のひらに十分乗っているのかどうかということをお尋ねしたんです。例えば、警察は組合もありませんので──日本の場合は外国と違って組合もありませんので、そういう警察官の生活状況というのは一体どう反映されるのかというのも疑問なわけですね。ですから、県職員にしても教職員にしても警察の方にしても、そういう実際の、生の生活のそういうものをつかんでおられるのかどうかということを1点、確認をさせていただきます。
それから知事に再質問いたしますけれども、今と同じ理屈なんですけれども、要するに、政府は今まだコロナが大変だから、例えば子育て世帯には10万円程度給付しましょうということを今やろうとしているわけですね。一方で、5万円とか6万円とか手当を削りましょうということになると、効果が相殺されるわけですね。単純に言えばですよ。子育て世帯の職員について言えば、効果が相殺されてくると思うんですね。ですから、まだこういうコロナの影響が続いているときは、そういう実態を踏まえた、景気をよくするという面で思い切って手当の削減をやらないという選択もあり得ると思うんです。
全国では、市役所とか町役場では、例えば市長とか町長、議員の手当は削るけれども、働いている職員の手当は削らないということを決められた自治体もあるわけですね。そういう選択もあると思うんですね。ですから、そういう点ではそういうことも御検討いただけなかったのかということを1点、知事には確認いたします。
最後、総務部長にですけれども、独立行政法人の県立大学、ここも県の職員が行き来していますので、事務職員の分はこれの対応になるのかなと思いますが、学校の先生方の扱いはどうなるんでしょうか。
◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 私への質問についてお答えを申し上げます。
御指摘の中で経済的な対策の観点と、給料を下げることが経済を冷やすことになるのではないか、もしくは生活を脅かすということになるのではないかという点かと思います。先ほど申し上げましたけれども、地方公務員法の規定といたしましては、地方公務員の給与は国、他県及び民間企業との均衡を考慮するという定めがあるわけでございまして、そういう意味では、今回の勧告は既に民間企業の状況が下がっている、そのことを反映させるという内容でございまして、決して先走ってそれをやるわけではございませんので、そういった給与の水準については人事委員会の勧告に基づいてそろえていくということだと考えております。その上で、一般的な県民向けを含めた経済対策に対しては、必要なところへ十分な規模をしっかりと手当てしていくということに努めてまいりたいと考えているところでございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 総務部長近松君。
〔総務部長近松茂弘君登壇〕
◯総務部長(近松茂弘君) 私から県立大学の取扱いについてお答えをさせていただきます。
県立大学は独立行政法人になりますので、別法人ということになりますが、従来から県の取扱いも御参照いただきながらお決めいただいているというふうに思っておりますので、今後、県のこういった判断を踏まえて御検討いただくことになろうかというふうに思っております。
◯議長(鈴木宏紀君) 人事委員会委員長野村君。
〔人事委員会委員長野村直之君登壇〕
◯人事委員会委員長(野村直之君) 先ほど申し上げたところではございますけれども、生計費等につきましては、民間の給与を調査することによって、そしてその結果を公務員の給与に反映していると考えております。したがいまして、特別に生計費を人事委員会が調査しているわけではございませんけれども、民間の給与を調査することによって、そのことは十分にしんしゃくされていると考えております。
以上でございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 以上で通告による質疑は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、日程第7の1件に対する質疑は終結いたしました。
■職員手当削減に反対討論
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正について、知事や議員など特別職の削減には反対しませんが、職員の皆さんの手当削減には反対いたします。今ほどの質疑でも問題点が幾つか浮き彫りになってきたと思います。
第一に、県職員、教職員、警察官など約1万3,000人余の職員、1,200人近い会計年度任用職員の約9億円近い削減は、コロナ禍の下で全ての部局、部署で懸命に働いてこられた職員の皆さんに対する処遇としてはあり得ないことではないでしょうか。口では感謝と言いながら、手当削減では納得は得られません。今後、オミクロン型による第6波も予想されますが、引き続き一生懸命県民のために働いていただくためにも、削減はすべきではありません。
第二に、勤勉手当がない1,200人近い会計年度任用職員に、より強いダメージを与え、正規と非正規の格差拡大を公務員の現場で行うことは問題であります。
第三に、7月から9月期の国内総生産が2四半期ぶりにマイナスとなりましたが、これはコロナ禍でGDPの5割強を占める個人消費の低迷が要因です。原油、食料品などの高騰が続く中、個人消費を直撃する手当削減というのは、地域経済にとっても大きなマイナス要因となります。
