一日中曇り。25-20℃
肌寒く海の日のイメージは無い。
今日は父のところに行ってから、無料のマンドリンコンサートに行く。
録画を見るにつれて、自分の欠点が解ってきた、音の問題、そこだけを重点的に。そして、時間になった。
私の洋服は、母が作ったり、母が買ったものが多かった。私のセレクトは、必ずと言っていいほど文句が多かったので、いつしか面倒になって自分の好みを言えない、何も考えなくなってしまった青春だった。
久しぶりにスカートを着用、いつの間にか母にそっくりになっている。ズボンだと父にそっくりなのに。
そして、試着しないで洋服を買うのだが、丈に合わせると、全てがぶかぶかなのにも気がついた。母のような洋裁技術が欲しいところだ。
有料老人ホームの痴呆棟にいる父は、ちょうど食事中だった。
バス停を模したタクシー乗り場、
もう二度と帰ることはないであろう、ここを終の棲家とされた皆様の故郷を思う…。
複雑な思いで、コンサート会場へ向かった。
へぇええええ!
早めに到着!
まだ、開演していないので、下の階で時間を潰す。
ヤ◎ハの発表会も下の階で行われるので、保護者さんと可愛いお子さんが一杯、定番のピアノバック、そのドレスも可愛い事。
私も今月発表会だが、お腹を満たさない音楽が、習うには決してたやすい事ではない音楽が、なぜこんなに人を夢中にさせるのだろうと、音楽の力についてぼんやりと考えに耽っていた。
時間になって外の列に並び直す。
今、日本のクラッシック系音楽は高齢者が支えているのは本当だ。私なんぞ、これでも若い方なのだ。コンサートは年々撮影禁止が増えているので、撮らないが、舞台も高齢者は多く、聴衆も高齢者の図式なのだ。
パンフレットには、次のコンサートのチラシが挟まれており、若い頃演奏した曲目があると、それに行けるかどうか、スケジュールを組む。
そして、あちこちで団員募集だが、私が知るところは、マンドリンも、管弦楽も大体の練習日が土曜で、今のバイオリンのレッスンとかち合う、だから永遠にどこにも入れない。仮に上達しても永遠にボッチなのか_| ̄|○
さて、もう座れないほどの来場者が来ていた。ホールコンサートの後で開演だ。
イルマーレマンドリンクラブはイルマーレ=海だけあって、毎年この曲で幕が上がる、この曲は父と良く歌った曲である。
Andrea Bocelli ...... Vieni sul Mar!
『Vieni sul mar 海に来たれ』 徳永政太郎訳詞
1
目覚めとく来よ 月は波間に輝く
来よ来よ急ぎ舟に わが愛しの舟に
されど汝(なれ)はまどろみ 我の待つを知らず
ひとり今宵さびしく 愛しの汝を待つ
(*)
海に来よ 舟を漕ごう このわが心 ただ君を想うよ
海に来よ 舟を漕ごう このわが心 ただ君を想うよ
2
さらば安けく眠れ 夜はあけ目覚めば
遙けき海のかなた さびしく我は行く
されど汝(きみ)はまどろみ 我の待つを知らず
ひとり今宵さびしく 愛しの汝を待つ (*繰り返す)
3
汝とはじめて逢いし あの日の嬉しさ
今なお胸に残り わがこの胸こがる
汝はうるわしの花 汝をのみ慕う
汝は御空(みそら)の星 うるわしの光 (*繰り返す)
【第一部 イルマーレ ステージ】
・君をのせて 久石譲 ※フルートが良い!
・ゴットファーザーⅡ 移民のテーマ N・Rota
・ハナミズキ マシコタツロウ
・遠くへ行きたい 中村八大
・海原を行くードラゴンクエストⅡBGMより すぎやまこういち
・竜宮ファンタジー 藤掛廣幸 ※まさに藤掛ワールド全開!
