前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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浮かび上がる新幹線計画の問題点

2009年06月07日 | Weblog
信濃毎日新聞・・・・・・しなの鉄道経営でも赤字 並行在来線、長野-妙高高原間 6月5日(金)

  北陸新幹線延伸に伴い経営分離される予定のJR信越線長野-妙高高原間(37・3キロ)について、県と県内沿線4市町でつくる長野以北並行在来線対策協議会は4日、第三セクターしなの鉄道が運営した場合の30年間の収支予測を初めて示した。運営を新会社が単独で引き継ぐ場合より赤字幅は縮小するが、単年度赤字が続くと推計。安定的な経営には「国などの新たな支援策が不可欠」としている。

  県庁で開いた同協議会幹事会で示した。協議会は昨年5月、新会社が運営した場合の収支予測を公表。鉄路、駅舎取得などの初期投資をした場合は単年度平均で5億7200万円余、しない場合でも同1億5800万円余の赤字が続くとした。今回はこれを基に、しなの鉄道が長野以北も運営した場合を試算した。

  81億円の初期投資をして同社が運営した場合、30年間の赤字額の平均は4億9500万円余で、新会社の単独運営より7700万円縮小。30年間の累積赤字も23億円圧縮され、148億円余となる。初期投資しない場合は平均9100万円の赤字で、新会社の運営より6700万円少なくなると推計した。

   信越線長野-直江津間の今後をめぐっては、一括運営とするのか、長野、新潟両県でそれぞれ運営主体をつくるかなどの論議は進んでいない。長野県の協議会は、県境に近い妙高高原駅(妙高市)から長野駅までを収支予測の範囲とし、新潟県側は同県内の区間を中心に予測している。・・・・・・・

       ★

大雑把に「毎年5億円の赤字」。「観光地」の長野、にして厳しい数字だ。
いま、福井では県庁、経済界、県議会などオール新幹線誘致の大合唱。県議会も「オール与党」で、問題点の鋭い切り込みはない。しかし、自民党議員も民主党議員も「無知ではない」。つまり、在来線問題・莫大な財政負担問題を知ってはいるが、そのことを正面から取り上げないし、県民にも知らせようとしない。これこそが民主党の言い方をかりれば「官僚政治に飲み込まれた政治」の姿ではないか。もちろん、新幹線という巨大公共事業にうごめく「利権」狙いもあるだろう。

   「知らぬが仏」。県民に真実を伝えない、そして「後は野となれ」と県民に負担をおしつける県政はいいかげんにしてもらいたい。
   わたしたちは、この財政が厳しい時に新幹線計画は凍結せよ、と主張している。そうすれば、巨額の新幹線建設費の負担と長野で問題になっているような在来線運行の巨額の負担という、二大負担を回避できる。
また、新幹線料金による東京までの運賃アップ、経営難による在来線の運賃大幅引き上げ、という二大負担は家計を直撃する。このような無用な家計負担増も回避できる。

  日々の生活に困窮する県民や中小業者が増大している時に、新幹線より、大事な行政があるのではないか。
      巨額な地方財政の二大負担+家計の二大負担増のリスクを回避する決断も必要だ。