最後に、今ほど県立大学の教官もこれに準ずるという御答弁がありましたけれども、お聞きしたところ、来月の2日に議論をするということになっているそうであります。ですから、確かに別組織とはいえ、県のそういう削減の適用を求めるのであれば、やはりもう少し教官の皆さんにも丁寧に説明すべきだというように私は思います。
以上を述べて、反対討論といたします。
■決算認定反対討論
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
ただいま表彰されました西畑議員、小寺議員、島田議員、細川議員、宮本議員には、誠におめでとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
さて、反対討論であります。第77号議案令和2年度福井県歳入歳出決算の認定について、第78号議案令和2年度公営企業会計における剰余金の処分および決算の認定については、反対であります。もちろん、コロナ対策など県民の命と暮らしを守る積極的な面は評価をいたしますし、職員の皆さんの御苦労には感謝を申し上げます。
反対の理由は端的に4点ありまして、第一は、国に納税もしないままに消費税増税を県民の利用に転嫁している問題、ケアマネジャー受講料・試験料・手数料アップなど、県民負担増大の決算であること。第二に、新幹線、足羽川ダム、福井駅西口再開発など、大型公共事業推進の決算であること。第三に、原発推進事業の決算であること。第四に、コロナ禍で奮闘する県職員、教職員、警察職員の期末手当引下げを含む決算であることが理由です。
コロナ禍や物価高で県民生活も厳しい状況が続く中、一層県民生活支援、無駄な事業の見直しが求められております。コロナ後の社会はコロナ前には戻らないとも言われ、JR東日本社長も新幹線等のビジネス利用は戻っても7割ぐらいではないかと指摘をしています。こういう時代に昭和時代の計画のままの新幹線推進は見直さなくてはなりません。
以上を申し上げて、反対討論といたします。
■福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正についての質疑
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
第93号議案福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正についての質疑を行います。
まず、人事委員会野村委員長に質疑をいたします。
今回の改正により、期末勤勉手当が引き下げられる県職員、教職員、警察職員のそれぞれの総数、それぞれの平均引下げ額をお尋ねいたします。
二つ目に、国民生活全体が度重なる消費税の増税、コロナの影響、原油高の影響や食料品の高騰などで厳しい状況になっているわけですが、人事委員会の審議において、県職員、教職員、警察官のそれぞれの生活実態についての把握と手当引下げの影響について、生計費原則の立場でどのように審議、決定されたのかお尋ねをいたします。
三つ目に、今回、引下げの影響を受ける会計年度任用職員は、県職員、教職員、警察でそれぞれ何人おられるのか。また、この間の傾向は、引き上げるときは勤勉手当、引き下げるときは期末手当となっております。勤勉手当がない会計年度任用職員、平たく言えば弱い立場の職員に、より強いダメージを与え、正規と非正規の格差拡大につながる問題についての審議内容をお尋ねいたします。
次に、杉本知事に質問いたします。
まず、今回は総務省が11月24日に副大臣通知を出し、政府の経済対策の取組などを踏まえ、来年6月に延期した国家公務員の取扱いを基本とするよう求めました。福井県がこれに準じなかった経済的判断を含む理由をお尋ねいたします。
二つ目に、この通知では、わざわざ給与条例の改正は議会で十分審議の上行うことを求めているにもかかわらず、今日ですね、開会日の採決を求めたことは、実質、審議を理事者として保障しない、議会としての十分な審議の機会を奪ったことになり、知事の責任は重大ではありませんか、見解をお尋ねいたします。
三つ目に、先ほども指摘しましたが、勤勉手当がない会計年度任用職員に、より強いダメージを与え、正規と非正規の格差拡大を公務員の現場で行うことは問題であります。国の非常勤職員には勤勉手当がほとんど支給されているとお聞きいたします。格差拡大につながりかねない問題、及び格差拡大抑制のためにも福井県としての会計年度任用職員への勤勉手当支給について、知事の見解をお尋ねいたします。
◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の御質問に私から2点、お答えを申し上げます。
まず、期末手当の引下げを来年6月に延期した国家公務員の取扱いに準じなかった理由について申し上げます。
職員の給与につきましては、地方公務員法におきまして、国、他県及び民間企業との均衡を考慮することとされております。県の人事委員会勧告におきましては、県内の民間給与の実態を反映いたしまして、本年の12月の期末勤勉手当から引下げを行うようにという勧告の内容となっているところでございます。
本県におきましては、昭和60年度以降、これまで給与改定につきましては、実施の内容、それから時期につきましては、いずれも勧告どおりで実施しているところでございます。また、全国の状況を見ますと、過半数の都道府県におきまして、この12月の期末勤勉手当から実施をするというような状況になっているところでございます。また、もし国が言っておりますように、来年の6月で今年の分も期末勤勉手当を引き下げるということを行いますと、今年度末で退職する職員については、その引下げはできないというような課題もあるわけでございます。こういった点を勘案しまして、経済対策はしっかりと行いながら、職員給与について人事委員会の勧告どおりに早期に実施を図るということが、県民理解にも資するというふうに考えているところでございます。
