Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

ホークス名鑑2014

2014-10-25 17:40:23 | 野球
 今年の日本シリーズは一歩間違えると「ジャイアンツの出場が叶わなかった」というアングルで語られることが多くなりそうな気がするので、ちょっと待てよ、お嬢ちゃん、ホークスにも面白い選手はたくさんいるぜ!という、僕なりのホークスイントロデュース的な文章なのです。

★投手
大隣憲司
黄色靭帯骨化症という国指定の難病を克服した奇跡の男。病気によって球威が落ちたと見る向きもあるけれど、若手の頃はともかく、キャリアハイの2012年との比較ではさほど変わらないように思う。マウンド上で川崎ムネリンに叱咤され涙したのは昔の話。奥さんに薦められたメンタルトレーニングにより精神的にもたくましくなった。ペナント制覇、プレーオフ勝ち抜け、ふたつの重要な試合で堂々たるピッチングを披露した。

中田賢一
今季ドラゴンズからFAにより加入した。好調時は快刀乱麻の投球を見せる一方、悪い時は相手打線がかっぱえびせん並みに止まらなくなる。春までは前者が多かったが5月以降は後者が増えた。それでも完投能力を備えておりホークスにおいては貴重な戦力。本人曰く不調だったプレーオフでもゲームは作った。

ジェイソン・スタンリッジ
昨オフ、タイガースに見捨てられたところを古巣のホークスに拾われた。核となるスターター不在のホークスにあって安定感はある部類だが、夏頃にQVCマリンフィールドで3連続与死球という快挙を達成した。しかも3発目が危険球(被害者はブラゼル)というオチまで付け、ホークスファンもマリーンズファンも真っ青に。俊足のランナーを塁に出すと集中力を欠く。

武田翔太
2012年の七夕の日、1軍デビューを飾り、お立ち台で「救世主になります!!」と高らかに宣言した。その後、コントロールがバグったこともあり伸び悩んだが、今季の終盤にはだいぶ改善された。120km/h台の縦割れの変化球はカーブと解説されることが多いが、本人はスライダーと言っている。足を攣りやすい体質が弱点。

飯田優也
今季、育成枠から支配下登録を勝ち取ると、交流戦あたりから先発ローテに定着。力強い真っ直ぐが適度に荒れて入ってくるので打者は対応に苦しむ。交流戦優勝が掛かった巨人戦では派手に炎上したが、あの日の東京ドームは異様な雰囲気だったので仕方ない。交流戦チャンプにそこまで価値があるの?と首を傾げたホークスファンは多いはず(笑)。支配下登録の際、対戦したい打者に中田翔を挙げ「内角へ投げ込む」と宣言したように、決してメンタルが弱いわけではない。まぁ裏返しかもだけどね。世の女性が妬みそうなほどの色白美肌。

攝津正
リリーフで2年、スターターで3年、チームに多大なる貢献をしてきた彼も今年はシーズンを通して絶不調。というか正確には去年の秋からずっとダメ。勤続疲労と言う人もいるけれど、個人的には年齢的なものもあるのかなと。それでもなぜかふた桁勝っている不思議。彼の投げる日ってなぜか打線が奮起するからね。特に細川の豹変っぷりは凄まじい。

岩嵜翔
お立ち台で「エースになります!!」と宣言したのは何年前だっただろう。年齢的にもそろそろ大場枠(またの名を巽枠)に片足を突っ込み始めたような……。去年よりはコントロールがマシになったぶん、成瀬をも凌駕する球の軽さを身に付けてしまった。これまで監督は割と彼に好意的だったが、ついに堪忍袋の緒が切れたか、彼のピッチングを「気に食わないね」と一刀両断した。「便利屋になりたくない」等々、しばしば勘違い発言が飛び出すのも欠点。

大場翔太
オープン戦は好調で、先発ローテ最後のひと枠を東浜と争った。過去に積み重ねた不信感の差でこの争いに敗れると、シーズンではほぼ行方不明に。と思ったら優勝後のビール掛けではコーラを片手に大はしゃぎ。3年前も秋山監督にコーラを掛けて怒られてたっけ。コーラってビールより目に染みるらしいのよ。

東浜巨
前述の通り大場との勝負には勝ったが、その後は割と微妙な投球が続き、シーズン途中からは2軍にいる時間が増えた。新陳代謝が良いようで、常に顔や髪から汗が滴り落ちている。ドーム球場だろうと何だろうとポタポタ滴り落ちている。攝津炎上後の敗戦処理が今年最後のお勤め。

森唯斗
ドラ2ルーキー。オープン戦終盤で故障を発症し、1軍デビューは5月に入ってから。しかしそこからは来る日も来る日も投げた。秋山監督、使い潰すつもりだろ(笑)。便利屋を経て、シーズン終盤からはセットアッパーとして主に7回に登板するが、さすがに疲れが出たか、打ち込まれる試合も増えてきた。彼の行く末は甲藤か攝津か。後者であることを願うばかり。投球時に声を出すのが特徴で、テレビ中継でも「オリャ!!」的な雄叫びが確認できる。真っ直ぐは全てスライドしており、綺麗なフォーシームを投げることはない。