・公共的前奏曲 U・Bottacchiari
【第二部 MMO(ミルウォーキー マンドリン オーケストラ)ステージ】
※アメリカで一番古いマンドリンオーケストラ。創立119年だそう。日本は完全なるオーケストラ様式なのですが、こちらは移民の影響もあり、バンジョーのようなマンドリンの形で、フォークソングを聞いているような感じ。
・The Talisman W・C・Stahl
・Mandolins in the Moonlight H・Weeks ※メリーゴーランドのBGM的。
・Merry whirl W・C・Stahl
・Gemito Appassionato C・G‐Walter
・On Wisconsin! W・T・Purdy作曲 W・C・Stahl編曲 ※フットボールの歌であり、ウィスコンシン州の公式の歌、弾きながら歌います。
・The Forlic of the Imps C・Carton作曲 F・O・Gutman編曲 ※ハロウィーンの歌で、バックでイルマーレがパーカッション、カスタネット、ピストル、懐中電灯、もう怖がるような物をだして頑張ります。
とにかく日本のマンドリンオケは抒情的、とてもロマンチックですが、アメリカは陽気でポップというか、雰囲気が全然違う!
【第三部 合同ステージ】
・Evolution Rag T・S・Allen作曲 W・Jacobs編曲
・Among the Roses W・C・Stahl
・The Flying Wedge K・Dolby作曲 W・Jacobs編曲
・流星群 末廣健児
あっという間の素敵な時間、
私の後ろの席の老カップルのご夫婦ではないらしい、が、女性はフルートをやりたかったが、音符が読めない、男性はとにかーーくオケに詳しいのだが、同じく弾けないと延々に喋っていた、あああああああ!今からでも始められればいいのに。
とにかく私よりもはるかに音楽が好きな模様、私が、セカンドのお一人のマンドリンは、かの「カラーチェ」なんですよ、と教えると、経験者だと思うと、黙ってしまう。もっと図々しくしくなれ、好きなものには貪欲であるべきだと思うぞ。
私は独りだと大体見知らぬ人に延々つかまるが、ああっ、あれはデートの邪魔したのかもしれんと、ふと今になって(;^ω^)
普段着の中にも、とてもオシャレな高齢者のご婦人がいらして、折れそうな細い人、真っ白なショートカット、真っ白なボトムス、真っ赤な皮のリュックとおそろいの皮の靴、両方とも皮にパンチングでレースのような模様がついており、とても印象に残る。
音楽が好きでも始められない老カップルの前で思う、なぜ自分も機会はあったのにやめてしまったのだろう、残り時間が少なくなってから後悔するなんて思わなかった。(答え 勉強は、上達しないのは、時には苦しいから。)
そのまま人工海岸まで行く。
スカイツリーが見える。
コウイカの甲を、インコの為に3つ拾って帰路についた。
帰宅して練習したが、フレット付きの弦楽器を聴いた後で、何か音の綺麗さがさらに解った気がする、マンドリンとバイオリンの指板は一緒なのだ。バンバン音を出した。
自分の音は顎の下で聞いている、だからこそ自分には大きくきこえるが、(家だと遠慮して弾いており、したがって弓や指の力を抜いて、こそこそ弾いているわけで、それが通常になってしまってはいけないのですがなっていた。)録音すると、3mでも離れるとこう頼りない、不安定なんだ、会場では聴こえないのでは?とわかってきたこの二日間に、今日のコンサートは良かったと思う。
下手でも堂々と弾く、いつだって遅くないと、音楽を習う楽しさを会場に伝えるのが、最高年齢であろう、私の出来る事なのではないだろうか。
日本のステージは紙一つも落ちてはいけない中で、抒情に満ちた進行なのだが(まさにそこが私が愛してやまないところなのですが)、アメリカ側のステージの賑やかで楽し気な事、会場は始終、笑いに包まれていたのも印象的。
Sea Palace Fantasy for Mandolin Orchestra-Hiro Fujikake 龍宮ファンタジー
浜辺では黙々と走るランナー、ロードレーサーに乗る人で一杯だった。やめられない楽しさもあろうかと思うが、体力、気力的に苦しい事もあるだろう、でも、自分のコレを見つけた人たちだ。輝いていた。
注)あえて何もしないという選択肢も、自分のコレだという事でオケ!