2点目、議会における十分な審議機会の確保についてお答えを申し上げます。
国の通知におきましては、給与条例の改正は議会で十分審議の上行うこととし、専決処分によって行うことのないようにすることとされているところでございまして、本県におきましても議会において御審議を賜るべく、専決処分ではなくて議案として提出をさせていただいているというところでございます。
県職員の12月の期末勤勉手当につきましては、給与条例におきまして、基準日であります12月1日時点での支給月数に基づいて支給をするということになっているわけでございまして、これに基づきますと本日、11月30日までに支給月数の改定を行っておかなければいけないということになるわけでございます。これまでもリーマンショックですとか東日本大震災、また、新型コロナウイルス関連、こういったことで県内の景気が悪くなって引下げを行うということが平成21年度から23年度まで、また昨年度とあったわけですけれども、これらの場合につきましても、期末勤勉手当の引下げにつきましては、議会の開会日に提案をさせていただいて御審議をいただき、御議決をいただいているところでございます。
以上でございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 総務部長近松君。
〔総務部長近松茂弘君登壇〕
◯総務部長(近松茂弘君) 私からは1点、会計年度任用職員に対します勤勉手当の支給についてお答え申し上げます。
会計年度任用職員の報酬及び諸手当につきましては、令和2年4月からの制度移行に合わせまして、職務の内容、それから責任などを考慮いたしまして、総務省のマニュアルの考え方に沿いまして給与条例などで定め、新たに期末手当の支給を行っているところでございます。この報酬と期末手当を合わせた年収につきましては、制度の導入に当たりまして、制度移行前の年収以上を確保するよう十分配慮したところでございます。
一方、勤務成績に応じて支給される勤勉手当につきましては、総務省のマニュアルにおきまして、各地方公共団体における期末手当の定着状況等を踏まえた上での検討課題という考え方が示されておりまして、現在、勤勉手当を支給している都道府県はございません。今後、国や他県の動向を注視していきたいというふうに考えております。
◯議長(鈴木宏紀君) 人事委員会委員長野村君。
〔人事委員会委員長野村直之君登壇〕
◯人事委員会委員長(野村直之君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。
第1問、期末手当が引き下げられる県職員、教職員、警察職員の総数と平均引下げ額についてという御質問でございますが、今回の改正により期末手当が引下げとなる行政職等の県職員は約4,000人、教育職は約7,500人、警察職は約2,000人でございます。また、平均の引下げ額は給料表別で見ますと、行政職等の県職員は約5万7,000円、教育職は約6万2,000円、警察職は約5万3,000円でございます。
続きまして第2問、職員の生活実態の把握と手当引下げの影響についてという御質問でございます。
公務員の給与は、民間の給与水準に準拠して決定することを基本としており、給与間の均衡を図ることを通じて、公務員給与にも民間の生計費等が反映されているものと考えております。そのため、人事院と共同で実施しております給与の実態調査では、公務員、民間それぞれにおいて給料だけではなく生活実態に関わる扶養手当、住居手当などの各種手当も含めて比較し、公民較差を算定しております。その結果、本県では月例給はおおむね均衡し、特別給は民間の支給月数を上回っていたため、今回引下げが適当と判断したものであります。
第3問、会計年度任用職員の処遇についてということでございます。
12月の期末手当の対象となる会計年度任用職員の人数は、知事部局は約740名、教育委員会は約290名、県警本部は約160名の見込みでございます。非常勤の一般職員である会計年度任用職員は給与勧告の対象とはしておりませんが、当委員会は本年度の人事委員会報告の中で、適正な勤務条件等が確保されるよう対応することを求めております。
以上でございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 佐藤君。
◯28番(佐藤正雄君) 何点か質問をさせていただきます。
まず、野村委員長に1点だけお尋ねしますが、生計費原則といいますか、実態ですね。要するに、多分県職の労働組合、あるいは県教組、それから高教組とか、いろいろ御意見を聞かれていると思うんですけれども、そういう中で組合と合意したからこういう議案になっているのでしょうけれども、やはり実際には、先ほど申し上げましたいろんな生活にかかるものが値上げする中での手当の引下げということになるわけですから、そういう生活実態が人事委員会として手のひらに十分乗っているのかどうかということをお尋ねしたんです。例えば、警察は組合もありませんので──日本の場合は外国と違って組合もありませんので、そういう警察官の生活状況というのは一体どう反映されるのかというのも疑問なわけですね。ですから、県職員にしても教職員にしても警察の方にしても、そういう実際の、生の生活のそういうものをつかんでおられるのかどうかということを1点、確認をさせていただきます。