五十嵐亮太
昨季加入。鋭く曲がるナックルカーブはメジャー時代にコーチから教わったらしい。最初は「こんな握りで投げられるか!」てな感じだったけど、続けているうち物になったんだって。主に8回より登板するが、好調時は相手を力でねじ伏せる一方、打たれ始めると意外に脆い。シーズン終盤の重要な試合で4連続押し出しという金字塔を打ち立てた。

デニス・サファテ
今季より加入。昨オフ、ライオンズ側は契約延長を望んでいたが、本人と全く連絡が取れなくなってしまったらしい。ホークスが汚いことでもしたのか。すまん。西武ドームを苦手としていたそうで、その辺りとも関係があるのかな。シーズン終盤ではやや崩れることも多くなったが、年間を通して概ね安定感のある投球を披露した。ファルケンボーグ(全盛期)の真っ直ぐが「ドスン」だとしたら、彼は「ビュン」という擬音がしっくり来る。そんな鷹の頼れるクローザー。

岡島秀樹
2012年ホークスに加入し、翌年アメリカへ。そして今年またもやホークスに舞い戻ってきた。2年前からの一番の変化は髪色。金髪から普通の茶髪になった。メジャー実績のあるベテランも寄る年波には勝てないようで、当初は8回を担うセットアッパーを務めるも、シーズン中盤以降はビハインドでの登板も多くなった。金無英と仲が良いらしい。

金無英
そんな岡島'sフレンド。毎年1軍と2軍を絶えず行き来している。日本の高校を出ているので日本人登録ではあるが、来年か再来年あたりに母国韓国で兵役に出るらしい。ややカタコトではあるが日本語も問題なし。

森福允彦
ホークスが誇る変則左腕。過去には一時的にクローザーを務めた年もあったが、今年はシーズンを通して不振が続いた。去年が前半×→後半○という流れだったので今年も同じパターンかとも思ったんだけどね。今宮の超ウルトラファインプレーに救われたにも関わらず、その後普通に打ち込まれた。そんな甲子園の苦き思ひ出。

柳瀬明宏
一昨年に肘の故障から復活すると、昨季までの2年間、安定した投球でチームを支えた。ビハインドでも勝ちパターンでも投げる投手で、彼のポジションはチーム状態の指標となる。負け試合での登板が多ければそれだけブルペンが充実していると言えるし、重要な局面で起用されている時は台所事情が苦しいと。ただし、今年はそれ以前に彼自身の調子に問題あり。非常に落差の大きなフォークが特徴。

帆足和幸
一昨年、巨人に連れ去られた杉内のスペアとして獲得。ライオンズ時代は鷹キラーとして鳴らした彼もホークス加入後は満足な成績を残せていないが、交流戦期間中は話が別。年間の勝ち星のほとんどをここで稼ぐ。今年も雨のマツダスタジアムで見事な完投勝利を挙げた。一見スライダーに見える変化球は本人曰くパーム。おばあちゃんの申し付けによりホタテは食べないらしい。共食いになっちゃうから(笑)。

★野手
細川亨
お世辞にも強肩とは言えないし、キャッチャーというポジションを考慮しても打撃には不満が残る。それでもホームベースを全力で守るガッツには目を見張るものがあるし、たまに大事なところでホームランを打ったりするから油断ならない。無死or一死で3塁走者がいる時はバスターの構えで敵を幻惑する。投手からの信頼は絶大なようで、攝津は細川さんLOVEだし、岩嵜のツイッターアイコンも彼とのツーショット。杉内には嫌われていたっぽいが、自分から出て行っちゃったんで問題ナッシング。

鶴岡慎也
今季FAで加入。(サエコじゃない方の)ダルビッシュの元妻であり、顔がムックじゃない方のあいつにそっくり。出身地である九州に凱旋すると「打てるキャッチャー」という触れ込みに違わぬだけの活躍を見せた。オープン戦までは(笑)。シーズンでは打撃不振をこじらせたうえ、リード面で監督から難癖を付けられることも多く、徐々に微妙な立場に。それでも中田賢一が投げる試合では先発出場を続けたが、いつの間にか彼までもが細川に寝取られてしまった。

李大浩
今季バファローズから獲得した「アジアの大砲」。しかしその実態はどちらかと言うと中距離ヒッターであり、なおかつ1塁にいる彼をホームに返すには3本のヒットが必要なため、表面上の数字よりは貢献度が低い気がしないでもない。というか普通に得点圏打率も低い。今季の優勝は彼を全試合4番で固定できたことが大きかったと見る向きもあるようだけど、個人的にはそんなのこじつけだと思う。ネガティヴなことばかり言うようだけど、何だかんだで3割打ったのだから感謝はしております。

本多雄一
球界が誇る名二塁手も、ここ数年は故障がちで本来の力を発揮できていない。今季序盤までは中村晃と交互に1番を打っていたが、自身の不調等によりやがて9番固定。そこからは復調の気配を見せたものの、8月にファイターズ宮西からデッドボールを食らい骨折。あえなくシーズンが終了した。アウトハイの球を反対方向へ打ち返すのが得意技。俊足の左打者であるにも関わらず今年はゲッツーがとても多かった。

