前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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90歳の直木孝次郎先生の迫力

2009年06月17日 | Weblog
     松本清張研究会の第二講は、大阪市大名誉教授・直木孝次郎先生の「伊勢神宮と壬申の乱」。

      実は、ちょうどタイミングよく、しんぶん「赤旗」日曜版の6月14日号に、「アマテラスはなぜ伊勢神宮にまつられているのか   古代史の謎に挑んで70年」という記事が掲載された。
      この記事を読むと、「蔵書は2万冊。ことし90歳、いまも講演の舞台に立ちます。インタビューでは、古事記や日本書紀の記述がよどみなくでてきます。」
      さらに、「継体、天武の両天皇に注目。当時、大和朝廷の最高神【天皇の祖先神】にアマテラスオオミカミとタカミムスビノカミの2つがあり、そのうちアマテラスが伊勢に左遷された、という大胆な説を展開。2神のうち古くから信仰されていたアマテラスを、継体は大和から伊勢に遠ざけるのですが、新しい国家体制をつくるためでしょう。・・・伊勢神宮の復活は、壬申の乱で天皇となった天武天皇の力です」・・・・・
      まさに、今回の講演のテーマにドンピシャの赤旗企画でした。

                      ★
  
       おどろいたことは、先生は丁寧なレジュメ・資料を作られるとともに、講演内容をきちんと文章化してていねいにお話されたことです。90歳とは思えないエネルギッシュな1時間の講演でした。
 
       直木先生は、「清張と同世代の人は検挙されたかどうかは別にして、思想問題で苦労している」ときりだし、伊勢神宮の起源について、「松本清張はアマテラスと大和のカミは仲が悪かった、としている。しかし、通説では≪勢いを畏れ≫とある通りの解釈で、松本説は都合わるい」と冒頭、やんわり退けました。

        このあとの展開は・・・・・門外漢のわたしには頭が痛い。
 しかし、最終のところで、「なぜ天皇家に最高神が2柱あるのか。」と問いかけ、「2つの最高神は国家に不都合。1柱となると、天の神であるタカミムスビノカミを選ぶのが自然。よって政治の中心の大和から伊勢にアマテラスは敬遠された」との流れるような、迫力の講演に400名を超す聴衆は静まり返って聞き入ったのでした。


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         研究会後は、有志で懇親会。ビールとワインでわいわいと。
         清張とともに作品をつくりあげてきた方であり、松本清張記念館の藤井康栄館長は、「ある文庫のゲラは間違いだらけだった。全集が底本。全集は私と清張がやりとりしながら仕上げたもの。全集にあるものはこれを尊重して欲しい」と凛とした口調で語られました。
         懇親会後は、タクシーに分乗して京都駅へ。それぞれ、ホテルに向かったり、帰途についたり。
          わたしは、駅で土産の漬物をもとめ、がらがらのサンダーバードに乗り込みました。