それから知事に再質問いたしますけれども、今と同じ理屈なんですけれども、要するに、政府は今まだコロナが大変だから、例えば子育て世帯には10万円程度給付しましょうということを今やろうとしているわけですね。一方で、5万円とか6万円とか手当を削りましょうということになると、効果が相殺されるわけですね。単純に言えばですよ。子育て世帯の職員について言えば、効果が相殺されてくると思うんですね。ですから、まだこういうコロナの影響が続いているときは、そういう実態を踏まえた、景気をよくするという面で思い切って手当の削減をやらないという選択もあり得ると思うんです。
全国では、市役所とか町役場では、例えば市長とか町長、議員の手当は削るけれども、働いている職員の手当は削らないということを決められた自治体もあるわけですね。そういう選択もあると思うんですね。ですから、そういう点ではそういうことも御検討いただけなかったのかということを1点、知事には確認いたします。
最後、総務部長にですけれども、独立行政法人の県立大学、ここも県の職員が行き来していますので、事務職員の分はこれの対応になるのかなと思いますが、学校の先生方の扱いはどうなるんでしょうか。
◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 私への質問についてお答えを申し上げます。
御指摘の中で経済的な対策の観点と、給料を下げることが経済を冷やすことになるのではないか、もしくは生活を脅かすということになるのではないかという点かと思います。先ほど申し上げましたけれども、地方公務員法の規定といたしましては、地方公務員の給与は国、他県及び民間企業との均衡を考慮するという定めがあるわけでございまして、そういう意味では、今回の勧告は既に民間企業の状況が下がっている、そのことを反映させるという内容でございまして、決して先走ってそれをやるわけではございませんので、そういった給与の水準については人事委員会の勧告に基づいてそろえていくということだと考えております。その上で、一般的な県民向けを含めた経済対策に対しては、必要なところへ十分な規模をしっかりと手当てしていくということに努めてまいりたいと考えているところでございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 総務部長近松君。
〔総務部長近松茂弘君登壇〕
◯総務部長(近松茂弘君) 私から県立大学の取扱いについてお答えをさせていただきます。
県立大学は独立行政法人になりますので、別法人ということになりますが、従来から県の取扱いも御参照いただきながらお決めいただいているというふうに思っておりますので、今後、県のこういった判断を踏まえて御検討いただくことになろうかというふうに思っております。
◯議長(鈴木宏紀君) 人事委員会委員長野村君。
〔人事委員会委員長野村直之君登壇〕
◯人事委員会委員長(野村直之君) 先ほど申し上げたところではございますけれども、生計費等につきましては、民間の給与を調査することによって、そしてその結果を公務員の給与に反映していると考えております。したがいまして、特別に生計費を人事委員会が調査しているわけではございませんけれども、民間の給与を調査することによって、そのことは十分にしんしゃくされていると考えております。
以上でございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 以上で通告による質疑は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、日程第7の1件に対する質疑は終結いたしました。
■職員手当削減に反対討論
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正について、知事や議員など特別職の削減には反対しませんが、職員の皆さんの手当削減には反対いたします。今ほどの質疑でも問題点が幾つか浮き彫りになってきたと思います。
第一に、県職員、教職員、警察官など約1万3,000人余の職員、1,200人近い会計年度任用職員の約9億円近い削減は、コロナ禍の下で全ての部局、部署で懸命に働いてこられた職員の皆さんに対する処遇としてはあり得ないことではないでしょうか。口では感謝と言いながら、手当削減では納得は得られません。今後、オミクロン型による第6波も予想されますが、引き続き一生懸命県民のために働いていただくためにも、削減はすべきではありません。
第二に、勤勉手当がない1,200人近い会計年度任用職員に、より強いダメージを与え、正規と非正規の格差拡大を公務員の現場で行うことは問題であります。
第三に、7月から9月期の国内総生産が2四半期ぶりにマイナスとなりましたが、これはコロナ禍でGDPの5割強を占める個人消費の低迷が要因です。原油、食料品などの高騰が続く中、個人消費を直撃する手当削減というのは、地域経済にとっても大きなマイナス要因となります。
最後に、今ほど県立大学の教官もこれに準ずるという御答弁がありましたけれども、お聞きしたところ、来月の2日に議論をするということになっているそうであります。ですから、確かに別組織とはいえ、県のそういう削減の適用を求めるのであれば、やはりもう少し教官の皆さんにも丁寧に説明すべきだというように私は思います。
以上を述べて、反対討論といたします。