明石健志
ホークスの層の厚さを表現する言葉のひとつに「明石でさえもスタメンじゃない」というものがあるが、今年は本多や松田の離脱により先発出場機会も多かった。少々のボール球にも手を出し、とにかくファールで粘るのが身上。守備は時折ファインプレーも見せるものの実はやらかしも結構多い。「~~でね」という喋り方が特徴だったが、最近はすっかり矯正された模様。誰かにからかわれたのだろうか。容疑者は松田か大場あたり(笑)。

松田宣浩
一生届かないような外のスライダーに手を出したかと思えば、高めのボール球をぶっ叩いてスタンドに持って行くこともある。そんな予測不能な選手。シーズン終盤、レポーターに現在の調子を聞かれると「158%!!」とだけ答えたらしい。何を持って弾き出された数字なのかは不明。ウケ狙いと取られるかもだけど、彼の場合は真面目に答えてこんな感じ。故障で離脱した時期こそあったものの、最後の最後で優勝を決める一打を放つあたり、やはりホークスが誇るスター選手なのだと思う。

今宮健太
抜群の身体能力を生かしたディフェンスが最大の武器。と言いつつエラーは多いし、バッティングも現状は思うような結果を残せていない。打撃好調時に解説者が「今宮は着実に成長してますねぇ」的なことを言うが、個人的には「ほんまかいな」と少し思ったり(笑)。少年時代、近所にあったサンリオランドでキティちゃんに会うのを楽しみにしていたらしい。野菜嫌いで肌が汚かったが、岩嵜に薦められたドレッシングを気に入り、苦手を克服。イケメン度がさらに増した。

吉村裕基
昨季トレードでベイスターズから移籍。「完全に過去の人だけど地元に戻って復活したらいいな~」程度の期待度だったと思われるが、加入2年目の今季は大車輪の活躍。松田が怪我をしてもチームが崩壊しなかったのは紛れもなく彼のおかげ。シーズン最終盤にやや調子を落としたが打率4割を超える時期も長かった。クライマックスシリーズではMVPを獲得。ここぞのチャンスに強く、代打起用で結果を残せるのも特筆事項。ホームランを打つとバットを高く放り投げ、たまに外野フライでも投げる(笑)。お立ち台に上がるとなぜか飲酒運転撲滅を訴える。

柳田悠岐
和製スラッガー候補。フィジカルモンスターということでバファローズ糸井と比較されることも多いが、決して似てはならない部分までもが似てしまっている。ことわざのクイズを出す流れで、あるコーチから「雨降って」と振られると「傘をさす」と答えたらしい(笑)。今季成績を上げた理由について色々な解説者があれこれ言っているが、怪我をしなくなったことが一番なんだと俺は思う。去年は好調時に限って故障で離脱してしまっていたからね。王会長の誕生日のヒーローインタビューでシュールな祝い方をした。(7:00あたりから)

中村晃
バットを短く持って右に左に打ち分ける。相手からしたら嫌らしさを感じるであろうバッター。本多との競争に勝ちトップバッターを務めつづけたが、最後の最後になって柳田にその座を譲った。帝京高校出身であり、先輩にあたる石橋貴明に気に掛けられている。

長谷川勇也
昨季のリーディングヒッターも今季はなかなか波に乗れなかった印象。しかし、それでも打率3割を残しているところが彼が球界屈指のヒットメーカーたる所以。ボールを体の近くまで引き付け広角に打ち分けるタイプの好打者だが、意外と三振も多い。バントの成功率は恐らく打率より低いと思われるが、最近はさすがにそういうサインを出されることもなくなった。

内川聖一
福岡の、というより日本が誇る安打製造機。ランナーがいる時は軽打、いない時は長打狙いのバッティングをする。実際、今年放ったホームランの大半はソロだったんじゃなかろうか。かつてはヒーローインタビューでしばしば大分弁を披露していたが、寒いことにようやく気付いたか最近は真面目に話すことが多くなった。

江川智晃
秋山が2軍監督に就任した年、ドラ1ルーキーとしてホークスに入団した、いわば秋山監督の秘蔵っ子。彼がホームランを打っても監督はあまり表情を崩さないなど、他の選手より厳しい扱いを受けていたが、それは父が我が子に接するのと同じ感覚なのだろう。CSで代打出場した際は、三振ではあったものの、監督がやや感慨深げな表情を浮かべたのが印象的だった。彼自身、秋山監督を胴上げしたい気持ちは強いに違いないし、監督にとっても彼の打棒で日本一を飾るのが最も感動的な結末と言えるはずだ。2012年頃から1軍出場が増え始め、昨季は初のふた桁本塁打を記録したが、今年はキャンプ直前にインフルエンザに罹患。4月に好調期こそあったものの低調な成績に終わった。「バスター打法の長距離バッター」という新ジャンルを開拓した時期もあったが、現在は高橋由伸を鏡写しにしたような打撃フォーム。代打起用で男を見せることができるか。


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